アルクグローバル通信 [No119]

投稿日: 2014/11/10 アルクグローバル通信

日に日に冬の気配を感じる頃となりました。移転して1ヶ月が経った市ヶ谷のオフィスの窓からも、黄色くなった葉を落とし冬支度に入った桜を見ることができます。
この寒さで体調崩されている方も見かけますが、皆さまどうぞご自愛ください。

各学校を訪問する営業の耳には最近、「英語で授業をしたいんだけどノウハウがなく困っている。」「組織の改組があり新しくセンターを立ち上げる事になった。」等のお声が届くようになりました。本号では、国内FD研修の事例を具体的にご紹介したいと思います。

グローバルキャンパスの実現に向けて

「英語で授業」 国内FD研修事例のご紹介

株式会社アルク教育社 文教営業本部

日本の大学関係者間で、“グローバルキャンパス”という表現が、固有名詞のように定着しつつありますが、実態は、送り出し(派遣留学生)と受け入れ(外国人留学生)の人数を増やしてきたものの、双方が交流し、融合する機会を体系的に設けられていない大学は多いと伺います。

そのような状況下の必須の取り組みとして、英語による授業のみで単位を取得できるコース、いわゆる「英語コース」の増加が、グローバルキャンパス実現において、不可欠とされるようになりました。ここでの方法は2つ考えられます。
1つ目は、外国人教員、もしくは、海外経験豊富な日本人教員を採用する方法。
2つ目は、日本人教員を初任時から研修(FD研修)によって養成する方法です。

 このコラムでは、2つ目のFD研修の事例をレポートしたいと思います。
アルク教育社では、幅広いレベル、目的にお応えするFD研修(国内、海外)をご提供しています。
その中でも急速に採用校が増加している国内研修の1つ、「英語で授業:クラスマネジメント&ワークショップ」についてご紹介します。

≪プログラム概要≫

◆1日6時間×2日間=合計12時間の体験参加型ワークショップ
◆模擬授業も盛り込むため、1クラス最大8名の少人数で実施
◆ノンネイティブの教員が配慮すべき基本ポイントを網羅

 1. しっかり設計する
 2. 学生のやる気を育てる
 3. 参加型のレッスンにする
 4. 学生の多様性に対応する

 ※詳しい内容は、弊社担当営業にお尋ねください。

◎担当講師:吉中昌國(アルク教育社グローバル人材開発コンサルタント)

 カリフォルニア大学バークレー校で社会学修士号取得。外国人講師のマネージャーを長年務め、企業でのグローバル人材開発コンサルタントとして活躍。アメリカの大学についての豊富な知識と体験を基に、多くの国立大学でFD研修を担当。インタラクティブで丁寧な指導に定評がある。

【採用校】

 京都大学、東北大学、九州大学、金沢大学、東京海洋大学、新潟大学、
 鳥取大学、滋賀医科大学、広島大学、山口大学、同志社大学、福岡大学他多数

【受講された先生方の声】(地方国立大学実施校 アンケート結果より)

・「英語の講義のためでなく、現在実施している日本語での講義にも
  とても参考になった。」
・「プロだなと思った。質問に対して、ゆっくり丁寧にわかりやすく
  解説して下さり、全く退屈しなかった。」
・「話し方、解説が丁寧で見識豊かだった。」
・「2日間×7時間の研修にもかかわらず、ほとんど疲れを感じなかった。
  先生の講義の構成・進め方・休憩のとり方などが非常にうまかった
  からだと思う。」
・「思った以上に質が良い。」
 (※講師の満足度:最高評価100%)

≪今後に向けて≫

以前、アルクのFD研修を受講された先生から、大変印象的なコメントをいただいたことがあります。
「“英語での授業”となると、表面的には、専門科目のコンテンツを英語化することであると捉えがちだが、実際に重要なのはその点ではない。PBLやアクティブラーニングに代表されるように、日本人学生と留学生が学び合うための仕組みが重要であり、目的に応じて双方向型の授業を採用するなどして、授業の在り方を根本的に見直す好機と認識すべきだと思う。」
また、別の大学では、『グローバルキャンパス』実現における最大のキーポイントは、「FD研修の体系的な強化である」と伺いました。その先生は、さらに、次のようにコメントされました。
「大学が教育の仕組みやガバナンスの改革を推進したところで、そこで教える教員や学生が以前と変わらなければ、改革も絵に描いた餅になってしまう。」まさに今、日本の大学は、組織としても教育の場としても、大きな変革を求められていることを痛感しています。

