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アルクグローバル通信 (2018年1月)

グローバル教育の現場から

グローバル技術者養成:テクニカルコミュニケーション(TC)
科目群の導入・受講促進活動とその成果

山口大学 大学院創成科学研究科 工学基礎分野(英語教育)植村 隆先生

1.グローバル技術者養成プログラムと「テクニカルコミュニケーション(TC)」科目群:

山口大学工学部は、2012年9月に文部科学省「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」事業に採択され「グローバル技術者養成プログラム」を発足しました。本プログラムでは工学部卒業時の語学力目標をTOEIC®650と定め、英語があまり得意ではない本学工学部生の実情を鑑み、TOEIC®450以上の1年生を特別強化学生と認定し、後述の実践的語学習得科目群「テクニカルコミュニケーション(TC)」受講権利を付与する本学工学部なりの語学エリート教育を開始しました。

①工学部2年次には将来のグローバル技術者のために製造業を意識したビジネス英語をコンテンツにした「TCB」(通年)
②3年次前期には研究職を目指す工学部生のためにもアカデミックライティング力向上を目指す「TCI」と後期には「TCII」
③3年次後期には同時に、工学系トピックのディスカッション・プレゼンテーション機会を提供する「上級TC」

を実践してきました。

2.受講促進のための草の根PR活動:

TC科目群は完全選択科目開講で不安含みの多いスタートでした。そこで教職員による以下のPR活動に本格着手しました。

①全学科1年次前期必修の「基礎セミナー」を春に訪問しグローバル技術者養成プログラムを全面的にPR
②TOEIC®450突破の工学部1年生とその保護者様に特別強化学生認定書を郵送し、年2回「認定式」に招待(学生のみ)する事で選抜された特別意識を刺激
③学生の注目を集める学食内にステージ設営し、TC科目群受講経験者と協働でグローバル化と語学に関するパネルディスカッションを実施
④TOEIC®650以上を取得し海外研修参加で単位取得等をした工学部3年生に工学部長が認定表彰を行うGlobal Engineering Certificate制度を立案・発足

など、学生へのPRを積極的に行いました。

3.CLILの活用:受講継続のための動機付け:

過去の本学工学部生の語学学習性向に学べば、一度英語学習を止めると、ほぼ二度と語学自己研鑽の道には戻って来ません。状況打開には2年生の内に英語学習に対するマインドセットを一新する必要があり、座学ではない、より実践的な英語習得の機会(コミュニケーションやロールプレイ等アウトプット中心でアクティブラーニング要素の強い授業)を提供し、かつ卒業後の将来像を喚起する様なコンテンツを導入する事が英語学習動機付けの一手段になり得ると信じ取り組んできました。そこでCLIL(クリル:教科科目もしくはトピックと語学の同時習得を目指す最新教育手法)を授業で活用しています。技術者に有益なビジネストピックと英語を同時習得し、ビジネス英語が頻出のTOEIC®学習効果にも繋げる狙いがあります。3年次以降のTC科目でも工学系トピックを使った英語ディスカッション・プレゼンテーションでCLIL活用の場を広げています。2年次英語教育の満足度が3・4年次でのTC上位科目群受講の意思決定に大きく関わるので学生の将来に有益なコンテンツとポジティブな情動を育むアクティビティ導入が問われた5年間でした。

4.成果と展望:

5年間の本事業取組により、TC科目群第1期受講者数はTCB(28名)、他3科目(各4名)だった状況が、第3期受講者数はTCB(93名)、TCI(37名)、TCII(31名)、TCA(19名)まで増加しました。また、TOEIC®650を達成し卒業した4年生も事業1年目の8名から毎年純増し、事業5年目には35名を輩出しました。この成果により、全工学部2年生以上への新英語教育機会の提供と7学科中2学科が英語必修化を決定しました。



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