グローバル人材育成の総合ソリューションパートナー 株式会社アルクエデュケーション

アルクのFD・SDプログラムについて
~グローバル人材の育成・活躍推進と教育の国際化の実現に向けて~

8月23日に吉中昌國講師をお招きし、「アルクのFD・SDプログラムについて~グローバル人材の育成・活躍推進と教育の国際化実現に向けて~」というタイトルで講演をしていただきました。今回はその一部をご紹介いたします。

吉中講師はカリフォルニア大学バークレー校で社会学修士号を取得されました。外国人講師のマネージャーを長年務め、企業でのグローバル人材開発コンサルタントとして活躍。アメリカの大学についての豊富な知識と体験を基に、多くの大学でFD研修、SD研修を担当されています。インタラクティブで丁寧な指導に定評があります。

セミナー冒頭では、吉中講師のご家族やアメリカでの経験についてお話をしていただきました。吉中講師のお父様は韓国の方でしたが、子供のころは父親がほかの文化から来たという感覚を持っていなかったとのことでした。不思議な言葉を話す人だと思っていたとおっしゃっていました。
高校卒業後、ロサンゼルスに半年間過ごそうと留学しましたが、お住まいになった地域は中南米からの移民が多く、スペイン語圏だったそうです。吉中講師はロサンゼルスでも異文化に触れられました。その後、カリフォルニア大学バークレー校大学院に進み、卒業後は翻訳業務や日本企業の海外進出支援など、アメリカで多岐にわたる仕事を経験されました。本レポートでご紹介する各研修は、吉中講師の海外経験が大いに反映されています。

以下では、吉中講師が担当するFD・SD研修をご紹介します。

① 英語で効果的に教えるためのワークショップ

異文化コミュニケーションがますます重要となる現代社会において、大学での英語教育はその需要に応える重要な役割を果たしています。本研修は、理系・文系の大学教員が自分の専門分野の授業を英語で効果的に教えるためのスキルを向上させることを目的としたもので、ファシリテーション型のワークショップとして提供しています。
吉中講師がメジャーエラー、マイナーエラーの分別について問いかけ、英語でどんな単語、文法を間違えれば意味が通じなくなってしまうのかをともに考える場面がありました。意外にも三人称単数を間違えたり複数形のSを忘れたりしてしまっても通じるとおっしゃっていました。

―基礎編
理系・文系の専門分野の授業をこれから英語で実施する予定の若手教員を対象としています。理系・文系の専門科目を英語で教える際に必要な工夫について学びます。今持っている英語力を生かしてどのように対応できるかに重点を置いています。
学生とのコミュニケーションを円滑に進めるための自己紹介のコツを学びます。講義の最初のセッションを想定し、自分の専門分野について話す練習をします。また、英語で実施する授業において発言しようとしない学生に対応する工夫を考えます。学生のやる気を高めるために返すひとこと表現のリストを作ります。

―応用編
すでに英語で授業を実施している教員を対象としています。学生のニーズに適切に対応するために教員が実践すべきアプローチを紹介します。学生にとって聞きやすく分かりやすい発話スピードと文体について考えます。レポートのフィードバックは肯定的な部分を強調し、改善点に建設的な提案を添えて学生の成長を促します。留学生の異なる文化的背景を尊重し、文化的な感受性を持ち異文化に対する理解を深めます。

② 英文アカデミックライティング研修

―初級編
英語論文を書いている方や、将来その予定がある方を対象としています。対象レベルはTOEIC650~850程度です。
この研修では日本語と英語の単語レベルでの意味のズレに注目し、より正確に自分の考えを表現する方法について考えます。「確認する」「検討する」「評価する」という言葉が例に挙げられていました。複数の文章を英訳する際、日本語では同じ「検討する」でも英語では場面に応じて使い分けなければいけません。
また、論文を書く際には、冠詞や前置詞の用法などの基本的な文法ルールを復習し、論文内で適切に使用することが必要です。

―中級編
対象レベルはTOEIC700〜900程度です。
アカデミックな接続詞の使い方を学び、文と文を論理的につなぐ練習をします。日本語の段落とは異なり、英語のパラグラフは緻密で論理的な構成を持っています。Unity, Coherence, Developmentと呼ばれる三要素について、アクティビティを通して学びます。英語論文の基本的な構成を理解したうえで、論文のIntroductionにかかせないパラフレーズのコツを練習します。盗用や剽窃の疑惑を避けるためには、必須のスキルです。

―上級編
論文などのアカデミックな文章をすでに書いている方が対象です。対象レベルはTOEIC800~990程度です。
日本人が苦手とする定冠詞や可算・不可算名詞の用法を復習します。事前に提出した課題英文へのフィードバックをもらいます。自分の英語力の現在の長所と短所を把握し、他の参加者の英文へのフィードバックからも学びを得ます。

③ Eメールライティング研修

業務で英文メールを書いている方やそのような予定がある方を対象に、Eメールライティング研修を提供しています。
対象レベルはTOEIC500~990と、幅広いレベルに対応しています。最近多く用いられるようになったChat GPTをはじめとするAIツールの活用方法や注意点もお伝えします。一見、流ちょうな英語に見えても不正確・不適切な表現が含まれていることがあるので、使い方に十分注意が必要であると吉中講師はおっしゃっていました。
研修でははじめに、良い印象を与えられるよう正確なフォーマットや分かりやすい件名の書き方を学びます。効果的なオープニングセンテンスとクロージングセンテンスの書き方のコツを学ぶほか、英文メールにおいて役に立つ定番表現を使いこなせるような練習をします。

④ 異文化コミュニケーション研修

こちらの研修は、大学職員や日本人学生、外国人大学院生にまで幅広く提供することが可能です。大学職員を対象とした研修では、異なる文化を持つ学生、教員への適切な対応のしかたを身につけます。異文化コミュニケーションにおいて、相手を誤解しないようにコミュニケーション方法を工夫します。こちらの研修もディスカッションやシミュレーションを通じて自ら考え学ぶことができる参加型の研修です。
最初に文化の構造について学び、文化的規範と価値観の重要さを理解します。文化が異なる相手にも有効なコミュニケーションスタイルを学んでいきます。
日本人学生は、英語を使うアクティビティを通して英語学習への意欲を高めるとともに、海外留学への興味も深めます。外国人大学院生は、日本人のコミュニケーションスタイルについて学び、対応策を考えます。日本のビジネス文化(メンバーシップ型雇用・報連相)についても学びます。

以上が、セミナーにてご紹介した吉中講師が担当するFD・SD研修となっています。
なお、すべての研修において、実施時間や実施期間、実施形態(対面・オンライン)など、大学様や企業様に応じて調整することが可能です。

改めて各研修の詳細について知りたいという方がいらっしゃいましたら、アルクエデュケーション文教営業部(academy@alc.co.jp)まで、お気軽にお問い合わせください。

(文・構成:文教営業部 石橋咲紀)

Contact

[東京本社]

〒141-0001 東京都品川区北品川6-7-29 ガーデンシティ品川御殿山 3階



ページトップへ
ページトップへ