アルク英語学習アドバイザーのご紹介

「英語学習アドバイザーに求められる資質」

株式会社アルク ESAC事務局

アルク英語学習アドバイザーはその名が示す通り、相談者に対して英語学習に関連したアドバイスをするのが本業ですが、勤務先との協議によって英語学習に関連する業務も行っています。勤務先が大学の場合、お昼休みに毎回違うテーマでミニ講座を行ったり、Eラーニングクラスにサポーターとして入ることもあります。また、個別相談のほかにスタディー・グループという小集団での自主学習のサポートを行う場合もあります。勤務先のさまざまなニーズに合わせるため、アドバイザーには英語学習についての専門的知識のほか、広く豊富な実践的指導力が必要となります。アルク英語学習アドバイザーの多くが英語教授経験を持っているのはそのためです。
しかし、一方で英語学習アドバイザーは、教員とは違う使命を持っています。したがって業務遂行に当たっては相談者の成長や発達について深く理解し、相談者の学習動機を損なわない形で見守る姿勢が求められます。勤務先の文脈によって多少の違いはありますが、アドバイザーとして求められる資質とは、相談者に寄り添って相談者が必要としなくなるときまで、アドバイザーとしての使命と愛情を持って相談者を支え続ける意志と意欲と言えるかもしれません。
 アドバイザーが相談を受けるうえで、大切なスキルを一つ上げるとすれば、それは「傾聴」です。相談者は英語学習について様々な悩みを抱えてアドバイザーのところへやってきます。まずは相談者との「信頼関係」を築くために、相談者が無意識につけている「心のよろい」を外し、コミュニケーションが成立する土壌を作らなければなりません。相談者の話に耳を傾け、相談者の「主訴」を理解し、関心を持って質問を投げかけ、確認をしつつ、相談者と意識を合わせることが必要です。質問や確認によって相談者の考え方やものの見方を別の視点から取り上げたり、アドバイザーの視点から、相談者の立てた学習計画に対して可能性のある別の選択肢を提示したり、現実と照らし合わせて修正の必要性を話し合ったり、相談者のもっている「リソース」をどうすれば効果的に利用して目標を達成できるかについて相談者に気づきを促すこともあります。「傾聴」はとても能動的な作業であり、アドバイザーのスキルが一番問われるものと言えるでしょう。
相談者に寄り添う姿勢は、弊社英語学習アドバイザーの定期研修でも、業務上必要とされる知識やスキルのトレーニングとともに、必ず確認する事項となっています。

───────────────────────────────

弊社の明治大学常駐英語学習アドバイザーが日経新聞11月6日朝刊に掲載されました。
アルク英語学習アドバイザーについてのお問合せは担当営業、もしくは下記お問い合わせ先へお気軽にご連絡ください。
株式会社アルク教育社 文教ネットワーク部 E-mail:bunkyo@alc-education.jp

<<営業より一言>>
 弊社の明治大学常駐英語学習アドバイザーが日経新聞11月6日朝刊に掲載されました。
英語学習アドバイザーに関するお問い合わせは、担当営業までお知らせください。

セミナー開催報告

大学のグローバル化情報交換セミナーvol.3

~産学官が連携したグローバルキャンパスの実現に向けて~

 10/25(土)名古屋会場、11/1(土)福岡会場にて開催いたしました「大学のグローバル化情報交換セミナー ~産学官が連携したグローバルキャンパスの実現に向けて~」は、全国から40名もの皆様にご来場いただき、大盛況のうちに終了いたしました。

千葉大学の関実先生、豊橋技術科学大学の加藤三保子先生、高嶋孝明先生、明治大学鈴木健先生、福岡大学大津敦史先生、佐々木有紀先生によるご講演は、いずれも非常に実践的で示唆に富んだ内容でした。さらに成功事例のみならず、国際連携・教育におけるご苦労についても言及され、ご参加いただいた皆様からは、「実り多い情報交換の場になった」という感謝のご感想を多数いただきました。セミナー後の意見交換会(立食)も、多数の皆様に参加いただき、活発な情報交換が続いていました。この場をお借りして、ご講演いただいた先生方、ご参加いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。

