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アルク総研ニュース(2020年6月)

今月の大学の英語授業紹介

東海大学専門的内容の英語情報を読み、かつ話すための授業の仕掛け


教師も学生も英語のみを使い「英語で」国際問題を学ぶ。専門性の高い英文の情報を視覚化しつつ理解を深め、その話題で自分の考えを表現する活動までこなす授業には、さまざまな仕掛けが施されていた。
(写真)長沼君主先生

■授業の概要■

【学部】教養学部・国際学科
【科目】英語で学ぶ国際問題
【対象】2年生を対象とした必修科目
【レベル】5レベルのうち上から2番目のクラス(男性7名、女性18名)。
【担当】長沼君主先生(国際教育センター 英語教育部門 教授)。
・取材は2020年1月

情報を図示して整理し、全体のメッセージをつかむ

 英語を学ぶのではなく、専門的な内容を「英語で」学ぶ授業である。米国の雑誌『National Geographic』の記事を活用した教科書『Pathways 3: Reading, Writing, and Critical Thinking』には、見栄えのする写真やイラストと共に、自然、科学、地理、歴史、文化などのテーマでさまざまなトピックが掲載されている。

 「ある程度まとまった長さの英文を読み、内容を理解した上で、英語で自分の意見を述べ、英文にまとめられるようにするための授業です。国際学科の学生を対象としていることもあり、今学期はグローバリゼーションとダイバーシティというテーマに沿って授業を展開しています。扱う内容はいずれもかなり専門的ですが、それぞれの分野に特徴的な語彙や表現を概念と共に理解することで、より深いレベルの自己表現を行えるようになるのです」(長沼先生)

 1つの記事を基に、約10回にわたって授業が行われる。それだけ長い時間をかけるのは、記事の内容について深く考える授業でもあるからだ。「教科書で扱うユニットを自由に選択して絞れる、大学ならではの授業」と長沼先生は言う。

 新しいテーマを扱う際、行っている工夫がある。いきなり教科書の長文を読ませることはせず、その記事のテーマに関連した短めのテキストつき動画や、ウェブ資料などに触れさせることだ。「学生に問題意識が芽生えた状態で教科書に向かわせたいんです。教科書の内容を、ただ訳してもしょうがない。目的や意識を持って文章を読み込み、内容を整理して、自分の意見を持つくせをつけさせないと」

パラグラフごとに学生に問いかけ

 長沼先生が重視するのは、文章をメリハリをつけて読み解き、全体のメッセージを大きくつかむ力の育成である。そこで役立つのが、情報の図示だ。重要なキーワードを見抜き、関連する言葉を矢印でつなぎリンクさせる。そうすることで著者の言いたいことが浮かび上がってくるという。

 この日の授業でも、教科書の内容を読み解けているかどうかを、パラグラフごとに学生に問いかける場面が多く見られた。学生の名前が書かれた自作のカードをシャッフルし、それによって指名する手段がユニークだ。いつ当てられるかわからないので、学生も気を抜けない様子。問いかけに対してI don't knowで逃げることはできない。

 「パスばかりしていると逃げぐせがついてしまうから、追い詰めますよ(笑)。オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを混ぜながら、選択肢を与え、どうにかして発言を引き出すようにしています。学生からなかなか言葉が出てこないときは、いったんペアワークで話をさせることも多いですね」

 学生たちはまず個人で、次に仲間や先生の助けを借りて、問いを立て、テーマへの理解を深め、自身の意見を構築していく。長沼先生は学生から引き出したキーワードを、さらに言い換えさせるなどして理解を促し、テキストの内容を黒板に図示していく。黒板全体を使ってキーワードをつなげていく様は、まるで著者の思考をトレースしているようだ。こうした板書を繰り返すことで、学生も図示スキルを身につけていく。

 学生の評価は、中間・期末テストで行う。学習した内容を要約・図示させることで、テーマに沿ったキーワードが拾えているか、きちんと読み解けているかどうかを確認するという。いかに深く内容を理解しているかが問われるのだ。
(写真)理解を促すために内容を図示する

■参考
アルクでは、「正課授業サポートプログラム」を提供しています。詳しくは下記をご覧ください。
https://www.alc-education.co.jp/academic/task/index.html#section03


◆取材・写真:株式会社ユークラフト



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