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国境を越えて活躍できる人材の育成を目指して:学生主体で運営するヤンセン国際寮(南山大学 山田貴将先生、小野詩紀子先生、藤本純子先生)

  • 南山大学国際センター特任講師・宿舎アドバイザー
    左から小野詩紀子先生、山田貴将先生、藤本純子先生

はじめに

愛知県名古屋市に所在する南山大学は、1946年に南山外国語専門学校が設立され、今の総合大学として発展するにいたるまで一貫して世界で活躍できる人材の育成に力を注いできました。2007年に策定された「南山大学グランドデザイン」では、①多様性を確保する、②個を強化する、③異なる価値観を持つもの同士が共生し協働できる環境を整備する、という3点が提示されました。それを受けて2015年に策定された国際化ビジョンでは、「文化・社会の違いを超えて必要とされ、国境を超えて活躍できる人材」の育成を目指すことが目標として掲げられました。「ヤンセン国際寮」は、上記のグランドデザイン及び国際化ビジョンを踏まえ、国際化をさらに加速させていくための戦略的施設として2022年4月に開寮しました。

  • 寮外観

  • 中庭

  • アーノルド・ヤンセン神父 銘板

「We live in a time when much is collapsing, and new things must be established in their place.(訳:我々が生きる時代は、多くのものが崩れ去るような時代である。我々にはその代わりとなるものを作り出す使命がある。)」

ヤンセン国際寮概要

ヤンセン国際寮は、南山大学の名古屋キャンパスから徒歩5分以内の場所に位置しています。地上4階建ての建物に、178室の寮室(うち2室はユニバーサル寮室)を設けており、正規課程の学生と海外からの留学生が約半数ずつ居住します。寮室は個室となっており、各部屋にはベッド、机、椅子、靴箱、ハンガーラックや洋服用チェストなど備え付けの家具を配置しています。

  • 寮室

入居者は、8~10人で1つのリビンググループを形成し、1つのダイニングキッチンを共同で使用します。ダイニングキッチンには、テレビ、DVDプレーヤー、ダイニングテーブル、椅子、調理器具、食器など一通り生活に必要なものが用意されていて、2つのリビンググループの間に、洗面・ユニットシャワーとトイレが配置されています。2つのリビンググループのまとまりを1ウィングと呼んでいて、ウィングには寮室のある学生のみが入ることができます。その他、各階にはランドリールームや、テーマの異なるリビングがあります。尚、共用リビングに関しては全入居者が寮室のある階に関係なく使用することができます。

  • リビンググループイメージ図

  • ダイニングキッチン

  • 共用リビング

運営組織

プログラムデザインや運営組織の検討の際に常に意識していたことは、国境を超えて活躍できる人材に必要なコンピテンスの涵養を目指す新宿舎運営の中心にいるのは学生であるということです。他大学の国際学生宿舎では、宿舎アシスタント(RA: resident assistant)が活用されていることが多いと思いますが、ヤンセン国際寮の運営においても学生スタッフが活躍しています。学生スタッフは、教育プログラムの運営サポートや交流イベントの企画などを担うレジデントリーダー(RL)5名と各リビンググループにおいて入居者の交流を促し、共用設備の使い方を含めた居住のサポートを担うリビングコーディネーター(LC)18名から構成されています。

学生スタッフ、宿舎アドバイザー(教育プログラムのデザイン・実施、学生スタッフや入居者のサポートなどを担当する教員)、国際センター事務室(広報、出入居の手続き、設備の管理、管理人との連携などを担当する事務職員)、国際センター副センター長、管理人が連携を図りながら、ヤンセン国際寮は運営されています。

教育プログラム

学生を取り巻く環境は、技術革新が進み急速に変化する一方で先行きが不安定で将来の予測がしづらいと考えられます。新宿舎における教育プログラムでは、そのような現代社会を生きていく上で必要なコンピテンスとして、2つの力を定めました。まず、自立した個人として自分の在り方を理解し、目標を定め、試行錯誤しながら目標到達に向け努力することのできる「セルフプロデュース力」、そして、多様な人とかかわる中で互いの違いや共通点を認め合い、個の力を最大限に活かしながら他者と協働できる「ダイバーシティー&インクルージョン(D&I)実践力」です。

その力を効果的に伸ばしていくために、①Living、②Learning、③Socializingという3種類の学びのモードを用意しました。①Livingモードは、新宿舎での「生活からの学び」を意味しています。入居者は、毎日の生活を通してD&Iを経験し、そこでの学びを振り返りながら次のより高度な実践につなげていくことが期待されています。入居者主体の宿舎運営、生活環境の維持、共同生活におけるルール作りなど、生活をしていく中で起こりうる課題に対応する力を身につけていきます。②Learningモードは、入居者を対象とした「教育プログラムからの学び」を意味しています。入居者は、多文化コミュニケーション、クリティカルシンキング、ストレスマネジメント、インクルージョン、リーダーシップなどのワークショップに参加し、D&Iを実践するうえで必要な知識やスキルを身につけるとともに、そこでの学びを日々の生活に活かしていきます。③Socializingモードは、新宿舎のRLや入居者が企画するイベントなどを通じた様々な人々との「つながりからの学び」を意味しています。入居者は、LivingやLearningモードを通して学んだことを活かしながら、参加者が成長できるイベント、みんなに開かれたイベント、ヤンセン国際寮でしかできないイベントを企画運営していきます。

  • 「Welcome to Janssenイベント」(共用リビングにて)

  • 共用キッチンから教育プログラムを受講中の入居学生

2022年4月の開寮後、約5カ月が経過しましたが、今の所、RLとLCを中心とした寮運営は概ね順調にいっており、学生の企画したイベントが開催されたり、各リビンググループでの交流も活発に行われています。コロナ禍で日本へ入国することができなかった外国人留学生別科(Center for Japanese Studies)の学生約150名が9月に南山大学のキャンパスにやって来ます。このうち約70名の学生がヤンセン国際寮に入居予定のため、寮内の日本人と外国人入居者の割合は、ほぼ1:1となり、文字通り混住寮として動き出すことになります。多様性に満ち溢れたヤンセン国際寮において、多くの入居者が毎日の多文化交流の中で、D&Iの実践とその振返りを繰り返しながら、「国境を越えて活躍する人材」として成長していって欲しいと願っています。

南山大学ヤンセン国際寮特設サイト

https://www.nanzan-u.ac.jp/jir

Contact

[東京本社]

〒102-0073 東京都千代田区九段北4-2-6 市ヶ谷ビル



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