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活用事例 (2018年8月)

e-learning活用事例

県立広島大学アクティブ・ラーニングとeラーニングの融合を目指して

【利用目的】基礎力強化/学習時間増加/テスト対策

馬本勉先生

 県立広島大学は、平成17年度に広島県立3大学が統合して生まれた。人間文化・経営情報・生命環境・保健福祉の4学部の学生、助産学専攻科生、さらに総合学術研究科と経営管理研究科の大学院生が広島・庄原・三原の3キャンパスで学んでいる。大正9年に広島高等女学校に設置された専攻科を前身とする県立広島大学は、2020年に100周年を迎える。
 開学2年目の平成18年度にCALL教室が整備され、英語教育の転機を迎えた。3キャンパス共通システムのもと、eラーニング教材として「NetAcademy2」を導入。全学生にアカウントを発行し、授業や自学自習での活用を始めた。平成29年度の夏休みに行われた2度目の更新により、CALL教室は従来の固定席から可動式の「アクティブ・ラーニング教室」へと変わった。端末はタブレットにもなるノート型、主要教材として「NetAcademy NEXT(以下、NA NEXTと略称)」を導入した。主な目的は「基礎力強化」と「学習時間増加」、そしてTOEICの「テスト対策」である。

取り組む課題と学習時間を提示してNA NEXT利用促進

 新しいCALL教室で展開されるのは、アクティブ・ラーニングとeラーニングの融合。全学共通教育課程の英語の目標は、「異文化への関心と理解を深め、国際化にともないますます重要視される外国語能力の基礎を育成する」ことだ。1、2年次に設定された必修科目では、英語力の客観的な自己評価を行うため、TOEIC-IP の受験を全員に求める(平成30年度)。このことも、NA NEXTの積極利用に結びついている。
 具体的には、年度の初めにポータルサイトを利用し、1、2年の学生約1,200名に対し、「全学共通教育TOEICスコアアップ対策:NetAcademy NEXTの活用について」と題した文書を配布。各自の目標得点に応じて重点的に取り組む課題を自学自習時間とともに示した。例えば450点を目指す学生は、「500点突破コース」のStage 1と2で計9.5時間、600点を目指すなら「600点突破コース」のStage 2と3を計16.5時間取り組んでみよう、というものである(末尾の表を参照)。同文書では、NA NEXT初心者用にアクセス方法を丁寧に説明し、スマホでの学習促進にQRコードも掲載した。
 NA NEXTはTOEIC対策用に開講された授業「検定英語」のサブ教材として用い、課外で自由に参加できるTOEICスコアアップ講座でも利用する。私の勤める庄原キャンパスでは、今年度、「検定英語」の履修者が例年の倍以上に増え、夕方の課外講座にもコンスタントに学生が集まってくる。黙々とeラーニングに向き合う真剣な表情には、対話的な授業で見せる笑顔とは一味違った輝きがある。全員受験となる今年の1、2年生の成果検証はこれからだが、eラーニング学習量がTOEICスコアに好影響を与えることは、これまでの経験上確かである。NetAcademyで飛躍的にスコアを伸ばした先輩の例を引きながら、学生を励ましている。
 県立広島大学は、平成26年度に文部科学省による大学教育再生加速プログラム(Acceleration Program for University Education Rebuilding : AP)に選定され、全学的にアクティブ・ラーニングの促進に努めている。英語の授業はもともとアクティブな要素が多いが、CALL教室が可動式の教室に生まれ変わったことで、授業での対話が大幅に増え、協働的な学びに拍車をかけている。もっとも、グループワークをしておればコミュニケーション能力が育つというわけではなく、その前提としての基礎的な学習は不可欠である。授業外課題としてNA NEXTの果たす役割は大きい。

いかに動機づけるか

 今、私たちが直面している課題は、いかに動機づけるかである。進学や就職へ向けての得点アップ(「道具的動機づけ」)も有効であるが、異文化・異言語への憧れ(「統合的動機づけ」)にも気を配りたい。上で紹介した「NetAcademy NEXTの活用について」の文書中、【心がけておきたいこと】で次のように述べた。eラーニングには忍耐が必要だが、それ以前の学ぶ楽しみを各々が見つけてほしいと願っている。

 英語の力を身に付けるには、ある程度の長い時間、学び続けることが大切です。eラーニングは「いつでもできる」と思っていると、結局、「いつまでもやらない」状態が続いてしまいます。毎日短時間でも時間を確保し、着実に進めていきましょう。
 (ちょっと息抜き...) 授業やeラーニングだけが英語を学ぶ場ではありません。本学には様々な環境が用意されています。たとえば図書館。各キャンパスの図書館には、易しい英語で書かれた読み物(Graded Readers)や映画のDVDなど、楽しみながら学べる教材がそろっています。空き時間にぜひ手に取ってみましょう。

 英語学習を成功に導く鍵は、「おもしろい」「やってみよう」「つづけよう」と思わせること。これを私は「お・や・つ」の力と呼ぶ。アクティブ・ラーニングとeラーニングの融合が「お・や・つ」につながることを信じ、その実践に努めていきたい。(うまもと つとむ)






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