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有明高専における英語学習モチベーションアップの取り組み ~理系学生に英語学習を能動的にさせるには~

2026年8月24日に有明工業高等専門学校 英語科主任 山崎英司教授をお招きし、「有明高専における英語学習モチベーションアップの取り組み ~理系学生に英語学習を能動的にさせるには~」というタイトルでセミナーを実施いたしましたので、その一部をご紹介いたします。

本セミナーは、以下の流れでご発表いただきました。
(1)山崎先生の自己紹介
(2)有明高専を取り巻く立地環境と英語学習の現状
(3)英語学習動機付け授業導入のきっかけ
(4)英語学習モチベーションアップ用授業

冒頭の山崎先生の自己紹介では、TVゲームや漫画などの趣味が、今回のテーマである英語学習の動機づけにつながったとお話しいただきました。

続いて、有明高専における英語学習の現状についてご説明がありました。 有明高専は、福岡県内にある3つの国立工業高専の1つです。他高専よりも就職率が高く、進学される学生は多くないため、専攻科進学や大学編入に向けた英語学習の必要性を感じにくい傾向があるとのことでした。また、課外活動や「実験・設計・モノづくり」などの専門分野への関心が高い一方で、英語学習に対するモチベーションが低い理系学生が多いことも、現状として挙げられました。

こうした背景を踏まえ、英語学習への動機づけにつながる4つの取り組みについてご紹介いただきました。

1つ目は、「シンガポール研修」です。

有明高専は、2019年度に全国高専機構によるグローバルエンジニア育成事業に採択されました。本事業は、学生をグローバルに活躍できる技術者として育成するため、国際コミュニケーション力や海外で活動するマインドの育成を支援する取り組みです。これを契機に、2023年度から2年次全員を対象とした3泊5日のシンガポール研修を実施しています。

本研修は本格的な語学研修ではなく、海外生活や異文化交流を通じて、英語学習への関心を高めるきっかけづくりを目的としています。特に3日目には、現地大学生をガイドとした終日班別行動を行い、買い物や食事、公共交通機関の利用などを学生自身で行うことで、英語を使ったコミュニケーションの必要性を体感する機会を設けています。また、旅費などの経済的負担や治安、物価といった海外研修における障壁に対する工夫についても触れられていました。

2つ目は、多読授業です。

従来、有明高専では1年次に英語の検定教科書中心とした授業を行っていましたが、学科再編に伴う英語授業カリキュラムの改編により、多読学習とネイティブ教員による少人数の英語コミュニケーション授業が組み合わさった英語授業が新たに組み込まれました。

多読授業においては、学生のレベルや興味に合った多読教材を自身で選べることが英語学習への動機づけに繋がる一方で、評価の難しさや文字媒体が苦手な学生にとって多読そのものが難しいといった課題も挙げられました。

こうした課題に対し、多読だけではなく、単語テストや教材内の暗唱問題を成績に加えるほか、文字媒体が苦手な学生向けに英語版の漫画を用意するなどの工夫もご紹介いただきました。

3つ目は、前述したカリキュラム改編により新たに導入された、3年次の習熟度別英語授業です。

本授業の一部のクラスでは、ゲーミフィケーションを活用し、同程度の英語力を持つ学生同士でTOEICミニテストのスコアを競うことで、学習へのモチベーション向上を図っています。英語力の差が大きい相手との対戦によって、学生が諦めや飽きを感じないよう、細かなルールが設定されています。また、勝敗に応じてミニテスト内の書き取りや和訳の課題内容の分量に差をつけることで、ミニテストへの取り組みを促し、継続的な学習意欲の向上につなげています。

こうした取り組みにより、他のクラスと比較してTOEIC Bridge IPテストの平均点が上昇しているとの紹介がありました。一方、今後の課題として、書き取りや和訳などの課題がAIを利用することで容易に完了できてしまう点や、少人数制の習熟度別クラスを拡充するためには、さらなる教員の確保が必要となる点が挙げられました。

最後に、英語学習モチベーションアップの一環で実施されている研修についてお話をいただきました。学生が自身の英語力を把握し、具体的な自己学習方法を体験するといった、普段接する機会の少ない外部からの助言が学習意欲の向上につながるとのご説明がございました。

以上がご講演の概略となります。

山崎先生のご講演の詳細や、お話に挙がった「モチベーションアップセミナー」についてご関心をお持ちいただけましたら、academy@alc.co.jpまでご遠慮なくお問い合わせください。
(文・構成:文教営業部 宮内 怜)

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