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「グローバル時代に強い個の力」を育成する独自の留学制度 明治大学の場合

プログラムの構想を語る、国際連携本部副本部長・鈴木健教授
プログラムの構想を語る、
国際連携本部副本部長・鈴木健教授

多彩なプログラム、きめ細かいカウンセリングシステムで海外留学を奨励

 「グローバル化が急速に進む現代社会では、異文化適応能力が高く、ちょっとやそっとのことでへこたれないタフな人材が求められています。本学では、そのような『グローバル時代に強い個』を育てることを目指しています」。
 こう話すのは、明治大学国際連携本部副本部長であり情報コミュニケーション学部教授の鈴木健先生。
 同大学は50ページでも言及した、文部科学省の「グローバル人材育成推進事業」が支援する国際化拠点大学の一つだ。世界に開かれた大学の実現のために、必須の英語授業に加えた〈実践的英語力強化プログラム〉をはじめとして、さまざまな取り組みを行っている。その一環として、多くの留学生を受け入れると同時に、学生の海外留学を奨励し、世界で活躍できるグローバル人材の育成に力を入れているのだ。
 明治大学が定義する「グローバル時代に強い個」とは、①アイデンティティーを確立し、新しい環境の中で柔軟に変化できる能力、②異文化を理解し、自らを表現し、その対話から新たな価値を創造できる能力、③それを可能とする語学力(学術英語)、④自ら判断し、現場に入って物事を動かす現場力、⑤高度な専門性と国際教養、を備えた人物のこと。
 より多くの学生が留学できる機会を増やすため、昨年から本格的に留学プログラムの内容を充実させた。

多彩な留学プログラムを用意し学生の海外留学を促進する

 明治大学の留学プログラムは実に多彩。
 短期留学プログラムは、単なる語学研修ではなく、専門分野に特化した授業が受けられたり、現地の政治・文化諸施設などの視察が含まれたりするものもあり、学生の専攻や興味に応じて選べる、バラエティーに富んだ内容となっている。
 長期留学制度には、在学中に1学期間(半年間)または1年間の留学ができる協定留学と認定留学、および私費留学の3つがある。
 協定留学は、大学・各学部が協定を結んでいる世界各国約240校の高等教育機関に留学するプログラムで、授業料免除の交換留学と授業料自己負担(助成金制度あり)の2パターン。募集人数には限りがあるので競争率は高いが、授業料の負担が少なく、単位が認められて4年間で卒業可能なため希望者は多い。
 認定留学は、学生が自分で留学先の大学(高等教育機関)を見つけ、所属学部に申請して認められた上で留学できるプログラム。留学費用は自己負担で、留学先で取得した単位が全て認定されるとは限らないが、参加人数に制限はない。
 さらに注目すべきは、こうした留学プログラムを促進するため、無料の留学カウンセリングを実施している点だ。
 鈴木先生によると、「留学に興味や憧れを持っていても、どう実現したらいいかわからない学生や留学後に漠然とした不安を抱えている学生が多い」ため、学生が留学しやすい環境を全学的に整える必要性を感じたという。

留学カウンセリングを導入し留学参加者数が大幅に増加

 明治大学では、1年前に留学カウンセリングシステムを導入。プロの留学カウンセラーがキャンパスに常駐し、留学の疑問や不安を学生が気軽に相談できるようにした。
 留学カウンセリングでは主に、①留学して何を学べばいいかという学校・学部の選択、②必要な英語力(語学力)とその学習方法、③留学手続き・必要書類の準備、の3つに対して具体的にアドバイスする。「特に、多彩な留学プログラムを用意し学生の海外留学を促進する留学カウンセリングを導入し留学参加者数が大幅に増加多彩なプログラム、きめ細かいカウンセリングシステムで海外留学を奨励明治大学の場合すでに留学を決めている学生にとっての最大のハードルは英語力。かといって、短期間で身に付けられるものではないので、どのくらい前からどういうふうに学習すればいいかというスタディープランも提案しています」と、鈴木先生。
 ただし、明治大学の留学カウンセリングでは、単にカウンセラーが学生に情報やアドバイスを与えるのではない。学生自らが留学実現に向けて主体的に行動するプロセスを重視し、そのためにカウンセラーはいろいろな方法を提案し、サポートする。
 こうした取り組みの結果、留学する学生の数は1年間で約1500人から大幅に増えた。一方、先生によると「留学することで卒業が遅れたり就職に不利になったりするのではと心配して迷っている学生がまだたくさんいます」とのこと。「留学による将来的なメリットはすぐには見えづらい。しかし、留学は自分への投資であり、必ず見返りがあると信じて、ぜひチャレジしてほしい。全学的にサポートすることで多くの学生に留学するチャンスを与え、その学生の潜在能力を伸ばしてあげたいですね」。
 ゆくゆくは、グローバル人材の育成だけでなく、グローバルな人材が集まる大学を目指す―明治大学は今後も、全学を挙げて国際化を推進していくという。

