ALC NetAcademy 通信[No.112]

投稿日: 2013/09/25 アルクグローバル通信

セミナーの様子朝夕過ごしやすくなり、少しずつ秋を感じるようになってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 9月7日(土)、「大学におけるグローバル人材育成セミナー」を開催し、お陰様で好評のうちに終了しました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。またお越しになれなかった方で資料をご希望の場合は、申込方法を後述しますので、お問い合わせください。
 (画像:先日のセミナーの様子)

外国語教育とe-learning

『都留文科大学におけるALC NetAcademy2活用報告』

都留文科大学国際交流センター外国語教育研究室  和田望 先生

1.利用状況
  都留文科大学では2005年にALC NetAcademyを、2010年にALC Net Academy 2(以下、NA2)のスーパースタンダードコースを導入しました。2012年からは英文法コースも導入し、主に入学前の事前学習に活用しています。導入当初の、キャンパス内での限られたコンピューターのみで学習が可能だった状況に比べ、NA2に更新した現在は自宅学習ができることから利用者も増えています。本学では必修外国語を英語で選択している初等教育学科、国文学科、社会学科の一年生を対象に利用しています。これらの学生向けの英語MLLというコースでは共通シラバスを用い、通常授業に加えてNA2で学習することを明記しており、担当教員には授業内外で活用していただくよう依頼しています。評価の基準、割合、具体的な利用方法などは個々の先生のご判断にお任せしているため現時点ではNA2の活用に統一性があるわけではありません。そこで、本稿では筆者の授業における活用例を報告させていただきたいと思います。

2.活用例
  英語MLLはCALL機器設備のあるコンピューター教室で行っています。NA2は課題として半期ごとに10ユニットを設定し、その他に学生が自由にレベルや興味に合わせてさらに10ユニット選び、合計20ユニット終わらせるよう指示しています。NA2の利用は基本的には授業外で、毎週課題として1ユニットをこなし翌週の授業冒頭で小テストをしています。あくまで授業外での定期的な学習を促す事が目的なのでテストは複雑なものではなく、管理者画面で作成しています。
  学期末に課題の一部として、学生にはNA2を使った学習を振り返り、感想、学習時の反省点、今後の課題などを書いてもらい、年に2回意見を聞いています。反応は毎回概ね良好で、コンピューターを使って学習をすることが初めてという学生が多く、とても新鮮な気持ちで学習に向かえるという声も聞こえる一方、やはり自主的に授業外で行うという性質上、ほとんどの学生が口を揃えて計画的かつ継続的に学習していくことの難しさを訴えます。以前は完全に学生の自主性に任せ、課題ユニットの数だけ設定していましたが、こちらで指定し毎週確認テストがあるという状況の方が学習しやすいという声が多く現在の形に至ります。この他に学習記録をつけることも課題に含めています。
  授業外での利用の場合、実際に学生がどのように学習しているかは残念ながら管理画面の学習履歴データから全て把握できるわけではありません。極端な話、履歴成立設定で秒数制限をかけていない場合、クリックだけして「学習」を終了することも可能です。事実過去にそう見受けられる学生も何人かいました。そのような反省から学習ユニットの記録をつけさせることを義務付けています。学習時の感想や反省点、学んだ単語、フレーズなどを記録する方法として、小冊子を利用した紙ベースの記録と、Googleドキュメントのオンラインフォームを利用し、ウェブサイトから投稿する等のデジタル形式の両方を試みています。パソコンの扱いに慣れていない学生も多く、紙ベースの方が学習しやすいという声も一定数あるため、現在は前期は紙、後期はデータ形式という形態をとっています。学習記録のフォーマットは今後も改善し、より学習の振り返りに効果的に使えるよう試行錯誤を繰り返していきたいと考えています。

3.今後の課題
都留文科大学全体の今後の展望としては、やはりより多くの学生にNA2利用を促していくことです。現時点で中心的に使っているのは上述の3学科の1年生なので、2年次以降の継続的な利用促進も検討課題です。授業でNA2を利用しない学科の学生への周知も徹底し、英文法コースもスーパースタンダードコースと同様さらなる活用を目指すべく、今後は国際交流センターで効果的な活用ができるよう働きかけていくのが課題だと考えています。

グローバル人材育成の現場から

『関西学院における職員のグローバル人材化』 

学校法人 関西学院 総務部 人事課長  小橋康昭 様

関西学院は1889年(明治22年)、アメリカ人宣教師W.R.ランバスによって、神戸・原田の森にキリスト教主義教育による「創造的かつ有能な世界市民を育む」という理念のもと創立されました。以来多くの方々に支えられ、現在では、幼稚園、小学校、中学校(2校)、高等学校(2校)、短期大学、大学、大学院、インターナショナルスクールを擁し、国際性を備えた総合学園としての歩みを進めています。また、120周年を迎えた2009年には、今後10年間(創立130周年)にめざす「6つのビジョンと重点戦略」を定め、2014年(創立125周年)をターゲットとした中期計画に取り組んでおります。