 当日頂戴したアンケートから、ご感想の一部をご紹介します。

【ご感想】
「具体的な“How to teach effectively in English"の話が非常に明確でよかった。」
「いろいろな事例・取り組み例・アイデアに触れる機会がいただけることは、
 本当にありがたいです。」
「先進的な事例を勉強できた。その本質的な部分が本学で抱えている部分と同じである
 ことがわかり、参考となった。」
「(千葉大学様ご発表について)教員・職員の意識改革について、大変同感した。
 学生への指導についても見習う点が多々あった。」
「(豊橋技術科学大学様ご発表について)スーパーグローバル支援事業採択のお話が
 とても参考になった。やはり支援費と強いリーダーシップがないと進まないという印象を
 受けた。」
「(明治大学様ご発表について)協定校開拓のノウハウ、学生のモチベーション維持の
 方法など参考になった。」
「(福岡大学様ご発表について)豊かな資源がないという要件で、工夫していくGAP
 (福岡大学様の特別プログラム)の運用がすごく身近に感じられて非常に参考に
  なった。」

<<資料をご希望の皆様へ>>

セミナー資料のご要望は、こちらまでどうぞ。

Email:bunkyo@alc-education.jp (文教ネットワーク部)

必要項目 :氏名・所属校・学部学科名(所属部署名)・メールアドレス・電話番号

※セミナーに関する資料、各種研修・プログラムに関する詳しい内容をご希望の方は、上記メールアドレス、もしくは担当営業までご連絡下さい。

TOEFL研修プログラム(予告)

アルクの『はじめてのTOEFL iBT対策セミナー』リリース!

グローバルキャンパスの実現、日本人学生の留学派遣数の増大に向けて、TOEFLを重要視する大学が急増しています。しかし、高い水準の4技能が求められるTOEFL iBTは、はじめて受験する学生にとって、非常に敷居の高い試験になっています。

そこで、アルクでは、この“はじめて”TOEFL iBTを受験する学生、目標スコアを達成するための攻略を知りたい学生のために、各スキルのポイントを網羅する3時間のセミナーを開発いたしました。アルクが長年手がけてきたTOEFL関連の教材で、今年大ヒット(注)している自己学習教材「完全攻略!TOEFL iBTテスト」の監修者、神部孝先生ご監修によるセミナーです。

(注)某国立旧帝大生協で、1日に約600冊を販売する大ヒットを記録

『はじめてのTOEFL iBT対策セミナー』 内容(予定)

【対象】 iBT40~60レベルの学習者

・iBTってどのようなテスト?
・留学に必要、英語で講義を聞けるレベルってどんなレベル?
・各技能やセクションごとの攻略法は?
・セミナーの後、自己学習につながる学習法とは?

※ご関心をお持ちの方は、下記リンクボタンからメールにてご連絡くださいませ。
改めて弊社担当よりご案内いたします。ご期待ください。

学会関連 開催案内

12月~2月

学会情報は、以下ボタンリンク先のWEBページにてご覧になれます。

編集後記

前回に引き続き、日々現場を駆け回っている弊社営業スタッフよりお届けします。

今年、2014年問題というのがあったのをご存知でしょうか。「Windows XPの正式サポート終了」という話題ですが、影響を受けた教育関係者の方も多かったのではないかと思います。教育業界の20XX問題といえば、記憶に新しいのは2009年問題かもしれません。いわゆる大学全入時代の到来でしたが、最近では2018年問題というのもあるそうです。「この年を境に18歳人口が減少に転じる」という内容だそうですが、この「20XX年問題」、最も先の話題を調べてみると2078年問題なるものまで記載がありました。果たして2078年の高等教育の現場は一体どのような様相を呈しているのでしょうか。(M)

 「ALC NetAcademy通信」が「アルクグローバル通信」に代わって4ヶ月が経ちました。グローバル通信に変わったね、と新しいタイトル名で言われると、タイトルを変える際の議論が思い出され、とても嬉しくなります。最近の訪問でも過去の事例をお持ちすることもあり、寄稿して頂いた先生方のご協力があって、成り立っていると改めて思います。この場を借りて感謝致します。(K)

アルクグローバル通信は、不定期発行です。次号は2015年1月に発行いたします。
過去発行したメールマガジンの一部は、バックナンバーにてご覧いただけます。

バックナンバーはこちら