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活用事例 (2018年6月)

e-learning活用事例

愛知教育大学ALC NetAcademy NEXTを活用した英語学習文化の構築に向けた取り組み

田口達也先生

 愛知教育大学では、文部科学省特別経費等の交付を受け、2010年度から「小学校英語を前提とした小・中・高での英語関連科目の連携を進める英語教員養成カリキュラムの開発と授業実践力を高めるための教育改革」と、2014年度から「グローバル人材育成を主軸とした教員養成等プログラムの開発―海外教育実習、体験型教育及び、英語コミュニケーション能力と指導力育成カリキュラムの構築―」という二つのプロジェクトを実施した。本学ではTOEIC®L&R TESTを2005年から実施しているが、ALCのe-learningの導入・活用についてはこれらのプロジェクトに端を発している(一連の成果については、下記サイトを参照)。2011年から2016年まではNetAcademy 2(NA2)を、2016年10月からはその後継であるNetAcademy NEXT(NA NEXT)を導入し、「総合英語トレーニング 初級コース」が現在利用可能である。本学は教員養成系大学であるため、英語関連の専攻はあるものの、学生の大部分は美術や体育などの実技系や、理科、社会科など英語と必ずしも直結しない専攻の学生である。この点で、本学学生の英語学習への態度や意欲は、日本の多くの非外国語系学部と同様に考えて良いだろう。

授業の副教材として

 本学におけるNA NEXTの活用方法は3通りある。1つ目は授業での活用である。筆者はNA2の導入以来、教養英語の授業において頻繁に使用してきた。授業では、英語の学習時間を増やすことと学習方法を学ぶことを目指し、副教材としてe-learningを用いている。主教材の予・復習等に加え、数週間ごとにe-learningの中から指定ユニットを授業外で自習させ、その内容に基づいた小テスト等を授業時に実施している。特に、e-learningを副教材として使用する際、学習内容の確認は必須である。確認をしなければ、e-learningは単にマウスをクリックするだけの作業になりかねないからである。また、学期始めの授業では、NA NEXTのスピーキングの仕方を含む操作方法の説明と、さらにはシャドーウィングや速読等の学習方法の指導も行い、学習方法に幅を持たせるようにもしている。

補習の補習として

 授業での活用に加え、2つ目として、TOEICと連動させたNA NEXTの活用は、愛知教育大学の特徴であろう。本学では、例年1年前期と2年後期にTOEICを実施してきた(2018年度からはカリキュラム改変のため1年前期と2年前期に実施)。2012年度入学者から、大学レベルの英語教育のために必要最低限と考えられるTOEIC350点以上の取得を単位要件化し、その基準に届かない学生に対する補習用教材として、NA NEXTを用いている。具体的には、350点未満の学生は2週間ほどの補習期間中に指定ユニットの学習を各自で行い、期間後に行う補習テストの合格が単位取得の必須条件となる。毎年100名から150名前後の補習対象者がいるため、教員による対面式授業で対応するには大変な労力を要する。その点、NA NEXTによる自学自習形式の補習は効率が良い。これまでNA NEXTを用いた補習を3回行ったが、学生からの反応は良好である。例えば、6割強の学生が、NA NEXTでの学習は紙媒体の教材を用いた学習と比べて取り組みやすいと答え、さらに、7、8割の学生が学習効果ありと回答した。また、このe-learningを用いた補習システムは本学のTOEICスコア上昇にも非常に効果があった。システム導入以前の本学のTOEICスコアは400点前後と全国の大学1年生の平均を下回っていたが、導入後は450点前後となり、全国の大学1年生だけでなく大学生全体の平均を上回った(国際ビジネスコミュニケーション協会, 2013)。さらに、2017年度には本学の平均点は470点ほどにまで達している。

事務職員研修の一環として

 3つ目として、学生だけでなく事務職員も対象とした利用がある。職員に対しては、職員研修の一環として希望者を募り学習を奨励している。職員からも、NA NEXTの使用について肯定的な意見が多く寄せられ、8割弱の参加者がNA NEXTによる学習は有意義であったと実施後のアンケートに回答している。

 以上、愛知教育大学におけるNA NEXTを活用した取り組みについて述べてきた。大学生としての学力の質保証、グローバル化、そして2020年度から実施される小学校における英語の教科化のため、学生の英語力を高めることが本学の使命として今後より一層重要となる。その一方、カリキュラム改革により、本学の英語授業時数が削減されつつある現状において、学生の英語力を授業だけで高めることは至難の業である。そのため、授業内外の学習環境の整備のみならず、事務職員も巻き込んで、大学全体で英語学習を行おうとする雰囲気、言わば「英語学習文化」を作ることが必要である。この文化の中では、各々が英語力向上を目指して学習に取り組み、互いに切磋琢磨するため、継続的に行う力、あるいは「やり抜く力」(Duckworth, 2016)が醸成され、大学全体の英語力向上が期待できる。こうした英語学習文化の構築に向けて、NetAcademy NEXTが今後も大きな役割を担うであろう。(たぐち たつや)


【本学の英語プロジェクトサイト】
http://www.aue-english.aichi-edu.ac.jp/index2010.html
http://www.aue-english.aichi-edu.ac.jp/

【参考文献】
Duckworth, A. L. (2016). Grit: The power of passion and perseverance. New York,
NY: Scribner.(神崎朗子訳(2016)『やり抜く力:人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』東京:ダイヤモンド社)
国際ビジネスコミュニケーション協会(2013)『TOEICプログラムData and analysis 2012』東京:国際ビジネスコミュニケーション協会.




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