「グローバルラウンジ コトパティオ」を開設して
東京経済大学 副学長 福士 正博 先生
英語をはじめとする外国語を、自由に、気楽に、文法の間違いなど気にせず、ブロークンであっても、ネイティブスピーカーと話して楽しいと感じてもらえるような場を設け、そこに集う学生の輪が少しずつ広まってくれればという期待を込めて、2015年10月1日に東京経済大学では「グローバルラウンジ コトパティオ」を本格オープンしました。「コトパティオ」という愛称は、コトバを磨く仲間が集う中庭(パティオ)という意味を込めて名付けられました。
「グローバルラウンジ コトパティオ」がオープンしてから、数か月経過しています。利用している学生からは、「ここに来ると、ネイティブの人と直接会話ができて、普段の授業とは違う学びがある。とても貴重な機会だと思います。」、「ほぼ毎日来ているけれど、話す機会が増えて楽しい。食べ物など身近なテーマを決めてくれるので話しやすいし、何よりも少人数で話せるので、確実にリスニングの実力が上がっていると思います。」などの声が寄せられています。
こうした声が学生から寄せられるのは、このスペースの狙いと関係しています。第1に、外国で会話することの「辛さ」が、徐々に「楽しさ」に変わってくる過程を学生自ら実感しているからです。「こんな言い方で大丈夫なのだろうか」という不安が、「このように言えばいいんだ」という確信に変わっていくようになれば、「しめた」ものです。第2に、「敷居」を低くすることの工夫です。母語以外で話すことを求められるスペースですから、「英語が得意ではないのに」という不安から、このスペースの敷居を高いと感じている学生がいるのは当然です。これを払拭するには、定期的にパーティを開催するとか、馴染みやすいテーマでチャットするとか、様々な工夫が求められます。第3に、その点で決定的に大事なのは、「グローバルラウンジ コトパティオ」に常駐するネイティブスピーカーの資質です。資質というより、むしろパーソナリティといった方がよいかもしれません。和ませる力、関心を引き出せる力、じっと待ってあげる力など、総合力が必要だと痛感しています。その点で、アルクの二人のネイティブスピーカーには大変感謝しています。