英語eラーニング教材の適材適所 ~自学自習向け教材への登録状況の分析を交えて~
2024年12月9日に広島大学 外国語教育研究センターの天野修一先生をお招きし、「英語eラーニング教材の適材適所~自学自習向け教材への登録状況の分析を交えて~」というタイトルでご講演いただきましたので、その一部をご紹介いたします。
広島大学では、複数の英語eラーニング教材を導入されており、様々な形で英語教育に役立てられています。天野先生はそれらのeラーニング教材について、「大きな可能性を持つ一方で、その活用の成功は決して簡単なものではない」と考えていらっしゃるそうです 。
今回のセミナーでは、広島大学での自学自習教材の活用状況などを踏まえながら、英語eラーニング教材の成功に必要な「適材適所の配置」の実践についてご講演くださいました。
冒頭では、Geek heresy:Rescuing social change from the cult of technologyという書籍の一部(高度なテクノロジーがあっても、それだけでは不十分であるということ)に触れ、「英語eラーニング教材を与えるだけでなく、教職員による適切な指導や支援が必要ではないか」とお話をされました。
教職員による支援の仕方は様々ありますが、セミナーでは特に天野先生がご興味を持っていらっしゃる「英語eラーニング教材の適材適所」という考え方についてご紹介くださいました。
これは、どんなeラーニング教材をどんな条件で学生に使ってもらうかということであり、具体的には「授業の一部としての利用」や「単位のない自主学習プログラムとしての利用」など、それぞれに合ったeラーニング教材を考えるといったものです。
その後に続けてeラーニング教材に関する研究論文の内容もお話されながら、成果をあげるためには「各eラーニング教材をどの観点から見るか」という点と、「どのような条件下にどのシステムを配置するか」という2点が重要であると仰いました。
eラーニング教材に対する観点の例としては、「教材の量、難易度の幅、値段、販売形態、サポート体制」などが挙げられます。そして、配置を考える際には「授業時間の配当の有無、単位の有無、ブレンド型か完全オンライン型か」という条件を考慮する必要があります。
実際に広島大学外国語教育研究センターでは、弊社のALC NetAcademy NEXTを含め多くのICT教材を管理されており、それらを9つの配置で活用なさっています。
「単位あり(授業時間の配当あり)」「単位あり(授業時間の配当なし)」「単位なし」という大きな分類や、それぞれの活用法についてもご説明くださいました。
ここでは特に、セミナーのメインとして、特徴と関連付けながらお話いただいたALC NetAcademy NEXTの活用例について取り上げます。
広島大学において、ALC NetAcademy NEXTは「通常の英語授業の一部でブレンド型の利用」と「完全自学自習で利用」という二つの方法で活用されています。
これは、受講者の登録可能数および同時ログイン可能数が豊富(多くの先生が授業で利用できる上、自学自習用にもアカウントを配布できる)、難易度の幅の広さ、問題数が豊富、長期休暇中を含めていつでも自学自習に使用可能といった特徴から、上記の「ブレンド型の活用」および「完全自学自習で活用」が適切な配置であるといったお考えに基づいた運用だそうです。
学生のみならず教職員も利用可能であり、登録作業については担当の職員様がご対応されていらっしゃいます。
当日は、実際の登録者数やご活用状況についてもデータを用いながらお示しくださり、登録者数については「思った以上に多い。悪くない数字」といったコメントもされていました。
このように、「英語eラーニング教材」という大きな力を発揮しうるシステムを最大限活用するため、広島大学では教職員の皆さまが様々なサポートをしていらっしゃいます。
特に、その中でも「適材適所の配置」というお考えに基づいた実践を含む、大変興味深いご講演でした。
以上がご講演の概略となります。
天野先生のご講演の詳細や、弊社のeラーニング教材についてご関心をお持ちいただけましたら、academy@alc.co.jpまでご遠慮なくお問い合わせください。
(文・構成:文教営業部 中村優介)