ALC NetAcademy 通信[No.111]

投稿日: 2013/08/28 アルクグローバル通信

セミナーの様子厳しい暑さが続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
7月25日(木), 26日(金)の「TOEFL(R)テスト対策コース説明会」に続き、
 9月7日(土)、「大学におけるグローバル人材育成セミナー」を開催いたします。お陰様で大変好評で定員に達しました。ありがとうございます。 (画像:先日の説明会の様子)

外国語教育とe-learning

『昭和大学におけるALC NetAcademy2活用の現状』 

昭和大学 富士吉田教育部  高橋 寛 先生

医系総合大学である本学にとって、英語教育の中でALC NetAcademy2のようなeラーニング教材を用いるメリットは大きい。過密な専門教育カリキュラムによる英語の授業時間の不足を補う手段として、また英語力や英語学習のモチベーションが大きく異なる学生が各自の能力や必要性に合わせて学習を進める手段として、これまで大いに役立ってきた。しかし一方で、NetAcademy2の持つ学習効果を最大限引き出せているかというと、まだまだ工夫の余地はありそうである。

昭和大学がALC NetAcademyを導入したのは2005年で、2008年にはNet Academy2へとバージョンアップし、現在まで8年間にわたりどのように英語教育に役立てるか、その活用方法について試行錯誤を繰り返してきた。現在、英語科目は教養レベルの英語と、医学英語や薬学英語などの専門英語に分かれており、NetAcademy2はもっぱら前者の授業の中で利用されている。1年生は学部学科を問わず全員がリスニングとリーディングの内容を合わせた「Freshman English」という基礎科目を前期と後期に受講することになっているが、そのリスニング教材として用いられているのがNetAcademy2である。ここで問題となるのは、自主学習用教材であるNetAcademy2を、受講者全員が並列的に学習を行う授業の中でどのように効果的に用いるかということである。

今現在、これが最良という方法は見つかっていないが、例えば私自身の授業では、こちらが指定したユニットを受講者全員が決められた時間内に学習し、その後に教員が当該ユニットのポイントや重要表現などを解説することにしている。もちろんこのような授業形態は、習熟度別クラス分けによってある程度学生の英語力を揃え、そのクラスのレベルに合ったユニットを学習させることが前提になる。

一方、好きな時間に好きなだけ自主学習ができるというeラーニング教材のメリットを活かすためには、学生に授業以外での利用を促す必要がある。このために、授業で扱わなかったユニットを定期試験範囲に指定し、成績評価に含めることにしている。これによって、学生は課外学習をせざるを得なくなり、英語の授業時間の不足を補うことが期待されるが、このように半強制的にやらせるのではなく、もっと学生の自主性に任せつつ、英語の自主学習を習慣づけられる方法はないものか思案しているところである。

またTOEIC対策としてもNetAcademy2は大いに役立っている。
またTOEIC対策としてもNetAcademy2は大いに役立っている。本学のような医系大学においても、プレイスメントテストでの利用はもちろんのこと、海外研修参加資格を評価する参考資料として、また特に薬学部では就職活動に直結する資格としてTOEICの必要性は高い。これに対して、本学では12月にTOEIC IPテストを実施し、1年生は全員義務的に受験することになっている。(2年生以上は希望者のみ受験。)ただし、時間的制約から、TOEIC対策に特化した授業を行うことは難しいため、後期開講のFreshman Englishの中で、スーパースタンダードコースのTOEIC®テスト演習のリスニングテストのみを行い、リーディングテスト対策など不足する部分についてはNetAcademy2を用いた自主学習を勧めている。

これまで述べてきたNetAcademy2の利用は、現在のところ1年次の英語教育に限られている。2年次からは学部によって英語科目が選択になったり、専門英語になったりするが、残念ながらいずれにおいてもeラーニング教材を充分に活用しきれていない。入学から卒業まで継続性のある英語学習の機会を学生に提供するためには、eラーニング教材の利用は必須であり、それをうまく取り入れたカリキュラムの構築を進めていくことが今後の大きな課題である。

