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活用事例 (2019年7月)

活用事例

東洋大学大学院留学生教育支援のための日本語サポートサービスについて

東洋大学 教務部大学院教務課 酒井 幹也 様

 東洋大学大学院では、2018年度より留学生を支援する取組として「日本語サポートサービス」を実施しています。日本語サポートサービスとは、論文、レポート、発表用の原稿など、留学生が書いた日本語の文章について、日本語講師がマンツーマンで添削指導を行う正課外教育です。日本語講師はあらかじめ決められた時間にキャンパスに常駐しており、留学生が事前にメールで日時を予約したうえで指導を受けるスタイルをとっています。

導入の目的・背景

 東洋大学大学院には、全キャンパスで800人程度の学生がいますが、そのうち25%超を留学生が占めています。もちろん、英語で研究活動をする留学生もいるのですが、大半は日本語を使っています。そういった留学生の場合、話し言葉はうまく扱えても、書き言葉、しかも論文となると、不確かな日本語となってしまう傾向がありました。
 また、指導教員からは、日本語添削に時間をとられてしまい、肝心の論文の内容についての指導が十分に行えなくなるといった声が寄せられていました。
 本学では、教職員や大学院生向けに英語の個別指導を行うEnglish Support Service を行っていたため、留学生に対しては、その日本語版にニーズがあるのではないかと考え、アルクさんにご相談したところ、日本語講師の派遣という形で協力いただける運びとなり、この取組を開始することとなりました。

取組の実態・効果

 2018年度は年間合計400時間程度サービスを実施しましたが、予約が入り、実際に利用された時間は70%程度でした。その内容を見てみると、修士論文と博士論文に関する指導がほとんどで、論文提出の締切直前に利用希望が集中する結果となりました。
 多くの学生に繰り返し何度も利用する傾向があり、平均の利用回数は1人当たり年間で6回に上りました。論文の場合は分量も多く、1回でそのすべてをチェックするのは難しいため、何回かに分けて継続的に通い、論文全体の日本語表現を徐々にブラッシュアップしていくという学生が多いようです。
 従来、各研究分野の指導教員の行っていた日本語添削について、日本語指導能力に長けた講師による、より適格な指導が実現しました。その分、指導教員は論文の内容面の指導に注力できるようになりました。まだ効果測定はできていませんが、高い教育効果が期待されます。

今後の展開

 費用対効果の面を鑑みると、利用実績を100%に近づけていきたいところですが、留学生視点にたつと、いつでも必要なときにサポートが受けられるという環境が大事だと思いますので、常に予約が埋まっているという状況を可能な限り避けられるよう、実施日程等のバランスを考えながら、今後も実施していく予定です。



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