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「TOEIC(R)600点4年次進級要件達成への教育支援体制」

横川 綾子 (東京海洋大学グローバル人材育成推進室 特任准教授)



第1コラム地球 画像

 文部科学省の「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援事業(タイプB:特色型)」に東京海洋大学(海洋科学部)の取組が採択されてから2年半が経過した。本学の3大教育改革の一つであるTOEIC®600点学部4年次進級要件化は平成26年度新入生から実施され、平成27年度新入生対象のTOEICクラスも今月無事にスタートした。本稿では進級要件全員達成へ向けた教育支援体制と現在の進捗状況を報告する。

1. 大学の全面的教育支援体制
 TOEIC®600点の進級要件化に伴い、学生が教室の内外で自律的に継続学習できる仕組みを整えた。まず1年次前期に必修科目「TOEIC入門」を週1回開講、入学時のクラス分けIPテストの結果を基にTOEIC指導に定評のある講師陣による習熟度別授業を行っている。また特定スコア未満の学生を対象にした夏期・春期集中講座や補講クラス(いずれも非単位)を開講し、年間を通じてTOEIC関連授業を提供している。さらに3年次進級時点で600点未達の学生対しては必修科目「TOEIC演習」を前期週1回(または集中)開講し、年度内の進級要件達成を目指す。
 授業外の支援体制としては、英語自習室グローバルコモンの開放、eラーニング(アルク社『ALC NetAcademy2』)による自律学習の奨励、英語学習アドバイザーによる個別カウンセリング、年9回の豊富なTOEIC®IPテスト受験機会の提供、学内のTOEIC関連ニュースを報じるTOEIC®Newsletterの発行、ホームページ(http://www.kaiyodaiglobal.com/)を通じた各種情報発信などがある。こうした全面的支援に学生もよく応え、成果が出始めている。

2.平成26年度の取組と成果
 平成26年度入学生の入学時TOEICスコアの平均は482点であったが、年度末の3月には586点まで上昇し、進級要件達成者は136人と1年生全体の約48%を占めた。未達成者150人のスコア帯別内訳は、595~500点が113人、495~400点が30人、395点以下が7人となっている。495点以下の37人に対しては補講クラス(非単位)を新規開講し、2年次の継続学習をサポートするともに、個々の学習状況とスコア推移を注視していく。

3.平成27年度の新しい試みと今後の展望
 進級要件適用2年目となる平成27年度の入学生を迎えるにあたり、従来の支援体制をさらに改良した。まず1年次前期必修科目「TOEIC入門」の履修要件を厳格化し、初回授業で学生に明示した。学期末までに履修要件を満たせなかった学生は、1年次後期に新設された「TOEIC入門(再履修クラス)」を履修することで継続的にスコアアップを目指す。これは昨年度、1年次後期に開講した補講クラスが非単位科目であったため、対象学生の出席率が芳しくなかったことを受けての対応策である。また「TOEIC入門」の学習内容にも変更を加えた。成績評価に含める指定課題のeラーニング教材を語彙系のプログラムに変える、初級クラスのテキストを2冊に増やすなど、1年次前期中に600点達成者を1人でも多く出すための教育プログラムを強化し、講師陣一丸となって日々指導にあたっている。
 先日実施した平成27年度新入生クラス分けIPテストでは、入学時TOEICスコアの平均は486点と昨年比4点アップ、600点達成者は50人と昨年から19人増えた。今年の新入生は、厚い中上位層が平均点を上方へ引き上げている点が指導者には嬉しい。平成28年度入試から外部英語資格試験のスコア提出が出願要件になることもあり、本学に入学する学生が秘めるグローバル人材としての資質に良い変化が生じるのではないかと期待する。同時に、学生の可能性をより開花させる教育を模索し、提供し続ける責任も感じている。

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