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アルクグローバル通信 (2017年9月)

<e-learning教育の現場から>

山梨大学におけるグローバル人材育成への取り組み
―英語学習アドバイザーの役割―

石川 綾美 様(山梨大学英語学習アドバイザー)


 山梨大学様では、2014年度よりグローバル人材を育成するプログラムを開始しました。その一環として国際交流センターでは、学生のニーズに応える様々な「学びの場」、「サポート」を提供しています。私たち英語学習・留学アドバイザーは、同年10月より常時2名勤務の体制で国際交流センターの活動に関わらせていただいております。

G-フィロス(グローバル共創学習室)

 国際交流センターが提供する「学びの場」として中心にあるものが「G-フィロス」です。「G-フィロス」は、各国の国旗やカラフルなポスターで装飾されており「学習室」より「ラウンジ」という言葉がふさわしいスペースでありながら、語学・留学に関する書籍や雑誌、英字新聞、洋画のDVDなどを自由に閲覧できたり、パソコンやCDプレーヤーを使って学習をすることができたりと自律学習を促す学習環境も整っています。
 「学びの場」としての空間を提供しているだけでなく、留学生と日本人学生が互いの言語や文化を学ぶ、諸外国語カフェや国際交流イベントなどの活動を充実させる役割も担っています。英語学習に関しては、英会話を楽しめるEnglish Caféを毎日昼休みに行い、夕方には国際学会の発表準備や留学前の英会話練習、各種英語試験の対策などができるEnglish Supportを行っています。

これらの活動は、英語を話す留学生SA (Student Assistant)と英語学習者との共創学習として行われており、そこで英語学習・留学アドバイザーはファシリテートとサポートを行っています。具体的には、積極的に会話に入れない学生の発言を引き出したり、会話のトピックを提供したり、会話に加わり英語のアドバイスをすることなどをしています。「英語を話してみたいけれど勇気がでない」という学生の背中を押し、「もっと話してみたい」という気持ちにさせる雰囲気づくりを大切にしています。緊張した面持ちで初参加した学生の多くは、「G-フィロス」での活動を通して交友関係を広げ、互いに刺激し合いながら英語学習を続けています。また、外国語や異文化にさらに興味を持つようになり、留学を目指す学生も少なくありません。

英語学習・留学アドバイザーによる「個別相談」、「連続講座・単発セミナー」

「個別相談」
 1回30分の枠で、英語学習や留学に関する目標設定や学習計画、動機付け、学習の継続のために必要なことなど、一人ひとりに合ったアドバイスを提供しています。

 私たちはESAC®認定英語学習アドバイザー(※)プロフェッショナルの資格を有しており、また定期的な研修を通してアドバイジングのスキルアップを志しています。そんな私たちの強みは、英語学習に関する豊富な専門的知識はもちろんのこと、学習面・環境面・精神面の3つの側面から学習者に向き合うことです。

 学生の相談内容は、TOEIC®テストやTOEFL®テスト、IELTSなどの各種試験対策から、スピーキングやライティングといった特定の英語スキルの向上について、留学に向けてなど多岐に渡ります。学習者と信頼関係を築き、目標に向けての継続的な自律学習を促す、学習の伴走者としてサポートをしています。最初は英語力に自信を持てずに何から手をつけてよいのかわからないと言っていた学生から、「TOEIC®テストのスコアが上がった!」「英語学習が生活の一部になってきた!」などの嬉しい声を聞くことも多くあります。好評を得ており、予約制で受け付けていますが、2、3週間先まであっという間に予約が埋まってしまいます。

「連続講座・単発セミナー」
 私たちアドバイザーは、英語講師や学校教育における教員のバックグラウンドを持っています。「個別相談」利用者や「G-フィロス」の活動に参加する学生をプロの目で観察し、彼らにとって最適なカリキュラムを提案しています。

 学期中には、「連続講座」としてTOEIC講座やスピーキング講座、また本科授業と連携した英文法を復習する課外講座などを行っており、これらは希望者対象の講座で、毎回それぞれ20〜30名程度の受講申し込みがあります。夏季・春季休暇中にも集中講座、また教職員様対象の講座を行っています。TOEIC講座を受講する学生の多くは、「個別相談」で自分に合ったアドバイスを受けながら学習に取り組み、またスピーキング講座を受講する学生は、「G-フィロス」での活動に参加しアウトプットの機会を増やすなど、「学びの場」と「サポート」の融合を効果的に利用する様子が見られます。

 また、英語学習や留学に関する「単発セミナー」も定期的に行っています。「会話で使えるとっさの一言」や「発音ワークショップ」、「留学はじめの一歩」など、テーマを絞ったセミナーで、学生だけでなく、教職員様にもご参加いただいています。80名もの申し込みがある回もあり、こちらも好評をいただいています。参加学生からは、「早速留学生と英会話をしてみたくなった!」、「わかりやすい英語の発音で国際学会の発表ができるように練習を続けたい!」、「留学を実現したいと思うようになった!」などの感想が寄せられ、セミナーが学習に対するモチベーションアップにつながっていることを大変嬉しく思っています。そして、これらのセミナーもまた、国際交流センターが提供する活動の周知や参加学生の増加につながっています。

連携から生まれる「学習の場」と「サポート」

 「G-フィロス」を中心に、アドバイザーによる「個別相談」や「連続講座・単発セミナー」など、それぞれの「学習の場」が「サポート」の機能を持ち合わせていることは、学生たちの自律学習への取り掛かりや継続に大きく寄与しています。

 これらの活動の計画・実施は、国際交流センター指導教員の先生方と学内の様々な部門との連携から生まれています。学生のニーズをリアルタイムで把握し、大学様とアルク事務局、アドバイザーとで、綿密な打ち合わせを重ね、計画・実行へとつながっていきます。ここに英語学習・留学アドバイザーとして関わらせていただいている私たちは、使命感を強く感じています。

 年々、山梨大学国際交流センターの活動は注目されるようになり、「学びの場」、「サポート」を利用する学生が増えてきています。今後の課題としては、さらに多くの学生が大学生活のなかで異文化交流を身近なものと感じ、語学や国際感覚などグローバル人としての資質を備えられるよう、さらなる活動の充実や周知の拡大に力を入れていくことが重要であると考えています。英語学習・留学アドバイザーの役割として、プロフェッショナルなスキルをさらに磨き、業務に活かしていきたい、そして大学様との連携、ご担当の教職員様のご指導のもと、山梨大学様におけるグローバル人材育成プログラムのさらなるご発展のお役に立ちたいと考えています。

(※)ESAC: English Study Advisors' Certificateの略。詳細はこちら→



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