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九州大学SALCの取り組み
~英語の自律学習支援と留学生との交流について~

6月29日に、九州大学 SALCセンター長 基幹教育院教授 大橋浩先生をお招きし、「九州大学SALCの取り組み ~英語の自律学習支援と留学生との交流について~」というタイトルで講演をしていただきましたのでその概要をご報告いたします。

大橋先生のご専門分野は認知言語学で、九州大学では基幹教育 英語班班長として、英語カリキュラムの作成、改訂、運営に従事していらっしゃいます。主に1,2年生向け英語科目と1年次の基幹教育科目を担当され、またSALC センター長としてその開始から運営に携わり、学内の関連部局と連携しながら日本人学生と留学生との交流や日本人学生の留学支援に取り組んでいらっしゃいます。

最初に大橋先生は2014年に開始した九州大学の基幹教育について、その目的や目標、そしてカリキュラムについて紹介してくださいました。

基幹教育における英語カリキュラムは、Kyushu University Learning English for Academic Purposesの頭文字を取ってQ-LEAPと呼ばれています。
Q-LEAPは、学術目的の英語の基礎を修得するための体系的な積み上げ式カリキュラムとなっており、基礎の上に学生が自らの関心に応じて学習計画を作ることができるように多様な科目が提供されています。また、学生は自分の英語力を客観的に把握することができるように、1年次と2年次にTOEFL ®ITPテストの受験が義務づけられています。

SALCは、Self-Access Learning Centerの略称で、基幹教育と同じく2014年に発足しました。学生一人一人の英語力や英語学習のニーズに応じた教室外での英語学習支援を提供することがその主な目的で、同時に留学生と日本人学生が交流する「コモンエリア」としての役割も担っています。

スタッフは、センター長の大橋先生の他、SALC担当助教1名、ラーニング・アドバイザー2名、チューター14名(2023年現在)、グローバル学生交流センター事務補佐員 1名(2015年11月〜2021年10月)で構成されています。

年末・年始、お盆を除く平日の午前11時〜午後7時に開室しており、ラーニング・アドバイザー2名と数名のチューターが常駐しています。(コロナ期を除く)
開設以来SALCの利用人数は順調に増え、最も多い年度では年間累計6280名もの学生が利用しています。コロナ禍による各種制限で一時期落ち込んだものの、現在ではコロナ前のような活況を取り戻しています。

続いてSALCの様々なサポート活動について紹介してくださいました。
SALCで提供している主なサポート内容は以下の通りです。

SALCのサポート一覧

  • 英語学習相談
  • 英会話(グループ、1対1)
  • 留学相談
  • 英語教材提供(検定試験対策問題集、英字新聞、書籍、Criterionなど)
  • 英語検定試験(TOEFL, IELTS, TOEIC)対策
  • Brown Bag Lecture Series
  • 教員やスタッフによる英語による勉強会
  • 各種イベント: Fun events、Workshopなど
  • タンデム学習プログラム

ご講演ではそれぞれの活動について写真を交えて紹介していただきました。
個別の学習相談から検定試験対策のアドバイス、さらに気軽に楽しみながら参加できるイベント、アクティビティーなど、SALCでは実にバラエティーに富んだサポートを提供しており、いずれも盛況であることがわかりました。

中でも興味深いのはタンデム学習プログラム(Tandem Learning Program)です。

タンデム学習とは、異なる母語を話す二人がお互いから学びあう活動を通じて、コミュニケーション能力の向上とその言語が話されている国や地域の文化的背景について相互理解を深めるプログラムのことです。
タンデム学習プログラムでは、互いに言語を学ぶという意識を持つ互恵性と、互いに自分の学修目標とその学修目標を達成するための方法を決めるという学習者オートノミーの要素が含まれます。
もともと九州大学様でこのタンデム学習プログラムが実施された背景には、大学院に所属する留学生には語学の支援が十分ではない状況があったこともお話しいただきました。ご講演では、実際の参加人数やパートナー成立の実績なども紹介していただいています。

そして最後に、SALCでの留学支援についてもお話しいただきました。
SALCでは留学のための英語検定試験のサポートも行っており、その中の1つとしてアルクエデュケーションでもTOEFL iBT講座を実施させていただいております。日本人講師とネイティブ講師による合計8回の講座を前期と後期行っていますが、毎年定員を超える希望者となっております。

以上が、ご講演の概略となります。
大橋先生のご講演やアルクエデュケーションの講座等についてご関心がある方は、academy@alc.co.jp までご遠慮なくお問い合わせください。

(文・構成:文教営業部 森山光)

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[東京本社]

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