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アルクグローバル通信 (2018年2月)

e-learning教育の現場から

福井工業大学における
ALC NetAcademy NEXTを活用した一授業実践

福井工業大学 基盤教育機構 講師 小山 政史先生

 福井工業大学では、平成25年度より英語コミュニケーション能力を強化する英語教育プログラムとしてSpecial Program for English Communication (SPEC) を開始した。SPECは英語を「話すチカラ」と「聴くチカラ」を徹底的に鍛えることを目標としており、E-learning も重要な役割を果たしてきた。ALC NetAcademy NEXT(以下ANAN)は平成29年度より導入したが、具体的な成果は目に見える形ではまだ出ていない。そこで、本稿では平成30年度から筆者が本学において取り組むANANを用いた授業実践計画を紹介する。

 本学は、工業大学という特性もあってか、英語が「苦手」であり「できればやりたくない」とする学生が多い。言い換えれば、E-learning教材がいかに優れていようとも「自発的に」それに取り組むだけのモチベーションを備えている学生は残念ながら稀であると言わざるをえない。そこで本取り組みでは、スマートフォン等を活用して教室内外で学習ができるANANを「主教材」として予習・授業・復習に最大限活用する。

本取り組みの対象者・使用コースについて以下に簡単にまとめる。

  • 対象者:平成30年度2年生のうち特にリメディアルを必要とする学生約150名(約30名×5クラス)
  • 使用コース:総合英語トレーニング初級コース リスニング&スピーキングサブコースのうち、リスニングのみを使用

次に予習・授業・復習に関する流れを以下に簡単にまとめる。

  • 予習:あらかじめ配布された「ルビ付き英語本文」を使用しながら、指定されたUnitを授業日前日までに学習し、ステータスを「修了」の状態にする。
  • 授業:予習したUnitの英文の解説、および重要事項の確認を教員が行う。また最後に内容に応じたタスクを課し、指定期限までにWeb提出させる。
  • 復習:復習テストの合格に向け、指定されたE-learningの範囲の学習を繰り返す。

 予習の段階では指定されたUnitの英文が書かれたハンドアウトをあらかじめ配布する。そこには「カタカナ」のルビが振られている。本学において英語を苦手とする学生の多くが「語句」と「音」がつながっていないため、英文を見ながら音声を聞いていても、「今どこを進んでいるか分からない」という状況に陥っている姿が散見されるからである。予習の段階で各ユニットのStep4※1においてゆっくりの文章を聞く(本取り組みでは「音読させる」)が、それでもつながらない学生が多く、Step5※2に至っては普通のスピードについて行くこともままならない。そのため学習に取り組む前に「ハンドアウトで一度発音をしてみてから問題に取り組む」よう促す。 授業では「語句の解説」および「大意把握」を行い、最後にタスクを課す。このタスクはUnitの内容に合わせて変化する。たとえばアメリカと日本の文化を紹介し合う会話が題材のUnit001であれば「日本文化の紹介」、天気予報の英語を聞くUnit010では「ある地方の天気予報」などを書かせ、発信力を高めることを目的とする。

 復習は翌週に行われる「復習テスト」の対策をもってそれに充てる。出題は「語句」と「ディクテ―ション」が中心である。各UnitのStep4およびStep5においては英文を画面に表示しない方法もとれるため、ディクテーションの練習を何度も繰り返し行うことができる。また、Step3※3の語彙問題はランダムに問題が出されるため、繰り返し勉強するにはうってつけである。
繰り返しになるが、本取り組みはANANを主教材として、教室の内外を問わず常に学習できることを最大限に利用するという取り組みである。学生の英語力向上に少しでも寄与できるよう全力で取り組む所存である。

※1 スラッシュ・リスニング:スラッシュで区切った英文の音声を聞くことができるステップです。スラッシュの部分にポーズがあり、全体的にゆっくりなので、聞き取りやすい音声となっています。
※2 スピード・リスニング:1.0倍、1.2倍、1.4倍の音声を繰り返し聞くことにより、リスニング力のトレーニングを行うステップです。
※3 ドリル形式で、語彙力を高めるステップです。



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