グローバル人材育成の総合ソリューションパートナー 株式会社アルクエデュケーション

セミナーレポート
海外研修・留学支援プログラムセミナー

アルク創立50周年企画【ミニセミナー 海外研修・留学支援プログラム】IN東京


【日程】 2019年9月13日
【場所】 アルク市ヶ谷ビル

企業が求める「グローバル人材」に必須の力とは

アルクは25年以上前から企業向け海外研修を手掛けており、年間約500件の取扱いがあります。アルク留学海外研修部部長の根間ミキによると、その8割程度が語学学校での研修です。行き先はフィリピンが多く、2位はかつて1位だったアメリカ、そしてイギリスが続きます。以前は、海外拠点に赴任する前の社員など、限られた社員だけを派遣していましたが、近年では比較的コストのかからないフィリピンなどに行き先をシフトし、若手社員を幅広く派遣する傾向にあります。

背景には、企業内の英語ニーズ拡大があります。昔は英語を使う職種といえば、海外事業や海外調達の担当者などに限られていました。しかし最近は、多くの企業に海外資本が入り、外国人社員も増えています。外国企業との協業も増えています。会社の規模を問わず、さまざまな部門で英語が必要とされているのです。

さらに、海外研修で得られるのは、語学力だけではないという点にも触れ、①異文化や多様性への対応力、②広い視野や幅広い知見、③自ら行動する力、④人的ネットワークを築く力、⑤ストレスに耐える力、⑥グローバルマインド、⑦ダイバーシティに対する理解、なども海外研修の重要な要素であると強調。「これらは、今企業が求めている『グローバル人材』になるための力でもあります。大学生には、卒業するまでにぜひ留学にチャレンジして身に付けてほしいです」(根間)。

留学成功のカギは「目標設定」

では、大学生が実りある海外留学を実現するためには、何が必要でしょう。

アルクの留学カウンセラー、木村あすみによると、留学に関心を持つ学生の多くは、その目的として「英語が話せるようになりたい」「異文化交流がしたい」といった抽象的な内容を挙げるといいます。しかし「留学」といってもその形態や種類はさまざま。「この程度の目的では、どのような留学がよいのか、適切に選択することはできません」と指摘します。

留学には具体的な目標設定が必要です。「〇〇ができるくらいの英語を身に付けたい」「英語で〇〇を学びたい/〇〇の資格が取りたい」などです。「留学が始まったばかりの時期は、すべてが新鮮に感じられる『蜜月期』。しかしその後は、異なる文化・習慣の中で、コミュニケーションや勉強がうまくいかないストレスが重なり、留学先の生活がイヤになってしまう『敵対期』に入ることが多いものです。最初に目標設定をしっかりしていれば、敵対期に入っても立て直すことができますが、目標がないとモチベーションを上げられず、立て直しが難しくなります」。

留学の形態には、語学習得を目的とする「語学留学」、英語で専門分野を学ぶ「大学留学」のほか、「ワーキングホリデー」「海外研修」「途上国でのボランティア」「インターンシップ」、パイロット養成学校やダンススクールなどの「専門学校」などがあります。木村によると、留学カウンセリングで最も多い相談は、「どの留学形態がいいか分からない」というもの。しかし、目標が明確であれば、数ある留学形態の中から自分に合った適切なものが選べます。

帰国後のビジョンを描くことも大切だと木村は言います。「『帰国したら終わり』にならないよう、留学で得た学びを、大学での学びや就職活動にどう生かしたいか、予め考えておくのです」。どんな自分になって帰ってきたいかをイメージし、それを実現するために留学先でどんなことを経験し、何を学ぶべきかを考え、チェックリストを作ると効果的でしょう。

留学カウンセラーの上手な活用を

目標設定、留学形態や行き先の決定、帰国後のビジョンを描くことに加えて、資金の準備や、親との相談も必要です。授業やアルバイト、サークル活動などで忙しい中、これらを並行して進めるのは大変なこともあるでしょう。実際、そのために留学をあきらめる学生もいるといいます。「だからこそ留学カウンセラーを活用してください」と木村は強調します。

留学カウンセラーは、相談者が自分の気持ちを整理し、課題を明らかにする手助けをします。そして、本人が主体となって行動プランを作成・実行できるようサポートします。「留学は、受け身では何も得られません。自分から積極的にクラスメートの会話に参加しないと英語力は伸びにくいですし、授業中に発言しなければ得られる学びも少ないでしょう。学生が主体的に留学生活を送れるよう、留学カウンセラーは、学生の自己決定力を養いながらサポートします」。

留学は、留学後の振り返りも大切です。アルクでは、帰国した学生を対象とした「フォローアップセミナー」も実施しています。留学で学んだことを整理し、今後にどう生かすかを考え、留学を経験した学生同士でディスカッションして体験や感じたことを共有するもので、非常に好評です。

就職活動の際、留学経験を強みとしてアピールしたいと考える学生も少なくありませんが、木村は、留学は必ずしも就職の強みになる時代ではないと言います。「英語が堪能な学生も多いので、語学力に加えてアピールできるものがあるといいでしょう。いずれにせよ、学生にとって留学は非常に良い経験になるはずです。ぜひ、挑戦してほしいですね」。

企業が求める「グローバル人材」に近付くために、留学は有効な手段です。しかし、学生だけの力で、学業と両立しながら準備を進めるのは大変なこともあります。大学としては、留学カウンセラーなどの外部リソースをうまく活用しながらサポートすることが、大学生の留学を真に実のあるものにするためのカギとなりそうです。

(文・構成:大井 明子)

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