 関西学院では、自分の国やコミュニティを大事にしながら世界とつながり、社会を変革していける実力と自信、倫理観を備えた人、国際的な舞台はもちろんそれぞれの生き方やライフスタイルの中で国際的な視野を持って活躍する人、すなわち「本学のスクールモットーである”Mastery for Service”を体現する世界市民」の育成に邁進すると共に、「関学らしい研究」や「地域・産業界・国際社会との連携」を通じて「輝く未来の創造」に取り組んでいくことが、建学以来の使命を紡いでいく私たちの責務だと考えています。
 このような大きな目標を達成するためには、諸学校において教育・研究を支えている専任職員の能力向上が必須となります。そのため、2012年度より職員研修制度を一新し、人材育成に努めております。
 その中でも特に以下の3つの目的のもと、それぞれに対応したグローバル人材育成研修を実施しています。

① 国際化されたキャンパスに対応する職員の育成
② 多文化が共生する国際性豊かなキャンパスを実現する
③ 海外の高等教育機関を訪問調査し、学校の経営マネジメントや教育プログラムに関する政策立案ができる職員の育成
 目的①に対応した研修としては、異文化コミュニケーション研修、日常英会話、ビジネス英会話(初級・中級)、ビジネス英語(電話・メール)のクラスを開講し、職員が学内で業務終了後に受講できるようにしています。目的②③に対応した研修としては、グローバル人材育成プログラム、海外研修、ビジネス英会話(上級)等があります。今回の研修制度の特色でもある「グローバル人材育成プログラム」は、アメリカの大学に約6か月職員を派遣し、ビジネスコミュニケーショントレーニング、ビジネスコンセプト、異文化理解とネットワーキングのプログラムの受講や就業体験を通じて、グローバル・ビジネスに対応できる能力を修得させます。今年はこのプログラムに1名の職員を派遣することになっており、10月から来年3月までアメリカのネブラスカ大学オマハ校にて2セッションの授業を受講し、3週間の特別プログラムを体験させる予定です。

教職員には「世界市民を育んでいく」責任があります。
 教職員には「世界市民を育んでいく」責任があります。そのためには、特に職員も「世界市民」の感覚を持たなくてはなりません。職員のグローバル人材化についても一朝一夕で進むわけではありません。研修制度によって、職員の語学運用能力の向上を目指すのはもちろんですが、単純にTOEICのスコア向上、高得点者比率向上等だけを求めるものではありません。TOEICの点数が高くても、実際に活用しなければ意味を持たず、職員として多文化が共生する国際性豊かなキャンパスを支えていくことは難しいと考えるためです。したがって、職員一人ひとりが『発話力』を高め、キャンパスが国際化される中で活躍できる職員であることが求められます。また、グローバルスタンダードを体感した職員たちが違った視点を学内に吹き込み、様々な観点で議論ができる素地を強化してくれるものと期待しています。新研修制度もスタートしたばかりの段階ですが、これらの研修が職員のグローバル化が進展するきっかけになればと願っています。

◆大学職員研修の事例急増
 昨今の大学を挙げたグローバル化に伴い、アルク教育社では、
 関西学院大学様の事例を始め、様々な形態の職員研修をご依頼
 いただくようになりました。各校の目的と対象者のレベルは
 様々ですが、国内外の総合的な研修ラインナップにより、
 体系的な人材育成プログラム構築のお手伝いをしています。
(以下、敬称略)

◆研修体系イメージ(目的別・商品別ナビ)
 http://www.alc-education.co.jp/business/index.html
(職員研修採用校:筑波大学、東京大学、明治大学、
 金沢大学、岐阜大学、大阪大学、名古屋大学、九州大学)

◆通信教育(法人体験版)
 http://www.alc-taiken.jp/houjin3/index.html
(職員通信教育採用校:東京大学、東京工業大学、
 京都大学、立命館大学、同志社大学、甲南大学)

※お問い合わせは、教育ネットワーク部宛に、
 お気軽にお寄せください。

アルク教育社教育ネットワーク部 bunkyo@alc-education.jp

新商品のご紹介

新しいe-learningシステム、ALC Smart Learning(ASL)の新しいコースの情報をお知らせいたします。

『ALC Smart Learning TOEIC(R)テスト対策コース』 http://alcsmartlearning.jp/

「470点攻略」「600点攻略」「730点攻略」の3レベルで10月1日に開講!

