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地方公立大学におけるインバウンド型グローバル教育の実践 ~eラーニングを活用した英語コミュニケーション力の養成~

3月18日に岡山県立大学教授の関根紳太郎先生をお招きし、「地方公立大学におけるインバウンド型グローバル教育の実践~eラーニングを活用した英語コミュニケーション力の養成~」というタイトルでご講演いただきましたので、その一部をご紹介いたします。

岡山県立大学では、地方公立大学として地域貢献とグローバル教育を大切にしています。本セミナーのタイトルにもあるインバウンド型グローバル教育とは、日本の歴史、文化、価値観等をいかに訪日客に伝えるか、いわばホームでの立ち振る舞いを学ぶことを指しています。岡山県立大学のポリシーである、国際的な視座から地域を学ぶことは、インバウンド型グローバル教育の取り組みになるといえます。

インバウンド型グローバル教育は、グローバルな視座から地域を学ぶグローバルコミュニケーションも含まれています。それは大きく3つに分類することができます。

1.基礎スキル(英語学習)
基礎スキルの養成として、ELP(English Language Program)という科目が開講されています。成果指標としてTOEICを利用し、自律型学習支援教材として、ALC NetAcademy NEXTをご活用いただいています。

eラーニング教材というと、学習の動機づけが課題になっている大学も多いと思います。岡山県立大学でも同様の悩みを抱えていますが、eラーニング学習の機会を習慣化させ、上記の課題の解消に努めています。具体的には、授業の冒頭10分程度を利用してALC NetAcademy NEXTに取り組んでもらっているそうです。1限の科目の場合は、朝の時間帯ということもあり、集中力がつき学生にとって良いウォーミングアップになっているようです。また、eラーニングの取り組みが成績評価の10%に含まれており、学生のモチベーションアップにつながるよう工夫されています。
正課外の部分ではEnglish Caféの時間を設定し、国際交流センターでネイティブ講師とカジュアルに会話を楽しめる機会を設けています。こちらは、予約なしで参加できますが、希望に応じて、予約制で英語プレゼンテーションのアドバイジング等を行っているそうです。

2.コンテンツ(内容学習)
コンテンツの探求としては、語学国際セミナーを選択科目として実施するほか、正課外(準正課)プログラムであるアウトリーチ自主ゼミナールのゼミ活動において「英語で岡山を学ぶ」というテーマに取り組んでいます。語学国際セミナーとは、語学力や異文化理解力を高め、グローバル化する地域社会の中で教養を備えた人間力や社会性を育成することを目的とした少人数制のセミナーです。「英語で学ぶ日本と岡山」をテーマに地元岡山の魅力を探求しています。セミナーの前半には地域資源調査として岡山の見どころを英語キャプション付きでInstagram風に紹介するという取り組みが行われています。
また、セミナーの後半には課題解決型の学習として、岡山の見どころをツアーコース化して英語でプレゼンテーションをしてもらうという課題を設定しています。学生が実際にプレゼンテーションを行った動画をご紹介いただきましたが、丁寧な発音で非常に聞き取りやすい英語で発表されていました。海外経験はないということでしたが、ELPの授業やeラーニング教材の活用、実践的なアウトプットの場を通して、英語力を培われてきたそうです。

岡山県に関する知識については、全学の科目として1年次に「岡山を学ぶ」授業を通して、岡山県の産業や歴史を学び基本的な岡山県についての知識を学びます。語学国際セミナーでも備前焼など特色ある岡山県の産業について触れるようにしているといいます。

3.デリバリー(コミュニケーションスキル実践)
上記2つの学びを踏まえて、アウトリーチ自主ゼミナールの学生が自ら企画したアウトリーチツアーという観光形態を活用した訪日客へのアテンド活動を行うことで、実践的な学びの機会を提供しています。岡山県には後楽園や岡山城、倉敷美観地区といった観光名所が豊富にあるため、英語上級者に対しては、インバウンドに向けた通訳支援活動も行っているとのことです。コロナ禍においてはALT(外国語指導助手)を対象にモニターツアーを行いました。アウトリーチ自主ゼミナールの一環として自治体や地元関係者のほか、地域おこし協力隊と連携し地元に根づいた活動も継続的に行っています。

学生は所属する学部の学びを最大限に活かして活動しています。例えば、ホスピタリティを意識し、ALTを対象に岡山の隠れた見どころを紹介するアウトリーチ・モニターツアーには、多くの保健福祉学部の学生が参加されています。また、情報工学部の学生が地域の魅力あふれる訪問先やワークショップの模様をSNSに英語で発信しています。そして、デザイン学部では地域の魅力を言語化・可視化するために、英文観光マップやグッズを制作し、県内外に展開しています。

今後は、さらに地域連携の強化をはかるとともに、他大学との連携も図っていけるよう充実した活動を継続させていくとのことです。

以上がご講演の概略となります。
関根先生のご講演の詳細や、弊社のeラーニング教材ALC NetAcademy NEXTについてご関心をお持ちいただけましたら、academy@alc.co.jp までご遠慮なくお問い合わせください。
(文・構成:文教営業部 石橋咲紀)

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