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アルク総研ニュース(2020年7月)

今月の大学の英語授業紹介

宇都宮大学映画を活用して学ぶ社会で使える英語

宇都宮大学は学生が英語でコミュニケーションできるようになることを目標に、様々なアクティビティを組み込んだ授業を展開する。ペアワークで会話、単語確認、ペアを変えながらのインフォメーション・ギャップ・アクティビティ、シャドーイング、相手を変えて英会話など、学生が「英語を使う」タスクが満載の授業構成になっている。
(写真)柿谷命先生

■授業の概要■

【学部】取材した授業は農学部
【科目】Integrated English
【対象】全学部の1年生を対象とした必修科目
【レベル】4レベルのうち上から2番めのクラス(男性15名、女性10名)
【担当】柿谷命先生(大学教育推進機構教育センター 英語教育部門 助教)
・取材は2020年1月

1年間を通じて同じ映画を題材に学ぶ、社会で使える英語

 宇都宮大学の基盤教育センターが提供する全学共通の英語プログラムEnglish Program of Utsunomiya University、略してEPUU(イープー)では、「学生が英語を浴びる機会をたくさんつくろう」というコンセプトの下、技能統合を目指した授業が展開されている。

 狙いはグローバル人材の育成。コミュニケーション中心の英語教育を実践しており、教員は全員が英語ネイティブの外国人、もしくは英語圏の大学院でTESOL(英語を母語としない人への英語教授法)を専攻した日本人である。

 中でもユニークな取り組みの一つが、映画を教材とした授業だ。春学期の始めにキャンパス内にあるシアターで映画を鑑賞し、その後細かくチャプターを区切りながら、1年をかけて同じ映画を活用して英語を学ぶのである。作品は、学生が実際に社会で使える、一般的な英語表現が含まれているものを選んでいるという。

 取材した農学部の授業で扱っていたのは、ロビン・ウィリアムズ主演のコメディー映画『ミセス・ダウト』。テキストとして、同作のシナリオブックも活用する。担当した柿谷命先生による授業は、大筋で以下のように進められた。

【10:30 ウォームアップ】
出欠確認後、まずは隣同士でペアワーク。お題は「Share the highlight of your weekend」だ。お互いに英語を使って会話をすることで、英語の授業に入っていく態勢を整える。

【10:37 ボキャブラリー&ストーリー・レビュー】
2人に1台設置されたモニターに、映画で使われる単語や、映画の1シーンとそこから抜き出した英語表現などが映し出される。ペアワークで単語の意味を確認しあったり、表示されたキーワードを使いながら前回のあらすじを英語でおさらいしたりする。

【10:47 ワークシート】
先生が事前に準備した、映画の内容に関するワークシートが配られる。「A」と「B」の2種類があり、他の誰かと協力しなければ全10問の答えを埋められない仕組みだ(Information-gapアクティビティ)。与えられたルールは、1問ごとにペアを変えること。全員がペアを求めて教室内を動き回り、声を掛けながらワークシートを埋めていく。さまざまな人とコミュニケーションすることで、アウトプットの機会を増やすことが狙いだ。また、歩き回ることで居眠り防止策にもなる。

【10:55単語問題】
Information-gapによりクラスメートから得た情報をもとに、fill-in-the-blanksの単語問題を解く。

【11:02 ディクテーションなど】
ふたたびモニターに映画を映し、シャドーイングやディクテーションを行う。映画を使った指導はここまで。

【11:27 実践英会話】
全員がヘッドセットをつけて、ランダムに選ばれる相手と英会話を行う。3つのテーマが与えられ、1テーマごとに相手が変わっていく。この日は学年末の授業だったため、全員がスムーズに会話をこなしていた。「高校では読み書きを中心に学んでおり、英語で話すことに慣れていない学生が多い。そのため英語でしゃべってみようと言われても、気恥ずかしいのか最初は多くが戸惑います。英語でコミュニケーションができるようにというEPUUの目的を伝え、英語で話すことを授業を通して繰り返し練習すると、徐々にスピーキングに対する抵抗感が薄れていくと感じています」(柿谷先生)

【11:36 TOEIC対策】
授業終了時まで、PCを使っての自主学習。ここでは、先生は見守るだけだ。なお、授業を通して板書はほとんどしない。「板書して、それをノートに写させることにあまり意味を見出せません。その時間があるなら、少しでも英語を聞いたり話したりする時間に充てたいと思っています」(柿谷先生)

 以上、さまざまに展開する授業で学生を飽きさせない、あっという間の90分。授業の多くを学生が発話する時間に充てているため、柿谷先生自身は進行役のようだ。「英語に興味を持って、少しでも英語を学ぶことの楽しさを感じてもらいたいと考え、授業を行っています。一方通行の座学だけにならないようにするのも、その工夫の一つです」(柿谷先生)

■参考
アルクでは、「正課授業サポートプログラム」を提供しています。詳しくは下記をご覧ください。
https://www.alc-education.co.jp/academic/task/index.html#section03


◆取材:株式会社ユークラフト



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