ALC Smart Learning「TOEIC(R)テスト対策コース」は、目標別スコアに求められる英語力を効率よく習得できるよう、クオリティの高いコンテンツと学習動機付けを促す多面的な仕掛けを搭載したコースです。

<本コースの特長>
(1) 現在の実力と、目標スコアに最適化されたカリキュラム
あらゆるレベルの人を対象としたTOEICテストの問題は、難易度が多岐にわたります。すべてのレベルの問題にがむしゃらに取り組むのではなく、「現在の実力+α」の難易度の問題に集中して取り組むことに主眼に置いた、着実にスコアアップできるカリキュラムです。

(2) 「狙い目」を活用して効率よく学習
TOEICテストでは、頻出の問題パターンがあります。スコア源となるこれらの頻出パターンを本コースでは「狙い目」と定義。「狙い目」が同じ問題をまとめて学習することで、同様の問題が出題されたときに自信を持って解答できる実力を養います。

(3) TOEICテスト形式を使って英語力をアップ
TOEICテストに出る語彙や会話、英文などは、英語圏の日常生活やビジネスシーンに密着したものばかり。TOEICテストの英文を素材に、ボキャブラリークイズやスピードリスニング、ディクテーションなどを行い、学習者の英語力の底上げを目指します。

(4) ついた力を確認するためのReviewとミニ模試
各パートの学習を終えたら、複数の「狙い目」を含んだ Review に挑戦。コースの最後には、全パートの問題を含むミニ模試(50問)も収録されています。実際のTOEICテストと同様に、さまざまなパターンの問題が混在する形式にも取り組めるのです。

次回からは、ALC Smart Learning「TOEIC(R)テスト対策コース」の詳細をご紹介していきます。
「ALC Smart Learning」についてのお問合せは担当営業、もしくは下記お問い合わせ先へお気軽にご連絡ください。

株式会社アルク教育社 教育ネットワーク部 E-mail:bunkyo@alc-education.jp

アルク教育社 セミナー資料申込方法

月7日(土)の「大学におけるグローバル人材育成セミナー」の資料をご要望の際は、担当営業、または下記までお問合せ下さい。

Email:bunkyo@alc-education.jp (教育ネットワーク部)

必要項目 :氏名・所属校・学部学科名(所属部署名)・メールアドレス・電話番号

※各種研修・プログラムに関する詳しい内容をご希望の方は、担当営業までどうぞ。

10月、11月の学会関連 開催案内

10月~11月

。・゜・゜.10月 .゜・゜・。

   ◇5日(土)~6日(日)
    国際ビジネスコミュニケーション学会 全国大会
    明治大学駿河台キャンパス(東京都 千代田区)
    http://japanbusinesscommunication.web.fc2.com/

   ◇12日(土)~13(日)
    日本語教育学会 2013年度秋季大会
    関西学国語大学 (大阪府 枚方市)
    http://www.nkg.or.jp/menu-taikai.htm

   ◆25日(金)~26日(土)
    グローバル人材育成教育学会第1回全国大会
    福岡大学(福岡県 福岡市)
    http://www.j-agce.org/?page_id=74

   ◇26日(土)~27日(日)
  日本中国語学会 第63回全国大会
    東京外国語大学(東京都 府中市)
    http://www.chilin.jp/

。・゜・゜. 11月 .゜・゜・。

   ◆3日(日)
    2013年度JACET英語教育セミナー 
    早稲田大学 (東京都 新宿区)
    http://www.jacet.org/index-j.html

◆9(土)
   2013年度JACET 関西支部秋季大会
    神戸市外国語大学(兵庫県 神戸市) 
    http://www.jacet-kansai.org/

    「特別企画 英語能力テスト最新事情」では、
アルク教育社よりSpeakingテストを紹介させて
頂く予定です。

   ◇16(土)~17(日)
   第63回全英連(全国英語教育研究大会) 東京大会
    第1日(16日)大田区民ホール・アプリコ (東京都 大田区) 
    第2日(17日)東京工科大学・蒲田キャンパス (東京都 大田区) 
    http://www.zen-ei-ren.com/tokyo63/

   ◇23(土)~24(日)
   日本言語学会 2013年度秋季大会(第147回大会)
    神戸市外国語大学(兵庫県 神戸市) 
    http://www3.nacos.com/lsj/modules/documents/index.php?cat_id=30


※◆印はアルク教育社からの出展を予定しております。
    ALC NetAcademy2およびALC Smart Learningのデモ版も
    用意しておりますので、ぜひ展示ブースにお立ち寄りください。

編集後記

大型台風が過ぎ去ってから、過ごしやすい気温になってきました。今年から我が家で育てているハイビスカスは真夏日の暑さや台風の強風豪雨にも負けず、元気に開花を繰り返し、植物の生命力の強さに圧倒されます。そんなハイビスカスを見ていると今日も元気に頑張ろう!と活力がわいてきます。そろそろ終わりの時期が近づいてきていますが来年も出会えるように手入れ方法をインターネットやテレビを見て情報を収集しています。(N)

この夏間肩こりがひどかったため、デパートの寝具専門売り場でいろいろ試して、新しい枕を買いました。高さや幅がちょうどよく快適に寝られます。朝夕すっかり涼しくなり、夜暑くて目を覚まし睡眠不足になる、ということもなくなり、しばらくは”睡眠の秋”となりそうです。(M)

アルクグローバル通信は、不定期発行です。次号は2013年10月23日に発行いたします。
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