ALC NetAcademy 通信[No.113]

投稿日: 2013/10/23 アルクグローバル通信

朝夕の風が肌寒く感じられるようになった昨今、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
外は寒いですが、「グローバル人材育成」のキーワードが特に熱を帯びてきているように感じる今日この頃です。

現在、弊社主催の各種秋のセミナーを準備しております。本文中程でご案内させていただいているセミナー他、順次ご案内してまいりますので、ぜひご参加ください。

外国語教育とe-learning

『東洋大学総合情報学部におけるアルクを利用した英語必須カリキュラムの取り組み』

東洋大学 総合情報学部  湯舟英一先生, 中井文子先生

総合情報学部の必須英語カリキュラム

 総合情報学部では、2009年の新設以来、情報スキルの習得とともに、国際社会人としての基礎力を育成するため、学部4年間を通した英語教育に重点が置かれている。また、学部がら、英語教育におけるICT利用の一環として、授業内容と連携した独自のWeb教材を開発したり、TOEICの得点アップに必要なトレーニング時間をe-learningによって確保する取り組みを行ってきた。ALC NetAcademy2もその中心的役割を担っている。
 学生は1・2年生で必須の6科目を履修し、3・4年生で選択必須科目8科目のうち4科目を卒業要件としている。具体的には、1年生の春学期は、Integrated Practical English I(基本文法と速読)とEnglish for TOEIC I(TOEIC入門)を履修し、秋学期はIntegrated Practical English II(様々な読解スキル)とPresentation I(プレゼンテーション入門)の履修が義務付けられている。2年生の春学期は、English for TOEIC II(リスニング強化トレーニング)を、秋学期はPresentation II(パラグラフ・ライティングの技法を利用したプレゼンテーション)が必須科目として位置づけられている。これらの科目は、現在東洋大学全学で進めているグローバル人材育成のための主要な基礎科目群となっており、TOEICスコアで1年生400点、2年生450点、3年生500点、卒業時600点を具体的な目標値として設定している。
 また、総合情報学部では2013年度より4年間の「学生満足度を高めるための特徴ある教育プログラム ― 基礎教育の充実・社会人基礎力の育成・国際化対応等を中心とした学士力の高度化」に採択され、当学部の英語教育の成果に学内の要請と期待も高まっている。

ALC NetAcademy2「スーパースタンダードコース」の活用

 1年生、2年生の全英語クラス(1クラス30名以下の定員で各学年11クラス)を通して、ALC NetAcademy2を授業外学習として行うことを奨励し、獲得したアドバンス・ポイントに応じて成績評価に最大10%プラスするという形をとっている。具体的には、一年生の春学期はリスニングのアドバンス・ポイント2000点を、秋学期にはリーディング・ポイントを3000点獲得するように指導している。さらに、2年生の春学期にはTOEIC(R)演習10回分(毎週1ユニットずつ)を終了することを課し、秋学期は「単語道場」、「リスニング」、「リーディング」を組み合わせて3000ポイント以上を獲得するよう指導している。
 上記のうち、「単語道場」はポイントを獲得する過程で隠れた絵の全体像が見えてきたり、「リスニング」では、アドバンス・ポイント2000点、5000点を超えるとパクパク君のキャラクターが変身するなど、ゲームに慣れ親しんだ世代の学生には嬉しい動機付けの仕掛けが施されているのも学習効果の要因と言える。
 授業担当者は非常勤講師を含めて毎週管理画面で学生個人のアドバンス・ポイントをチェックし、アクセスの少ない学生には個人メール機能や授業内で直接声掛けを行い、一方、ポイントの高い学生には褒めるなどのコミュニケーションを欠かさないようにしている。一週間に2回の必修の英語の授業を履修するだけでは目立った学習効果は期待できないが、NetAcademy2を取り入れることで日常的に英語を学習する習慣が出来てきたと言える。上記の取り組みの結果、すべての必須科目の再履修者は毎年1割未満となっている。

