グローバル人材育成の総合ソリューションパートナー 株式会社アルクエデュケーション
TOP >> 学校法人TOP >> アルクグローバル通信 (2017年10月)
                        

アルクグローバル通信 (2017年10月)

<e-learning教育の現場から>

愛知淑徳大学の英語教育におけるe-learningの活用事例

樗木 勇作 先生(愛知淑徳大学 国際交流センター)

e-learning教育の現場から

愛知淑徳大学の英語教育におけるe-learningの活用事例

樗木 勇作 先生(愛知淑徳大学 国際交流センター)

 愛知淑徳大学では、主に全学向けの英語教育でALC NetAcademy、ALC NetAcademy2を10年以上にわたり利用してきた。この度、ALC NetAcademy NEXTのリリースに伴い、2016年度から総合英語トレーニング(初級・中級・上級)、PowerWords Hybridコースを導入した。そして、2017年度からは、TOEFL ITP(R) テスト攻略コースを追加した。

学内整備の変化

 ALC NetAcademy、ALC NetAcademy2は主に学内のイントラネットでの使用を前提としていた。 SSL-VPN(※)による学外アクセスにも対応していたが、SSL-VPNのソフトウェアアップデート頻度がクライアント側のOSアップデートのスピードに追いつかず、安定して利用できていた時期は少なく、かつ、クライアント側のセキュリティレベルを下げねばならないというリスクもあって、学外アクセスは実質的に、一部の学生に限定されていた。 2016年度からは、学内の語学用パソコンを自習室のみとして、学生個人のスマートフォン(以降、「スマホ」)やタブレットを Wi-Fiの元、教室で使用する方法へ変更した。念のため、貸出用のiPadも用意した。

ALC NetAcademy NEXTの良さ

1年半使ってみて感じたALC NetAcademy NEXTの良さを挙げると以下の3点になる。

 1) スマホでのアクセスが増えた
 2) 授業外での利用が増えた
 3) 1ユニットあたりの学習時間が増えた

 1)に関しては、本学の場合、ノートパソコンやタブレットを持ち歩く学生数は非常に少ない。本学学生の日常生活の情報源となるデバイスを使って、まずは授業で自分のスマホでアクセスすることが習慣化できた。これにより、通学時間中などの「スキマ時間」の利用が増えた。2017年度前期に私が担当したクラスの場合、15週間のうち、ほぼ隔週90分で行われる合計8回1単位の授業であったが、総合英語トレーニング 中級コースの平均累計学習時間は6時間33分51秒であった。 PowerWords Hybridコースも課題としたが、平均累計学習時間は14時間40分26秒であった。つまり、スマホをメインのデバイスとしたことで、合計の平均累計学習時間は21時間を超えた。
 2)に関しては、アクセス状況をざっとみてみると、70%近くが、授業外に利用している。ほとんどの学生が、帰宅後の夜だけではなく、朝7-8時台の通学時間にも活用していることが確認できた。語学は、理解して、定着させる時間が必要なため、どうしても反復練習が必要である。PowerWords Hybridコースだけではなく、リスニングの場合にも、繰り返して取り組んでいることが確認できた。
 3)は、賛否両論があるため、一概に良いとはいえないかもしれない。ただし、ALC NetAcademy2のときのように、ただひたすら秒速で画面をクリックして先へと進み、いわゆる「消化試合」をして、ユニットを「やりました」と言わせないためには、ALC NetAcademy NEXTは学生にとって、真面目に取り組まざるをえない教材となっている。

今後の期待

 スマホやタブレット端末での利点を主に述べたが、スピーキングなどのALC NetAcademy NEXTの他の機能をフルに使えないデメリットもある。さらなる利用頻度アップのためにも、今後の技術の進歩に期待したい。

(※)SSL-VPN: Secure Sockets Layer virtual private network
暗号通信にSSL(セキュアソケットレイヤー)を使い、VPN(実質的な専用線網)を構築する技術。盗み見の危険性が高いインターネットでの通信に利用する。



戻 る
ページトップへ
ページトップへ