グローバル人材育成の現場から

『東京海洋大学における3年次から4年次へのTOEIC600点進級要件化』 

東京海洋大学 海洋科学部長  木村 凡 先生

文部科学省の平成24年度「グローバル人材育成推進事業(タイプB:特色型)」に、東京海洋大学(海洋科学部)の取り組みが採択された。海洋国家日本における唯一の海洋大学としては、世界に飛び出していく人材を育てることは本学教育の大前提であり、海洋とグローバルは同義語としてとらえている。

1.東京海洋大学のグローバル人材育成推進事業

 大きな改革の柱は以下3点である。
1)TOEICスコア600点の学部4年次への進級要件化(大学として数値で示す着地点の明確化)
2)学部3年次での海外派遣型キャリア演習の新設(グローバル視点での自己キャリア啓発と異文化交流活動)
3)大学院前期課程授業の完全英語化(+英語による討論型授業)

2.3年次から4年次へのTOEIC600点進級要件化へむけて

学部学生に海外を体験させ、大学院での授業をすべて英語に切り替えるためには、語学力が前提となる。そこで必要となるのが最低限の基盤的英語力の研鑽となる。TOEICスコアを学習目標にしている大学は比較的多いが、それを進級要件化している大学は、現時点で少ない。600点をスコアに設定した理由は、
1)600点が大学卒業までに最低限身に着けておくべき英語基礎力であり、国内のグローバル企業が就職時に求める英語能力の最低ラインであること、および、
2)本学部に入学する学生の入学時のTOEIC学年スコア(2001年から12年連続で、入学時に一斉テストを行っている)を考慮すると、3年次までの3年間で学部生全員がTOEICスコア600点をクリアすることは可能であると判断したためである。

3.TOEIC学習を大学が全面的にバックアップ

平成25年4月から、グローバル人材育成推進室(特任教授1名、グローバルサポート事務スタッフ2名)の業務を本格始動させ、また4月には、TOEIC統括教員を採用し、現在、平成26年度入学生からのスコア進級要件化の準備を行っている。また全学に、学生、教職員ともに利用可能なeラーニングシステム(アルク教育社、NetAcademy2)を配備し、TOEIC自習室には英語学習アドバイザー(アルク教育社派遣)(週5日)を常駐させている。また、海洋科学部学生(1年次~4年次)のTOEIC学内IP一斉テストを年間9回実施できるようにした。さらに、海洋科学部学生(1年次対象)にグローバルキャリア入門を開講(平成25年度からカリキュラム改正済み)し、1年生に海外へ飛び出すための動機付けや、英語学習の必要性をつたえるカリキュラムとしている。また、5月から海洋科学部学生(1年次~4年次)のTOEIC特訓クラスを開講した(通年、夕方開講、非単位)。さらに、平成26年4月入学予定の海洋科学部1年生からは、新たな必修クラスとしてTOEIC入門クラス(1年)、補修クラス(3年)を開講予定である。
上記のように学内で英語学習を全面的にバックアップするとともに、海洋科学部学生(3,4年次)対象に海外派遣型キャリア演習プログラム(通称:東京海洋大学海外探検隊)を平成25年度から単位化(1単位)し、平成25年度は学部生31名が、タイ、シンガポール、中国、米国などへ1か月間の海外体験を積んでいる。さらに、大学院博士前期課程講義の完全英語化クラスを開講し、平成25年度は、4専攻全開講科目の20%を目標に定めている(以後、毎年20%ずつ開講科目を増やしていく計画)。

新商品のご紹介

新しいe-learningシステム、ALC Smart Learning(ASL)について、その特徴をピックアップして詳しくご紹介します。

『ALC Smart Learning TOEFL(R)テスト対策コース』 http://alcsmartlearning.jp/
インプットにもアウトプットにも音読が効果的

 ASL TOEFL(R)テスト対策コースの文法とリーディングのレッスンには、Reading Aloud(音読)という学習ステップが設けられています。その音読の学習効果について、今回はご紹介します。

(1) インプット効果が高まる
本コースの音読練習は、学習した英文のインプット効果を高めることを最も大きな目的としています。「画面の文字を読む」「英文を読んで空所を埋める」といった学習をするだけでなく、英文を繰り返し音読することで、英文全体の構造、名詞や動詞と前置詞の組み合わせ、慣用表現などを身体全体で覚え、しっかりと自分のものにできるのです。
本コースは、英文音声に合わせて音読をする方式を採用しており、英文の正しいリズムや発音も身に付けられるようにしています。
(2) アウトプットの基礎となる
音読によって身に付けた表現はしっかりと自分のものになるため、アウトプットの場面でも効果を発揮します。読むだけで覚えた表現は、記憶があいまいになりがちです。一方、音読を繰り返して身に付けた表現はしっかり自分のものになるため、アウトプットの場面でもスムーズに出てくるようになるのです。

