こんにちは。グローバル人材育成の「アルク」のライティングチームです。
「高い英語力を見込んで採用しているのに、なぜかグローバル要員が育たない」
「海外赴任や出張に出そうとしても、『自信がない』と尻込みしてしまう」
と、お悩みの人事ご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、人事・人材育成担当者のみなさまの、そうしたお悩みを解決すべく、TOEIC高得点社員を真のグローバルプレーヤーに育成する方法について、お伝えします。
~目次~
日本人のTOEIC平均スコアが、561点といわれるなか、TOEIC800点の社員がいれば、「彼こそグローバル人材だ」と、多くの方が思うでしょう。「高い英語力がある」ということは、「英語で仕事ができる」ことだと、誰もが考えるからです。
実はここに落とし穴があります。
ある統計を見ると、「TOEIC800点以上をもつビジネスパーソンのうち、半数以上の人は、ビジネスの現場で英語を使うことに、抵抗や不安を感じて」います。
TOEIC高得点者の60%以上が、「日常会話は問題ないが、議論の場では、相手の意見に英語で反論したり、自分の論を英語で進めたりすることができない」と言っているのです。
せっかく英語ができる人材を採用しても、2人に1人は、その英語力を使って仕事ができる人材に、なりきれていないのです。グローバル要員がなかなか増えない背景には、こういう実態があることを、まず知っておきましょう。
英語の「学習」と、ビジネスでの「実践」の間には、大きなギャップが存在します。たとえば、次のような違いです。
学習の場 | 仕事の現場 |
---|---|
多くの場合、先生と1対1で、自分のタイミング、自分なりの速度で英語を話すことができます。 | 複数の人が一度に英語の会話に参加するため、「会話に入るタイミングをのがしてしまう」ことがよく起きます。 |
フレンドリーなネイティブ講師と、リラックスして英語を話します。 | 初対面の人とでも、重要な仕事の話をしなければなりません。緊張感で頭が真っ白になると、まともに英語が出てこないという状況に陥ります。 |
TOEICの受験勉強では、ビジネス英語でよく使う単語もフレーズも、教材をもとに覚えて練習しました。 | 何ごとも教科書通りにはいきません。その場の空気を読みながら、予想不能な状況に柔軟に対応しなければならず、プレッシャーはさらに高まります。 |
こうしたことが重なって、TOEICのスコアとビジネスの実践の間に、ギャップが生じてしまっているのです。このギャップの存在に、人事担当者も気づいておく必要があります。
基本的には、TOEIC600点くらいの力があれば、英語の学習はもう十分だと考えてよいでしょう。この先必要なのは、ズバリ、英語力と英語で仕事をする力とのギャップを埋める実践練習です。ここでいう「実践力」とは、主に次の3つです。
「英語が話せる」ではないことに注意してください。必要なのは日常英会話に堪能なことではなく、ビジネス環境のなかで、相手とコミュニケーションをとる力です。
書類やメールの書式構成、プレゼンテーションのスタイル、ビジネスマナーなど、日本と外国では違う場合が多々あります。「日本語でやっていることを、そのまま英語でやればいい」とはいきません。英語で業務を遂行するノウハウが不可欠です。
多くの日本人にとって、これが一番の弱点かもしれません。スキルや知識はあっても、アウトプットの経験が不足しているのです。いろいろな場面で、「この場合、英語ではどう表現するのが正解なのだろう?」と悩み、ますます委縮してしまいます。
資料「今、必要とされるグローバル人材の要件」をダウンロードTOEICは高得点でも、グローバル要員として力が発揮できない社員の多くは、グローバルビジネスの実践経験が不足しています。その部分を補う方法としては、主に次の3つがあります。
社員同士のやり取り、会議、資料配布をすべて英語で行い、英語で実際に仕事を行う環境を日常的につくるのです。全社をあげたスケールで実施する必要があるため、費用も準備期間もかかりますので、導入難易度は低いとはいえませんが、実現できれば実践力の大幅な向上が期待できるプランではあります。
グローバルビジネスの現場で実務を経験させ、上司や先輩社員が指導して、グローバル要員として育成します。仕事を覚え、同時に英語の運用力も伸ばせる最短コースです。コストもかかりません。ただ、経験豊富で熱心に若手を指導してくれる上司や先輩社員が、どの職場にもいるとは限りません。そういう先輩がいても、業務で忙しく、手が回らない場合もあるでしょう。こうした環境や条件に左右され、効果にばらつきが出る可能性もあります。
ケーススタディーなどを通して、ビジネス英語の運用と実践力を強化します。最初の二つの選択肢と比べて、体系的に訓練を受けることができますが、研修の導入にはコストがかかります。さまざまな研修のなかから、自分の会社の実情や希望に即したものを選定し、研修を管理することが難しい側面もあるでしょう。
このように、それぞれの方法には、メリットとデメリットがあります。どれが正解ということではなく、企業ごとにビジョン、戦略、規模感、予算などを考慮して検討するようにしましょう。
最後に、グローバルプレーヤーを育成する実践型研修について、選択のポイントをご紹介します。前提として、効果的な研修には次の3つの要素が含まれていることが重要です。
1) 英語でコミュニケーションとれるようになる
2) 英語で業務を遂行するスキルが身につく
3) 英語を使う自信と経験が得られる
ひとつずつ内容を見ていきましょう。
職場や商談における英語のコミュニケ―ションが練習できる、ビジネスに特化した研修を選びます。ビジネス英語研修を謳っていても、実際の内容は日常会話が中心ということもありますから、研修素材や具体的な練習方法などもよく吟味します。
コミュニケーションは、相手からの反応があって成立しますので、自己学習中心の研修より、講師からのフィードバックがある研修がお勧めです。「こういう表現のほうが、言いたいことが伝わりますよ」などと指摘してもらうことで、仕事で使える生きた英語が身に付きます。
知識をインプットするタイプの研修より、アウトプット型の研修がお勧めです。シミュレーションを通じ、実践的なトレーニングを取り入れているものがよいでしょう。研修のスタイルが個人単位や1対1だと、ミーティングやプレゼンテーションなど、対集団スキルは身に付きません。研修の段階からグループで活動するほうが、ビジネス現場での実態に即しています。
グローバルプレーヤーの育成という観点では、できれば多様性と緊張感のある環境での研修が理想です。その代表的なものが海外研修です。緊張感も臨場感も満点ですし、さまざまな訛りのある英語に触れ、人々の多様性にも慣れることができます。海外研修には、短期集中型のビジネス英語研修と、海外ビジネススクールの短期ビジネス研修があります。国内研修の場合も、実際に英語を使う量と頻度が十分あるか、確認するようにしましょう。
以上3つの要素がバランスよくそろった研修、もしくは、自社で特に必要な部分を確実にカバーする研修を選ぶようにしてください。英語力とビジネス実践力を兼ね備えたグローバル人材を育てる、効果的な仕組みづくりの第一歩となります。
資料「グローバル人材育成の成功事例4選」をダウンロードここまで、英語力と実践力のギャップや、英語で仕事をするための「実践力」のポイント、そしてその「実践力」を向上させる方法についてお伝えしてきました。
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