グローバル人材育成の総合ソリューションパートナー 株式会社アルクエデュケーション
TOP >> 事例紹介 >> セイコーウオッチ様
  

事例紹介

                        

セイコーウオッチ

真のグローバル人材育成は、新入社員研修から

セイコーウオッチ株式会社 A.Iさん

セイコーウオッチ株式会社

A.Iさん

1881年の創業以来、セイコーが生み出してきた高級腕時計は、日本特有の美や精神性を身にまとい、いつの時代も世界を魅了してきました。いまそのビジネスを支えるのは、日本文化に根を張り、高い語学力とコミュニケーション力を兼ね備えた、若きグローバル人材です。

お客様の声

研修の両輪は、異文化コミュニケーションとビジネス英語

2020年からスタートした新入社員研修とは、どのようなものですか。

A.I2020年度にアルクエデュケーションの協力を得て、「異文化コミュニケーション研修」を導入し、昨22年度から「英語研修」も行なうようになりました。内容としては、中級・上級2クラスに分かれてのビジネス英語研修が2日、合同での異文化コミュニケーション研修が1日という、通算3日間のプログラムです。コロナ禍と重なったため、オンラインを中心に実施してきましたが、現状オンラインを活用したビジネスシーンも多いため、むしろ実践的だと感じました。

研修導入の経緯を教えていただけますか。

A.I「日本の優れたモノづくりを世界へ広めたい」と当社を志望し、入社した社員の多くが、いつか世界を相手にビジネスをしたいという希望を持っているケースが多いですが、全員がすぐに直接、海外業務に携わるとは限りません。国内中心の日常業務に没頭するうち、グローバル企業で働いているという自覚が、薄れてしまうこともあるのです。

真のグローバル企業であろうとするなら、これでいいわけがありません。どんな部署に配属されても、社員一人一人が、しっかりとしたグローバル・マインドセットをもつことが基本です。そこでアルクの担当者に相談し、まずは「異文化コミュニケーション研修」をやってみようということになったのです。

意識改革から始めて、その後、実践に即した「英語研修」を取り入れていったのですね。

A.Iそうです。当社の新入社員は、TOEICのスコアが高い人もいますが、入社後に実践面でビジネス英語の運用能力不足を痛感し、心が折れてしまう場合もあり得ます。入社早々、自分の可能性を否定するようなことは、してほしくありません。一方、海外経験が豊富で、英語力もきわめて高い新入社員についても、ビジネス英語は不慣れなケースもありますので、満足して仕事に取り組んでもらうためのケアが必要です。こうしたことから英語研修は、中級者と上級者、それぞれのやる気を引き出し、実践力を高めることを目指しました。

さまざまな「異文化」を知って、相手に応じた話し方を学ぶ

今年で3年目となる新入社員研修ですが、ここまでの評価はいかがでしょう。

A.I英語研修の場合、講師が個々の社員のレベルを的確に分析してクラス編成を行ない、研修中も個々の新入社員の得手不得手を踏まえ、上手に役割を割り振ってくれます。おかげでストレスが少ない状態で活動に参加し、よい結果が出せていると思います。

英語のスキルを学ぶ前の段階で、「話す・伝える」ことの意味を、明確に説明してくれたのも、非常によかった点です。社会人としてのコミュニケーションの基本が理解できたと、研修に参加した社員たちも喜んでいました。「限られた英語力でも5W1Hを意識して話せば、有益な情報をより多く伝えられると気づいた」、「英語では論理的に話さないと伝わらないと思い知った」などの感想を聞いています。

「論理的に話す」ことは、異文化コミュニケーション研修でも触れていますね。

A.Iさまざまな機会がコロナで制限され、多様な相手との会話経験も乏しいまま入社せざるを得ない新社会人には、異文化コミュニケーション研修を通じて、「相手によって伝え方を変える必要がある」と知ること自体、とても勉強になっているようです。職場で自分が伝えたいことがお客さまに伝わらなかったり、上司や先輩に怒られたりしたときも、「話し方を工夫し、今度はもっと論理的に話してみようと思い、必要以上にめげずにすんだ」と、話してくれたりします。研修を終えた彼らは、今度は日々の仕事を通して、日本人同士の間にも、さまざまな「異文化」があることに気づいていくのだと思います。