(3) 速読力がつく
長い英文の音読は、速読にも効果を発揮します。ネイティブ・スピーカーの読み上げに合わせて音読をすることで、英文の区切れる場所がはっきりわかります。このトレーニングを繰り返すことで、初見の英文でもフレーズの切れ目が自然にわかるようになり、リーディングスピードが速くなるのです。

音読は、全体的な英語力アップをはかるための非常に重要なトレーニングです。本コースでは音読の回数を定めていますが、この回数にこだわらず、英文を覚えてしまうくらいに何度も繰り返し学習していただきたいと思います。

次回も引き続き、ALC Smart Learningの機能をご紹介いたします。
「ALC Smart Learning」についてのお問合せは担当営業、もしくは下記お問い合わせ先へお気軽にご連絡ください。

株式会社アルク教育社 教育ネットワーク部 E-mail:bunkyo@alc-education.jp

アルク教育社 セミナーのご案内

『大学におけるグローバル人材育成セミナー』を、9月7日(土)に開催いたします。
おかげさまで8月28日現在、定員を超えてお申込みいただいている状況です。お席のみのご用意となる可能性がございますが、まだ若干名受付可能です。参加ご希望の方は、下記方法にてご相談ください。

──▼お申込み方法▼──

メールや電話でのお申込みの場合は、学校名、ご所属(学部学科や所属部署)、氏名、メールアドレス、電話番号の情報に加えて、懇親会ご参加の有無もお知らせください。懇親会費は5,000円で、霞が関周辺での開催を予定しております。

Email:bunkyo@alc-education.jp
電話:03-3595-2841
FAX:03-3595-2807

9月、10月の学会関連 開催案内

9月~10月

    。・゜・゜. 9月 .゜・゜・。

◇11日(水)~13日(金)
    第86回 日本生化学会大会
    パシフィコ横浜(神奈川県 横浜市)
    http://www.aeplan.co.jp/jbs2013/index.html

   ◆21日(土)~22日(日)
    全国高等専門学校英語教育学会(COCET)第37回研究大会
    京都府中小企業会館(京都府 京都市)
    http://cocet.org/

。・゜・゜.10月 .゜・゜・。

   ◇5日(土)~6日(日)
    国際ビジネスコミュニケーション学会 全国大会
    明治大学駿河台キャンパス(東京都 千代田区)
    http://japanbusinesscommunication.web.fc2.com/

   ◇12日(土)~13(日)
    日本語教育学会 2013年度秋季大会
    関西学国語大学 (大阪府 枚方市)
    http://www.nkg.or.jp/menu-taikai.htm

   ◇26日(土)~27日(日)
  日本中国語学会 第63回全国大会
    東京外国語大学(東京都 府中市)
    http://www.chilin.jp/

※◆印はアルク教育社からの出展を予定しております。
    ALC NetAcademy2のデモ版も用意しておりますので、
    ぜひ展示ブースにお立ち寄りください。

編集後記

厳しい残暑が続いている毎日ですが、体調崩されていないでしょうか。
暑さ対策として実家では緑のカーテンのゴーヤを育てています。実家からゴーヤが沢
山送られてきたので、太陽の光を沢山浴びたゴーヤを食べて残暑厳しい暑さに負けず
乗り切ろうと思います!(N)

例年、お盆の時期は通勤時間帯の電車の混雑が緩和されるイメージがあったのですが、今年はなぜか、いつもより少しだけ車内スペースに余裕ができた程度で、通常と変わらない状況でした。一斉にお休みをとる企業が減ってきているのでしょうか。また、円安の影響からか、海外から観光で来ている外国人の方を多く見かけます。2013年7月に日本を訪れた外国人旅行者数(推計)が100万3100人となり、初めて月間100万人を超えたそうです。日本での楽しい夏の思い出を胸に、さらに日本を好きになってもらえたらと思いました。(M)

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