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プロに無料でゼロから相談 学生の自主性も育つ明大流留学カウンセリング

● 明治大学ならでは! 留学カウンセリングシステム

プロの留学カウンセラー1名(アルクより派遣※)が、和泉・駿河台・中野・生田の各キャンパスを日替わり(月~金)で訪れ、学生は無料で留学および英語学習に関する悩みや疑問を何回でも相談できる。学生の主体性・自主性を尊重し、単なる情報提供ではなく問題解決の方法をアドバイスする。カウンセリングは1回30分で予約制。

 留学カウンセリングでは、プロの留学カウンセラーに留学に関する悩みや不安、疑問など何でも相談でき、明治大学の学生なら誰でも無料で利用可能だ。
 留学カウンセラーの汐碇淑さんによると、「毎月の利用者は50~70人で、多い月は100人ほどです。この1年間で延べ600~700人の学生が相談に来ました」とのこと。学生の間に広く浸透していることがわかる。
 利用者は協定・認定留学を希望する1~2年生が多く、相談の内容は、留学プログラムの種類から情報収集の仕方、留学先や専攻の選び方、費用、語学力や成績(GPA: Grade Point Average=各科目の成績を合計して平均する評価方式)、出願手続き、留学後の不安や就職活動への影響など多岐にわたる。
 「カウンセリングでは、学生の自主性を引き出すことを心掛けています。留学実現のためのプラン作り、問題解決の方法を学生自身が考えることが大切で、私の役割は問題解決のお手伝いをすることです」と、汐碇さん。
 留学に漠然と憧れと興味を抱いているが明確な目的がわからない学生も多く、そのような学生には「本当に今、留学する必要があるか」どうかを確認し、自分なりの留学の目的をきちんと考えてもらうようにしている。

実例:起業を志す商学部1年生

 実際の留学カウンセリングの様子も拝見した。相談者は商学部1年生Aさん。2年生か3年生の9月から英語圏への協定留学を希望しており、カウンセリング利用は今回が初めて。
 子どものころ、貧困で苦しむ世界の国々の様子をテレビで見て、「世界の役に立ちたい」と感じ、日本を活性化することで世界平和に貢献したいと考えるようになったというAさん。その手段として将来は起業を希望しており、そのために留学して視野を広げたいと熱く語る姿が印象的だ。
 それに対して汐碇さんは「すごいね! ビジョンはもうはっきりしているね」と声を掛け、続いて「それを実現させるためにはどうすればいいかな」と尋ねた。Aさんが一瞬言葉に詰まると、夢をかなえるために学ぶべき科目は何か、身に付けるべき強みは何か、それを考えることが留学先での専攻につながる、とアドバイス。
 その後は、留学先と専攻の選定方法、必要な英語力と学習の進め方、GPAなど協定留学の要件を説明し、具体策について「こういう方法もあるよ」「一緒に調べましょう」と励ましながら、Aさんの考えを引き出していった。決して先回りして「こうすべき」とは言わない。
 カウンセリング中、Aさんは熱心にメモを取っていた。終了後に感想を聞くと、「留学実現に足りていない点が明確になりました。一緒に考えてもらえたのが良かったです」と満足げな表情で答えてくれた。

● 留学カウンセラー
汐碇 淑(しおいかり しゅく)さん

留学や英語学習についての幅広い知識と親身なアドバイスで、昨年から多くの明大生の留学をサポート。タイやドイツなど英語圏以外の留学相談も結構あるという。ESAC認定(アルクが主宰する英語学習指導のプロ認定制度)の英語学習アドバイザーでもある。

※アルクでは、全国の大学で、留学や英語学習のカウンセリングサービスを提供している。カウンセラー人材には資格取得後も定期的に研修を実施し、各 大学で得られるノウハウ・情報を事務局が集約してフィードバックできる点 が評価されている。

留学カウンセラー 汐碇 淑(しおいかり しゅく)さん

留学を実現させた学生の声

● 政治経済学部3年生 
学部間協定留学:2014年8月より タイ・タマサート大学

数回のカウンセリングで、「なぜ、何のために留学したいのか」という根本的な問題に対する自分のあいまいな考えが明確になりました。ここでの留学に関する客観的なアドバイスやIELTS対策など語学学習指導がなければ、2年生から留学を考え始めた僕が今回の長期留学を実現することはできなかったでしょう。

● 情報コミュニケーション学部3年生
認定留学:2014年8月より アメリカ・ミネソタ州立モアヘッド校

私は個人で留学準備をしてきましたが、志望校の決定や出願手続きの際、英文を正しく解釈できているか、記入漏れがないかなど不安なことばかり。そんな中、カウンセラーの方が何度でも相談に乗り、丁寧にアドバイスをしてくださったのです。本当に心強い支えでした。

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