グローバルラウンジ コトパティオ
~その多機能な役割を目指して~
東京経済大学 国際交流課長 大日方 美穂 様
グローバルラウンジ コトパティオは資質、人格とも素晴らしい人材に恵まれ、英語を話しにくる学生で毎日にぎわっています。開設当初からほぼ毎日顔を出している1年生がいたり、お昼どきに顔を出す4年生はスタッフからの信頼も厚くなるほど仲良しになっています。私はその様子を隣りの事務室で気にしながら課の業務に追われる日々を送っています。
今や他の大学では珍しくなくなった学内の外国語スペースですが、本学ではつい一昨年になって学長の主導のもと、その設置の動きが生まれました。国際交流課の事務室を併設させているのは、短期・長期留学を視野にラウンジを利用してもらいたい、留学を経験した学生から刺激を受けて「自分も」と後に続いてもらいたい、という願いからです。
とはいえ、コトパティオには他の役割も担ってほしいと考えています。それは受け入れ留学生の「居場所」となり、ひいては外国語を通しての学生交流を可能とするものです。コトパティオのスタッフや外国人教員に「ファシリテート」していただき、その延長線上に学生主導の活動があってもよいと思っています。本学には122人の留学生が在籍しており、国別では中国、韓国、タイ、マレーシア、ベトナム、フランス、カナダと様々な文化的背景を持った人材がいます。多くの日本人学生に埋没することなく、その存在をこのコトパティオで生かしてほしいのです。
2015年10月に本格稼働したコトパティオでは、オープニングイベント、ハロウィーン、感謝祭、カクテルパーティ、クリスマスといったイベントを開催し、学内知名度アップに努めています。クリスマスではコトパティオのスタッフが多才ぶりを発揮し、クリスマスにちなんだ音楽をギターで奏でてくれました。アメリカから輸入したゲームで盛り上がりをみせるのは、彼らのファシリテートによるところが大きいと言えます。どっとわきおこる笑い声に、多少事務機能に支障をきたすこともありますが、ラウンジを使って学生支援をしていく側面も大事にしていきたいと考えています。
一方で、予想していなかった効果や課題もあがってきました。コトパティオがあるフロアには学習センターがあるのですが、ここでは日本人の英語学習アドバイザー(アルク)が英語に関する様々な支援を行っています。1対1で英会話をする学生や、TOEICスコアアップのためのコツを学ぶ学生、留学という漠然とした目標を話しながら自分の悩みを打ち明ける学生などなど。この英語学習アドバイザーに相談に来ていた学生がコトパティオに集中してしまうのではないかと心配していました。ところが、コトパティオができてからというもの、英語学習アドバイザーとの相談件数は伸びており、現場では「どうやらここで下準備をして、コトパティオで実践しているのでは。」と推測をしています。これは思いがけない収穫した。
今後の課題は、英語から遠ざかろうしている学生をいかにして取り込むかです。これは教学との連携、つまり親派の教員を増やすことが鍵となるでしょう。先生方にもコトパティオを使っていただき、その楽しさを学生にも伝えてほしいと思っています。さらなる課題は、大きな効力となり得る学生スタッフの活用でしょう。他大学を見学させていただいた際、要所要所で学生スタッフを取り込み、うまく活動されている事例を伺いました。本学ならではの学生スタッフの生かし方を検討していきたいと思っています。
新年明けて2016年度も間近です。まずは新1年生のファンを増やすことを念頭に、楽しい企画や取り組みを考えていきます。