三菱電機株式会社
人事部 グローバル推進グループ
長友深桜さん
インフラから宇宙まで、幅広く事業を展開する三菱電機。
海外事業の推進に伴い、外国籍社員の登用を強化してきました。現在では多国籍の外国籍社員が全国の事業所での業務に従事しています。外国籍社員の持つ力を最大限に活かすことを目標とし、外国籍社員と指導にあたる日本人社員が共に参加する宿泊研修を実施。
外国籍社員が日本の環境に順応するだけではなく、日本人社員との相互理解を図っています。
課題 |
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中国、韓国をはじめ、エチオピアやマレーシアなど幅広い国籍の外国籍社員が全国から研修に参加しています。研修を通じ、所属部署以外での外国籍社員同士のつながりができ、メンタル面でプラスの効果があったという声が寄せられています。寝食を共にする1泊2日の宿泊研修であるがゆえに良好な雰囲気の中で進行し、より交流が深まっているようです。
研修プログラムでは、日々の業務の中で感じている悩みなどを共有する場があります。自分だけが抱えている悩みではないと知り、気持ちが前向きになるだけではなく、職場でどのような行動をしていきたいかが明確になる面もあるようです。実際、「職場で自分には何が期待されているのか、先輩社員に聞くことができた」など、自信を持って行動できるようになったという話を聞きました。
また、指導する立場にある先輩日本人社員も研修に参加しています。これまでは外国籍社員を直接的に指導する経験がなかったという社員が多く、ある程度は理解できていても、指導するにあたっての明確な知識をもっていませんでした。研修で異文化理解を踏まえた指導のポイントなどを体系的に学べたことで、「外国籍社員に対する指導への考えが整理できた」という反応が多くの先輩社員からありました。
2022年度の海外売上高比率が50%を超える弊社では、外国籍社員の活躍が欠かせないのが現状です。彼らが活躍するためには、外国籍社員の教育を行うだけではなく、周囲の日本人社員のグローバル意識の向上も必要だと考えています。
外国籍社員と先輩日本人社員がともに参加する研修において、講師の方は、それぞれのバックグラウンドやアイデンティティを尊重しながら相互理解し、その強みを業務に活かしていくというスタンスで研修を進めてくださっており、弊社が求める研修の方向性とも合致しています。
研修では、先輩日本人社員のみが参加し、外国籍社員への理解や対応を学ぶ時間が設けられています。その中で、外国籍社員に本気で向き合っていることを感じられたのが印象的でした。外国籍社員の強みと弱みを理解した上で、職場でどのように力を活かせばよいのか、課内における相互理解の進め方、今後のキャリア形成についてなど、積極的に講師に相談している姿が見られました。研修の最後には、異なる文化がある中でどのように協働していくのかといったテーマで外国籍社員とのセッションが行われます。
普段は業務が多忙で、お互いを理解する時間を持つことが難しいという意見が先輩社員からありましたので、話し合うためだけに時間を費やせる場を設けられていることに意味があると思っています。
1921年創立。2021年に創立100周年を迎えた。
たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献することを企業理念とする、総合電機メーカー。
家電製品からFAシステム、自動車機器、宇宙システム、社会インフラなど、幅広い領域で事業を展開する。海外事業の拡大に伴い、世界の幅広い国・地域に関係会社を設立し、日本国内でも外国籍社員の登用を強化。2022度の海外売上高比率は51%に達した。
三菱電機株式会社 人事部 グローバル化推進グループに所属。
主な業務として、国内社員を対象としたグローバル要員の育成・強化に取り組む。
国内社員を海外関連会社に1年間派遣する海外OJTプログラム、語学力強化と異文化理解を主目的とした海外短期留学プログラム、海外関連会社に関わる業務に従事する社員および海外関連業務が想定される社員を対象とした異文化対応スキル養成研修の企画・運営を担当する。
写真左:長友深桜さん、右:同グループ所属 井上奈美さん