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豊橋技術科学大学における英語学習アドバイザー制度の活用

2026年6月25日に豊橋技術科学大学総合教育院の岩内章太郎先生をお招きし、「豊橋技術科学大学における英語学習アドバイザー制度の活用」というタイトルでセミナーを実施いたしました。その一部をご紹介いたします。

岩内先生は哲学をご専門とされており、特に現象学、現代実在論、哲学対話を研究されています。一方で、早稲田大学国際教養学部および国際コミュニケーション研究科で学ばれ、授業がすべて英語で行われる環境の中で、英語をツールとして活用しながら、文化やジェンダーの違いを超えて共通理解を築くことを探究されてきました。そのようなご経験から、現在は英語教育にも携わっておられます。

冒頭では、哲学対話の実践例についてご紹介されました。哲学対話は日本語のみならず複数の言語を用いて実施されており、異なる言語や文化的背景を持つ参加者同士が対話を通じて相互理解を深める取り組みとなっています。この実践には、岩内先生が考える言語教育の理念が反映されており、言語を単なるコミュニケーションの手段ではなく、多様な価値観を共有し理解し合うためのツールとして位置付けている点が印象的でした。

豊橋技術科学大学は、「技術を支える科学の探究によって新たな技術を開発する」という技術科学の教育・研究を使命としており、ものづくりを志向する学生が多く在籍しています。単に技術を身に付けるだけではなく、技術の原理や背景を理解し、技術を科学的な視点から一般化・継承できる人材の育成を目指しています。同大学は高等専門学校(高専)からの編入生が多く、学生の約80%が高専出身者です。多くの学生が学部3年次から入学するため、学部での学修期間は2年間と短く、高専文化が色濃く残っています。そのため、学部3・4年だけでなく修士課程までを見据えた一貫した教育を重視している点が特徴です。総合教育院では、高専出身の学生に一般教養や基礎教養を身に付けてもらい、多角的な視点を持つエンジニアの育成を目標としています。企業でのチーム活動や海外の技術者との協働を想定し、相手の文化や価値観を理解したうえで円滑なコミュニケーションができる人材を育成することを目指しています。

また、文部科学省の「ソーシャルインパクト創出支援事業」に採択され、「グローバルテックイノベーター」の育成にも取り組んでいます。単に英語力や技術力を身に付けるだけではなく、それらを活用して多様な人々と協働し、合意形成やリーダーシップを発揮できる人材の育成を目的としたプログラムが展開されています。授業では、日本人学生と留学生が共に学びながら課題解決や合意形成に取り組む機会が設けられています。

英語教育については、総合教育院による必修英語科目、日英両言語で実施されるバイリンガル科目、各専門分野における英語科目に加え、eラーニング教材や英語学習アドバイザー制度を組み合わせた体系的な教育が実施されています。特に英語が苦手な学生への支援を重視しており、英語学習アドバイザーの活用を積極的に促しています。また、大学院進学や就職活動でTOEICスコアが求められることから、「資格英語」の科目も設置されています。講演では、eラーニング教材と英語学習アドバイザー制度について詳しくご紹介いただきました。

eラーニング教材としては「ALC NetAcademy PLUS」を導入しており、ご利用いただいているTOEICコースについてご紹介いただきました。実践的な模擬試験が収録されており、本番形式の問題演習を繰り返し行えることが特徴の教材で、TOEICの学習・受験対策に活用されています。また、学生だけでなく教職員も利用しており、教職員の英語力向上にも役立っているとのことでした。

英語学習アドバイザー制度は、2026年度は月・火・木・金曜日に実施されており、2名のアドバイザーによる予約制で運営されています。また、月曜日と木曜日の昼休みには、予約不要で昼食を取りながら英会話を楽しむ「コモンズ英会話」も実施されています。

アドバイザーの支援内容は、英語学習方法の指導、TOEICスコア向上支援、英語学習のモチベーション維持・向上、学会発表や海外実務訓練・留学面接対策、日常英会話指導など多岐にわたります。岩内先生は、中でも学生の学習意欲を高めることを最も重要な役割と位置付けておられました。また、学習方法だけでなく、学生一人ひとりの生活状況や特性にも寄り添いながら支援を行う「ケア」の側面が大きな特徴であることが紹介されました。

英語学習アドバイザー制度は、2014年に文部科学省「スーパーグローバル大学(SGU)創成支援事業」に採択されたことを契機に整備され、2017年度の新カリキュラム開始に合わせて本格導入されました。学生一人ひとりに適した学習方法を提案し、継続的な学習支援を行う体制が構築されています。

最後に、英語学習アドバイザー制度の実績について紹介がありました。年間稼働率は約80%と、長期休暇を含めても非常に高い水準を維持しており、利用者のリピート率も高いことから、学生から高い評価を得ていることがうかがえました。相談内容はTOEIC対策が最も多いものの、大学の特色を反映し、海外実務訓練に関する相談も多く寄せられているとのことでした。

本講演を通じて、豊橋技術科学大学では、英語を単なる語学教育として捉えるのではなく、異文化理解や協働、リーダーシップの育成を含めた包括的な教育を実践していることが理解できました。また、eラーニング教材や英語学習アドバイザー制度を組み合わせることで、学生一人ひとりに寄り添った支援体制を構築し、グローバルに活躍できる技術者の育成を目指している点が非常に印象的でした。

岩内先生のご講演の詳細や、お話に挙がった英語eラーニング教材「ALC NetAcademy PLUS」や英語学習アドバイザーなどについてご関心をお持ちいただけましたら、academy@alc.co.jpまでご遠慮なくお問い合わせください。
(文・構成:文教営業部 実松雅史)

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