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アルクグローバル通信 (2016年5月)

<グローバル人材育成の現場から>

「昭和女子大学における英語課外活動・課外学習の取り組み」

三宅 ひろ子 先生
(昭和女子大学総合教育センター 専任講師/英語コーディネーター )


 昭和女子大学は、文部科学省の「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援事業」において、私立女子大学で唯一採択された大学である。採択後、直ちに全学横断的なグローバル人材育成プロジェクト委員会を立ち上げ、その下に複数のワーキンググループ(WG)を設置した。事業最終年度を迎えた今、学生の英語力について扱うWGが取り組んできた英語の課外活動・課外学習を整理したい。

■取り組みの概要

 本学のグローバル事業において実施してきた英語の活動は、微調整を重ね、主に以下の①~⑧に集約された。
(特に①と③では、アルクの厚いご支援を賜っている。)

ALC NetAcademy2を利用した入学準備教育、1年生共通の課外学習
新入生対象 英語統一テスト(年2回)
英語学習アドバイザーの利用の促進とEフリースペース(不定期)
えいご楽習のひろば(年6回)
TOEIC IPテスト(年5回)
TOEIC概要説明会(年4回)
TOEICパート別セミナー[上級、中級、初級](各レベル年6回)
TOEFL iBT・IELTS対策セミナー(年2回)

[2016年度予定]

■各活動の内容と成果
学内の英語学習支援キャラクター「トーイくん」

 大学としての英語学習支援は、学生の入学前からすでにスタートしている。初年次英語教育に繋がる語彙力を身につけることを目的とし、ALC NetAcademy2『PowerWordsコース プラス』の学習を義務付けている。対象者は、レベル診断テストの結果に基づく1レベル(50ユニット)およびレベル別実力テスト(4ユニット)を修了させることになっている。期間中には、ESAC®認定の英語学習アドバイザーと本学総合教育センターのスタッフで、修了するまで電話連絡等による学習支援を行っている。
 英語学習アドバイザーによる支援は多岐に渡るが、非英語系学科に所属する1年生約900名は、必ず1度はカウンセリングを受診することが義務付けられている。カウンセリング中は、英語学習に関する相談はもちろんのこと、初年次英語教育の共通課外学習である『英文法コース』や『TOEIC®テスト演習2000コース』の学習支援も受けられる。また、学生が勉強したい英語教材を持ち込み、必要な時だけ英語学習アドバイザーの指導を受けることができる自習空間「Eフリースペース」も、学生に好評である。
 この他に、「えいご楽習のひろば」「TOEIC概要説明会」「TOEICパート別セミナー」「TOEFL iBT・IELTS対策セミナー」といった説明会やセミナーも無料で提供している。ここでは、本学の特徴的な学習支援とも言える「えいご楽習のひろば」について簡単にご紹介したい。
 「えいご楽習(楽しく習う)のひろば」は、英語に対する苦手意識や恐怖心を払拭することを目的とした英語体験レッスンである。英語が苦手な学生でも、英語を話せるようになりたいという願望がまったくないわけではない。ただ、そのような学生は、英語で一方的に話しかけられることが恐怖であり、英語しか話してはならない(日本語禁止)空間は苦痛であり、英語の得意な人と一緒にレッスンを受けるのは恥ずかしいと思っていることが多い。そのため、「えいご楽習のひろば」は、このような思いをさせないレッスンになるよう配慮している。
 また、ディズニーやジブリ作品といった、学生が日本語でも話したくなるようなテーマを設定している。そのような内容のもと、日本語力が高く、明るくて気さくな外国人講師がやさしく導いてくれるため、受講後には、「英語が大の苦手な私でも、ついていけたと感じた」「英語を話したいという気持ちが生まれた」という声をたくさん聞くことができた。また、9割近い参加学生が「英語に対するイメージが良くなった」と回答していることから、このレッスンの目的は達成されていると言える。これをきっかけに、「もっと英語を勉強したい」と思う学生が一人でも増えることを期待したい。


まとめと今後の課題

 本学は4つの英語系学科、8つの非英語系学科で構成されている。そのため、学生の英語レベルだけではなく、学習動機や英語に対する意識もさまざまであることにも考慮し、細やかなサポートを行っている。その成果は学生の声やテストの結果にも表れており、適切な相手に適切な機会を提供することに成功していると言える(グローバル事業の導入時は、非英語系学科の学生の英語力は入学後に下がる現象が見られたが、事業導入3年後の現在は大幅に改善されている)
 ただし、英語のテストスコアを上げることがすなわちグローバル人材の育成に繋がるわけではない。より多くの学生が自らの舞台で活躍できるよう、多角的な視点をもって教育環境を整えていきたい。


【Twitter】昭和女子大学★英語学習支援隊 @swu_est
【参考文献】昭和女子大学 (2015)『昭和女子大学グローバル人材育成推進事業 2014年度事業報告書』





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