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アルクグローバル通信 (2018年4月)

グローバル教育の現場から

東京海洋大学における英語学習アドバイザーの導入について

東京海洋大学学務部国際・教学支援課課長補佐 永井雅人

グローバル教育の現場から

東京海洋大学における英語学習アドバイザーの導入について

東京海洋大学学務部国際・教学支援課課長補佐
永井雅人

1 英語学習アドバイザー導入の背景―TOEIC(R) L&Rテストスコアの進級要件化―

 東京海洋大学は、平成24年度に文部科学省の補助事業である「グローバル人材育成推進事業」に採択されたことを契機とし、グローバル人材育成推進室を設置するとともに、品川キャンパスの海洋科学部において、平成26年度入学者から、TOEIC L&Rスコア600点を3年次から4年次への進級要件に課しました。(平成29年度から、海洋科学部は海洋生命科学部・海洋資源環境学部の2学部に改組されましたが、この要件は引き継がれています。)
 英語学習アドバイザーは、進級要件適用の前年である平成25年度から導入され、新たに整備された英語学習スペース「グローバルコモン」に常駐し、学生の英語学習に関するカウンセリングを行うことで、TOEIC L&Rスコア600点獲得を支援することを主な任務としています。

2 取組みの推移―学生のTOEIC学習サポート―

 英語学習アドバイザーによるカウンセリングは、原則事前予約制で1回30分程度実施し、学生はTOEICにとどまらず、TOEFL、IELTSといった他の英語資格をはじめ、英語学習に関する様々なアドバイスを受けることができます。
 アドバイザーを導入した初年度は、TOEIC学習の支援体制を整備する段階で、様々な取組みを手探りで進めていった感があります。その中には、昼休みの時間帯を活用して英会話のミニセミナーを開講したり、夏休み期間を利用して、「TOEIC学習ブートキャンプ」と称して、グローバルコモンで学生が自主的・集中的に学習する企画を実施したりするなど、アドバイザーが主体的に企画・立案・実施に携わったイベントもあります。これらの取組みは、英語学習アドバイザーの学内での認知度を高めると同時に、学生へのカウンセリングにとどまらない、グローバルコモン全体のアクティビティを高める役割も果たしています。平成26年度には進級要件が課せられる学生が入学し、TOEIC対策の授業科目が開設され、TOEIC教育を統括する専任教員と非常勤講師による様々なTOEIC学習プログラムが開講されました。英語学習アドバイザーは、スコアが伸び悩む学生の相談窓口の一つとして、同プログラムを補完する役割も担うことになりました。

3 取組みの成果―TOEIC L&Rスコアの進級要件達成状況―

 平成26年度入学者が4年次への進級を迎えた平成28年度において、約98%の学生がTOEICスコア600点の進級要件を達成しました。平成29年度の達成率も約97%と引き続き高い数値を示しています。これは、学生自身の努力によることはいうまでもありませんが、TOEIC担当教員、英語学習アドバイザー、さらにはグローバルコモンに勤務する専任スタッフが一丸となって、精力的にTOEIC学習をサポートしたことも大きな要因であったと考えています。

4 今後の展望―大学のグローバル化をサポート―

 本学の英語学習アドバイザーは、学生だけでなく、教職員の英語学習カウンセリングも受け付けています。これは、特に英語での業務対応が求められる事務職員に対し、有用なアドバイスを受けられる仕組みとして機能しています。SD活動の一つとしても位置付けられるこの取組みは、導入当初には想定していないものでしたが、現在、英語学習アドバイザーには、学生の教育支援だけでなく、大学全体のグローバル化に向けた取組みを間接的に支援する役割も期待されています。



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