スーパースタンダードコースの「リーディング」を利用したオリジナル単語テストの取り組み

 学生の中には、英語嫌いで定期的にアクセスしない学生や、教師不在のWeb学習に馴染まない学生も少なからずいる。そういう学生にありがちな締め切り直前の一気集中型のアクセスを防ぐため、2013年秋学期からIntegrated Practical English IIの授業において、スーパースタンダードコースの「リーディング」に基づいた単語+内容把握テストを開始した。アルク教材に基づいた小テストを課すことによって、毎週一定量の継続学習を行わせることが可能になった。総合情報学部では、毎年4月に行うTOEICテストの点数に応じて上位、中位、下位の3つのクラスにレベル分けを行っており、レベルごとに学習ユニットを指定した。例えば、上位クラスは、「リーディング」の星3つレベルの問題を毎週1課ずつ指定し、中位クラスは、星2つレベルを指定した。毎回のテストは、単語は各ユニットの重要であると思われる単語から専任教員が中心となって問題を作成し、単語の意味を問う3択問題が10問と、内容把握テスト2問を課している。単語問題の8割は「単語道場」から出題し、内容把握テストは「通常モード」のStep 3のクイズ問題をそのまま出題している。この小テストは毎週授業の最初に行い、学生はペアになって答案を交換し答え合わせをするため、自分がどこを間違ったのか即時に見直すことができる。この小テストを行うことで学生は英文を日常的に読む習慣が身に付き、語彙習得と並行して速読能力がついてきたと感じている。

グローバル人材育成の現場から

『北九州市立大学におけるグローバル人材育成:複眼的・批判的思考と教養に裏打ちされた言語力を』

公立大学法人北九州市立大学 副学長
基盤教育センター 教授
グローバル人材育成推進室長  漆原朗子 様

本学は2012~16年度文部科学省グローバル人材育成推進事業(タイプB)に採択された。西日本第2ブロック(山口・九州)採択6大学の中では唯一文系4学部(外国語学部・経済学部・文学部・法学部)での総合的取組である。
 グローバル人材には単に英語力や国際体験だけではなく,文化・思考様式の異なる人々との交流において不可欠な複眼的思考と,幅広い知見とそれを実質化し,様々な国際的場面で活用するための批判的思考が求められる。また,思考・コミュニケーションの双方から日本語・英語も含めた言語力を高めることは広い視野・課題解決能力・豊かな感受性といった学士力にもつながる。本学ではそれらの涵養を目指した制度設計を行っている。
 まず, 事業公募に先立ち,より幅広く多角的なカリキュラム提供の観点から副専攻の議論が行われ,2年生以上を対象とした副専攻(2コース)が開設された。
 (1) Global Education Program
   a. Global Business Course:ビジネスリーダーを目指す学生を対象とし,地域(日本)に根ざした
    グローバルな観点から事象を捉え,主体的に行動し,高度で実践的な英語力,経営に関する知識を
    駆使して,国際社会で活躍できる人材を養成   (2012年4月より外国語学部英米学科のみで先行実施)
   b. Global Studies Course:異文化理解をベースとしてリーダーシップを発揮したい学生を対象とし,
    地域に根ざしたグローバルな観点から事象を捉え,国際的な文化・社会への深い理解力,実践的な
    英語力で国際社会で活躍できる人材を養成

