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アルクグローバル通信 (2016年11月)

<グローバル人材育成の現場から>

千葉大学工学部における英語学修教育の取り組み

千葉大学 工学部 グロ-バル人材育成推進事業担当 松本 典子 様


千葉大学では、2012年に文部科学省の「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援事業」に採択されました。全学プログラムでは留学の促進、日本文化や異文化理解科目としての「国際日本学」、英語ラウンジ「イングリッシュハウス」の設置など幅広く行っています。
更に、最大学部の工学部では、「工学の専門分野に関する技術的な内容について、英語でコミュニケーションを取ることができる人材」の育成を目指し、独自に以下の取組みを実施しています。


①ALC NetAcademy2を利用した学習の促進
②英語学習アドバイザー(常駐)による個別カウンセリングやガイダンス、講座の実施
③院試・就職に向けたTOEIC®テスト・工業英検の受験料支援

工学部では、学生の約70%が大学院に進学します。院試では、TOEIC®スコアの提出を義務付けていますし、研究室に入れば、論文の読み、書き、専門英語(理系英語)が必要です。
しかしながら、10学科から成る工学部では、学科におけるカリキュラムの違い、専門科目教育との時間のバランスなどにより、学科によって、英語学修(e-ラーニング学習)の取組み方が異なります。大きく分けると、eラーニング学習を、①単位として認定 ②授業科目と関連付け ③学習を推奨 となります。システムの導入当時は、時間や場所を選ばず、学習が可能なeラーニングは、アカウントを配布すれば各自が学習を進めていけると思いましたが、実際、③のケースでは、なかなか学修が進まず、①や②の様に課題を課し、学習履歴を管理する必要がありました。結果として、しっかりと取組みを行っている学科は、院試のスコアなどに学習結果が反映されています。

英語学習アドバイザーのカウンセリングは、最初の1-2年は、英語学修意欲の高い、一部のリピーター学生が大半を占め、対象となる、学部生約3,000名、工学系院生1,300名のほんの一部でした。その為、前期・後期のガイダンス廻りや、授業での告知などを繰り返し、「英語学習アドバイザー=教員とは違う、英語のことを何でも相談できる人」という認識を学生にもって貰うことを繰り返し行いました。4年目に入った現在、月平均80件ほどの予約が入り、空きを待っている状況です。相談内容は、TOEIC®テスト対策から、スピーキング、学会発表対策に加え、目標設定・モチベーション維持など、アドバイザーに英語学修の伴走者的役割を求める部分も増えてきました。

一方、カウンセリングは敷居が高いと感じる学生もいるようで、TOEIC®や、スピーキング・リスニングなどの講座を授業期間内、長期休暇中などに開催し、様々な学修のキッカケ作りを行っています。

また、工業英語能力検定(工業英検)の受験を推奨し、年2-3回受験料を補助しています。将来、英語で論文を書く学生にとって、自分の表現したいことを正しく相手に伝えることが出来る理系英語の習得は大変重要です。以前は学部生で3級、大学院生で2級の合格を目指していましたが、2014年に準2級が設定されてからは、学部生は準2級合格を目指しています。

工学部における英語学修の仕組みは最終年度を迎えた今、やっと浸透し、固まってきたように感じます。この取組みが今後も継続され、学生の学修意欲の向上に貢献していけるよう進めていきたいと思います。



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