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東京海洋大学 グローバル人材育成に向けた取り組みの現況 ~外部英語能力試験を活用した英語教育における成果と展望~

8月27日に東京海洋大学 グローバル教育研究推進機構 特任准教授の鈴木瑛子先生をお招きし、「東京海洋大学 グローバル人材育成に向けた取り組みの現況 ~外部英語能力試験を活用した英語教育における成果と展望~」というタイトルでご講演いただきましたので、その一部をご紹介いたします。

国内唯一の海洋系総合大学として教育研究を行う東京海洋大学には、品川キャンパスにある「海洋生命科学部」と「海洋資源環境学部」、越中島キャンパスにある「海洋工学部」という3つの学部があります。東京海洋大学では、品川キャンパスにある2つの学部で3年次から4年次への進級要件として「TOEIC L&R600点」というスコアを定めています。
今年で10年目を迎える「TOEICスコアの進級要件化」の目的や効果、学生の目標達成に向けた英語学習支援などについて鈴木先生にご講話いただきました。

東京海洋大学でのTOEICスコアの進級要件化は、2012年「グローバル人材育成推進事業」への採択をきっかけに、グローバル化の実現に向けた英語教育プログラム改革の第一歩として2014年入学生から始まりました。

進級要件として「TOEIC L&R」というテストを用いたことについて、鈴木先生は「ビジネスシーン・日常会話からの出題が中心で実生活に即していることや、就職活動でも重視する企業が多く役に立つ」という理由を話されていました。また、600点というスコアを基準に設定した妥当性については、「ビジネスでの最低限のコミュニケーションが期待できるスコアである」とご説明くださいました。

東京海洋大学は理系学部が多い大学ということもあり、英語や国際化への興味が強い学生が決して多いとは言えませんでした。しかし、グローバル化に向けた様々な環境づくりによって、英語が苦手な学生でも、ある時期から集中して学習すれば結果として600点を達成できるよう、支援に取り組んでいます。そして現在では、実際にほとんどの学生が3年次には600点以上のスコアを取得しています。

今回は、主に授業での支援と語学学習スペース「グローバルコモン」についてお話しいただきました。
授業面の支援としては、1年次前学期に「TOEIC入門」、3年次に「TOEIC演習」という2つの必修科目を設定しているほか、再履修や長期休暇での集中講義も実施されています。多くの学生が必修の2科目を通して600点を達成されるそうです。
この授業「TOEIC入門」は学科別・レベル別の少人数制クラスで行われており、「友達と競い合えてモチベーション維持につながった」という学生の声も紹介されていました。

語学学習スペースの「グローバルコモン」は、英語学習教材やスピーキング練習用の防音ブースが用意されており、各種イベントも実施される施設です。
さらにこの施設には、英語学習に関する継続的な個別カウンセリングを行うための資格を保有している「英語学習アドバイザー」が常駐し、TOEICだけでなくIELTSやTOEFLなどのテスト対策、そのほか、様々な英語学習のアドバイジングを行っています。このアドバイジングは1枠25分、予約制で行われています。学生ごとに合った学習方法を設定していくためのサポートはもちろん、モチベーションを高め維持する精神面や、学習の環境面についても、ひとりひとりに合った学習アドバイスを行うという点に特徴があります。
鈴木先生は、アドバイザーについて「授業を行う教員とは違った立場で学生に寄り添うプロがいるということは、学生にとって1つ大きな安心材料であるように感じます。」と仰っていました。

ご講演では、こういった英語教育プログラムを受けた学生の声もご紹介くださいました。学生らからは「内定先から英語力を期待された。さらなる英語力向上のためプレゼン英会話にも挑戦している」「グローバルコモンではTOEIC学習以外の支援・アドバイザーによるカウンセリングを継続して受けることができた。長期留学や、その要件となるIELTSも視野に英語学習を続けたい。」などの声が聞かれました。

最後に、TOEICスコアの要件化をはじめとしたお取り組みの成果についてご紹介させていただきます。
先に述べたように、ほとんどの学生が3年間の授業内外での支援によって600点を達成しています。さらに、進級要件を越えた成長も見られており、3年次末での学年平均スコアは約650点を示しているほか、ある年の4年生のうち25%は700点以上の高得点を獲得しています。
また、2016年からは入学前の出願の時点で外部英語資格試験のスコアを求め、英語学習を意識させていらっしゃいます。入学時のTOEIC平均点は採択後12年間で約110点上昇しました。

東京海洋大学では、こういった取り組みによってグローバル化の基礎が安定しつつあります。今後はTOEICスコアで定めた進級要件を意識するとともに、交換留学やIELTSの学習を希望する学生の支援拡充を目指すとお話くださいました。

以上がご講演の概略となります。

鈴木先生のご講演にありました弊社の英語学習アドバイザーによる学習支援ほか、eラーニングや講座によるTOEIC対策についてご関心をお持ちいただけましたら、academy@alc.co.jpまでご遠慮なくお問い合わせください。
(文・構成:文教営業部 中村優介)

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