 2012年9月末の採択決定時点では2つの課題があった。第1は本学の取組を端的に示し,かつ他大学の取組との差異を可視化する方策である。第2は,英米学科2年生以上に限定されていた副専攻を含む取組を1年生から,また,他学部・他学科へも拡充する方策である。
 前者については,学内の意識覚醒も図るため,取組のネーミング等を学内公募し,建学精神である「開拓者精神(Frontier Spirit)」に相通じる語を用いた「Kitakyushu Global Pioneers北九州グローバルパイオニア」と命名,「We connect you to the world. 君と世界を結ぶ。」というキャッチフレーズとロゴマークを定めた。
 次に, 1年次プログラム(2)と,履修要件が高く上位層の引き上げを目的とする副専攻(1)に対し,継続的英語学習(3)と中位層底上げを目標とする(4)も開設した。
 (2)Start-up Program(2013年4月):希望する1年生全員が登録可能
   a. グローバル関連科目(教養科目)の履修の推奨
   b. ALC NetAcademy2とALC英語学習アドバイザーによる英語力向上講座
  c. カレッジTOEIC等の受験料助成
特に(2a)では現代国際社会,異文化・思想,日本の歴史・文化・思想,キャリア・モティヴェーションの4科目群から16単位以上履修することを推奨している。
 (3) Career English Program(2014年4月):2年次以降(2b)を継続受講可能
 (4) Global Standard Program(2014年4月)
    1年次で(2)に登録した学生のうちTOEIC470点以上の学生130名対象
  (2a)(2b)にdebate,Japan Studies,Global Work,英語による専門科目を加え,主専攻の範囲内で
    グローバルな力を身につける
 同時に,2014年4月より(1)を英米学科以外の学生の主専攻科目との重複を解消しつつ拡充し,多くの学生が参加できるよう改訂している。
 このように,1年次から英語と並行して幅広い科目履修を推奨,2年次以上は議論,ビジネス,キャリア,異文化理解などに重点を置く科目を配置,(1)(4)では留学の義務づけにより,体系的かつ継続的に複眼的思考と批判的思考を涵養していく。学生の個々の資質を見極め,より充実した「知」を提供すると共に,真の意味での「教養」の重要性に気づかせることが課題となろう。

新商品のご紹介

新しいe-learningシステム、
ALC Smart Learning(ASL)の新しいコースの情報をお知らせいたします

『ALC Smart Learning TOEIC(R)テスト対策コース』  http://alcsmartlearning.jp/
10月1日、「470点攻略」「600点攻略」「730点攻略」の3レベルで開講しました。
ALC Smart Learning「TOEIC(R)テスト対策コース」は、目標スコア別に求められる英語力を効率よく習得できるよう、クオリティの高いコンテンツと学習動機付けを促す多面的な仕掛けを搭載したコースです。
今回は、本コースの最も大きな特徴である「狙い目」についてご紹介いたします。
本コースでは、TOEICテストで頻出の問題パターンを「狙い目」と定義しています。1レッスンにつき1つの「狙い目」を取り上げ、関連する問題を解いたり解説を読んだりしながら学習を進めていきます。「狙い目」が同じ問題をまとめて学習することで、その出題パターンのポイントが確実に身につき、同様の問題が出題されたときに自信を持って解答できるようになるのです。
「Target」という学習ステップで、そのレッスンで取り上げる「狙い目」を学習します。重要な部分にマーカーで線を引いたり、メモを入力したりしながら学習してください。
実際のコースに収録されている「狙い目」をご紹介します。

<「狙い目」の例>
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TARGET:Wh- / How 疑問文
5W1H(what/who/when/where/why/how)で始まる疑問文は、最初の数語を確実に聞き取って、応答の正誤を決める。
5W1Hに対する応答の正誤のパターンとして、次のことを覚えておこう。
─Yes, ~/ No, ~ →×
─5W1Hに答えている→○
─5W1Hに答えていない→×
─「分からない/知らない」→○
なお、Can you tell me when ~? などの間接疑問文の形になっていても、Wh- / How 疑問文と同じと考えよう。ただし、Do you know、Can you tell me などの部分に対して、Yes / No で答える場合もあるので気をつけたい。
(600点攻略 Part 2 Lesson 01 より)
─────────────────────────
問題に素早く解答するための目の付けどころを解説し、それに応じた文法や表現の知識が身につくようになっています。さらに、レッスンで取り組むすべての問題に、「狙い目」を踏まえた詳細な解説がついています。
こうして「狙い目」を1つずつクリアしていくことで、TOEICテストの解法のコツとスコアに見合う英語力を無理なく身につけていくことができるのです。
次回も引き続き、ALC Smart Learning「TOEIC(R)テスト対策コース」について詳細にご紹介していきます。
「ALC Smart Learning」についてのお問合せは担当営業、もしくは下記お問い合わせ先へお気軽にご連絡ください。
株式会社アルク教育社 教育ネットワーク部 E-mail:bunkyo@alc-education.jp