研修を経て意識が変っていく好例ですね。

A.I国内にしか目が向いていなかったのに、英語研修をきっかけに、すごくやる気になる新入社員もいますよ。ある社員は、同期との英語力の差を研修で強く感じ、とても悔しい思いをしたそうです。でも、「研修で教わったマインドセットや英語力を自分のものにすれば、この会社での自分の可能性は絶対に大きく広がるはずだ」と、非常にポジティブに受け止めてくれました。彼は仲間に追いつこうと、多忙な営業職のかたわら、熱心に英語の勉強を続けています。そうかと思うと、英語は得意でも社会人としては未熟であることに気づき、「もう一度勉強し直します!」と気持ちを引き締める人もいますから、この研修を導入してよかったなと思います。

研修後、新入社員のみなさんは、どのような形で英語を使い働いていますか。

A.I海外営業職に限らず、たとえば設計・開発の担当部署などでも、海外の事業所とコミュニケーションができるとスムーズなケースがあります。コロナ禍で出張が減った分、英語でのオンライン会議も増えています。

当社は年に数回新作を発表しており、海外営業担当の新人たちもそのプレゼンテーションを英語で行っています。担当するブランドの新作について英語で説明し、全世界に向けてオンライン配信するのです。会社のことも、商品知識もしっかりと頭に入れ、新作腕時計の優れた点をいかに英語で魅力的に伝えるかが重要です。英語の腕時計専門用語もたくさん出てくる難しい役割ですが、当社の業務の本質に直結する仕事ですので、1年目から挑戦してもらっています。

セイコーウオッチ株式会社 A.Iさん

「日本の会社が作る日本の腕時計」の魅力を世界に伝える

新入社員研修のパートナーとして、アルクを選ばれた理由は何ですか。

A.Iアルクの営業の方には研修導入の前から、「ささいなことでもかまわないので、困ったことがあればいつでも相談してください」と言っていただき、その都度、的確な提案を、スピード感をもって提供していただいていました。そういう関係性が根底にあったのは大きいと思います。アルクがスピーキングテストのTSST(Telephone Standard Speaking Test)を運営する会社であることも、信頼につながりました。

TSSTを受験する社員のみなさんも多いようですね。

A.I当社のTSST受験経験者は、すでに相当数います。今は海外事業に携わる場合には、「TSSTのある一定のスコアを目標にしたい」という社内基準も出来つつあります。

国内で長く仕事をしている社員や、開発・設計担当者のTSSTの結果を見て、海外とやり取りをするチャンスを与えるきかっけになったり、開発/設計の裏側のストーリーを自分自身の言葉で全世界へ伝える、という新しいチャレンジ目標に繋がったりしています。

TSSTはこのように、埋もれているグローバル人材を掘り起こす一助にも、なっています。それを見て、やはり英語はできたほうがいいという意識が、部署を問わず定着してきたのも意義深いことです。

A.Iさんが考える、「わが社に必要なグローバル人材」のイメージを教えてください。

A.Iまず日本の文化をしっかり熟知している人。そのうえで、伝える手段としての語学力をもち、どんな場面でもその語学力を使いこなして、ビジネスの成果に落とし込める人です。

私たちは日本の会社であり、日本文化を象徴する時計作り、日本の伝統や自然の美を込めた感性的価値の高い時計作りに力を入れている会社です。その点が他国のメーカーとの差別化に直結するからこそ、当社のグローバル人材には、日本文化への理解と発信力とが不可欠なのです。

今後の人材育成については、どのように考えていますか。

A.I中堅以上の社員に対する取り組みにも、さらに注力していきたいですね。英語が堪能な新入社員の存在は、既存社員にとって大きな刺激となっていて、自分たちにもビジネス英語研修をやってほしいという、ベテラン社員からの要望を貰うことも出てきました。それに応えて、今は管理職レベルにカスタマイズした英語研修も行なっています。新入社員研修が起爆剤となり、社員の意識がどんどん前向きになっていくことを、嬉しく思っています。

セイコーウオッチ株式会社

セイコーウオッチ株式会社は、セイコーグループの一員として2001年7月より営業を開始。「時代とハートを動かす SEIKO」を企業スローガンに、高級品戦略を担う真のグローバルカンパニーとして、ウオッチ等の企画・開発・製造および国内外への販売を行なっている。

A.Iさん

幼少時代からセイコーの時計に親しみ、成長するにつれ、世界に通じる優れた技術や、日本発のラグジュアリーブランドとしての魅力に惹かれ大学の英文科を卒業後、セイコーウオッチ株式会社に入社。高級ドレスウオッチの販売や、チェーン店営業を経験したのち、現在は人事部で新卒採用をメインに担当。自社の業務全体を把握するため、海外での事業展開についても改めて勉強したことを機に、常に世界を意識して仕事に取り組む人材の必要性を実感。研修を通し、若手の育成に尽力している。

A.Iさん