アルク教育社 セミナーのご案内

グローバル化を積極的に展開する企業の最新事例発表セミナーです。
グローバルリーダー、人材育成、組織活性化のソリューション施策の成功事例を紹介いただきます。

毎回大学をはじめとする教育機関の関係者の方にも出席いただいております。
「企業の求めるグローバル人材像、研修内容を直接聞くことができたいへん参考になった」という声をいただいております。
よろしければ、ぜひご参加ください。
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アルク教育社 名古屋支店「グローバル人材育成セミナー」
宇部興産株式会社様、東レ株式会社様 ご講演
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【日程】
2013年10月30日(水) 13:30~16:30 (開場 13:00)

【ご講演】
■ 宇部興産株式会社 人事部人材育成グループ グループ長
   鈴木 義行 様
   『UBE global business leader program
    ~グローバル環境下で協働出来る人材の育成~』

■ 東レ株式会社 東レ総合研修センター 副所長
   木村 武 様
  『若手グローバルリーダーの育成に向けて』 

【会場】
愛知県産業労働センター(ウィンク愛知) 
名古屋市中村区名駅4丁目4-38

詳細:お申し込みはこちらから:
https://www.alc-education.co.jp/global_seminar_nagoya2013/
また、福岡支店では、12月に大学向けセミナーを予定しております。
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アルク教育社 福岡支店「大学におけるグローバル人材育成セミナー」

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【日程】
2013年12月開催

【講演内容】(予定)
・グローバル人材育成の最新取組実践例を2校ご紹介
・アルクから最新事例のご紹介

【会場】
福岡支店近隣を予定

詳細が決まりましたら、改めてご案内させていただきます。

11月、12月の学会関連 開催案内

11月~12月

。・゜・゜. 11月 .゜・゜・。

   ◆3日(日)
    2013年度JACET英語教育セミナー 
    早稲田大学 (東京都 新宿区)
    http://www.jacet.org/index-j.html

◆9(土)
   2013年度JACET 関西支部秋季大会
    神戸市外国語大学(兵庫県 神戸市) 
    http://www.jacet-kansai.org/

    「特別企画 英語能力テスト最新事情」では、
アルク教育社よりSpeakingテストを紹介させて
頂く予定です。

   ◇16(土)~17(日)
   第63回全英連(全国英語教育研究大会) 東京大会
    第1日(16日)大田区民ホール・アプリコ (東京都 大田区) 
    第2日(17日)東京工科大学・蒲田キャンパス (東京都 大田区) 
    http://www.zen-ei-ren.com/tokyo63/

   ◇23(土)~24(日)
   日本言語学会 2013年度秋季大会(第147回大会)
    神戸市外国語大学(兵庫県 神戸市) 
   http://www3.nacos.com/lsj/modules/documents/index.php?cat_id=30

。・゜・゜.12月 .゜・゜・。

   ◇3日(火)~6日(金)
    第36回日本分子生物学会年会
    神戸ポートアイランド・神戸国際会議場・神戸国際展示場
    ・神戸ポートピアホテル (兵庫県 神戸市)
    http://www.aeplan.co.jp/mbsj2013/
 
◇7日(土)
    日本「アジア英語」学会 第33回全国大会 
    中京大学 (愛知県 名古屋市) 
    http://www.jafae.org/

※◆印はアルク教育社からの出展を予定しております。
    ALC NetAcademy2およびALC Smart Learningのデモ版も
    用意しておりますので、ぜひ展示ブースにお立ち寄りください。

編集後記

過ごしやすい季節になったと思えば、蒸し暑い日もあり衣替えが全然進まない10月上旬でしたが台風が過ぎ去った後、急に寒くなってきました。秋はなく一気に冬に突入するのではと懸念してしまいます。一足先の冬支度ではありませんが、寒くなるにつれて筋肉が凝り固まり肩こりや腰痛が毎年酷くなるのでお風呂上りのストレッチをやり始めました。筋肉をほぐしてむくみを和らげ冬も元気に過ごせるように家族揃って頑張っています。(N)

首・肩・背中の痛みがひどくなり、先日、友人に紹介してもらったアロママッサージに行ってきました。季節の変わり目の影響か、この時期、疲れが体に出る人が多いそうで、私は背中と足を中心にお願いしました。自分では全く意識していないところにツボがあり、それがとても痛かったのですが、終わったらすっきりし体が軽くなり、動けるようになったので、また通ってみようと思っています。(M)

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