グローバル人材育成の総合ソリューションパートナー 株式会社アルクエデュケーション
TOP >> 英語研修ならアルク >> 【グローバル人材育成の現場】グローバルマインドセットと異文化研修
                        

【グローバル人材育成の現場】グローバルマインドセットと異文化研修

グローバル人材育成の現場に見る
グローバルマインドセット・異文化研修のトレンド

アルクエデュケーションは、企業・大学を中心にグローバル人材育成のお手伝いをしています。今回の記事では、企業のグローバル人材育成研修における「グローバルマインドセット異文化研修」のニーズの増加や、それらの研修のトレンドについてご紹介します。

グローバル人材育成の成功事例4選

増加するグローバルマインドセット・異文化研修のニーズ

昨今、企業のグローバル人材育成研修において、グローバルマインドセット異文化研修のニーズが高まっていることを示すデータがあります。これは弊社顧客51社から回答が得られた調査結果(2020年8月アルク調べ)ですが、グローバルマインドセット異文化研修を既に実施している企業は全体の39%でしたが、今後実施を予定している企業を含むと全体の82%に及びます。
また、今後この分野を「強化するもしくは非常に強化する」と回答した企業は53%と過半数を上回っています。

このようなニーズの高まりの背景として、次の2つのキーワードを挙げることができます。それは「外へのグローバル化強化」と「内なるグローバル化対応」です。

「外へのグローバル化強化」と「内なるグローバル化対応」

「外へのグローバル化強化」は、簡単に言えば、海外マーケットに進出する(外へ出ていく)グローバル化です。それを加速・強化するうえで以前から課題となっているのが、日本人のグローバル人材不足です。海外進出企業4,932社に対して行われた総務省の「グローバル人材育成の推進に関する政策評価」の調査結果(平成29年度)によると、回答が得られた980社のうち、7割近い企業が「グローバル人材が不足/どちらかと言えば不足」と回答しています。約3,800社の企業でグローバル人材育成のお手伝いをしてきた弊社が現場で感じる現在の状況も、さほど変わっていないように思えます。

このような慢性的な日本人のグローバル人材不足がある一方で、中期経営計画などで海外売上高比率のアップ等さらなるグローバル展開強化を標榜している企業は多く、業務上でグローバルと接点を持つ社員のすそ野は広がっています。そのような中で、日本人のグローバル人材を計画的に増やすことが急務となっており、英語力強化だけではなく社員のグローバルマインドセット醸成と異文化コミュニケーション力強化の必要性を感じる企業が増えています。

ちなみに、人事・教育担当者がグローバル人材に求める要件は様々ありますが、その中で「英語力」はほとんどの方が挙げる要件の一つです。たしかに「英語力」はグローバル人材の必要条件の一つではありますが、十分条件ではありません。PCに例えると「英語力」はグローバル人材に必要なアプリケーションのひとつであり、グローバルマインドセットはOS、異文化コミュニケーションは英語力と並んで重要なアプリケーションのひとつと考えることができます。

一方、海外から多様性のある人材を受け入れる「内なるグローバル化対応」ですが、外国籍社員の採用が増えたことで、より多くの社員にとって「異文化」が身近な存在になってきており、グローバルマインドセット・異文化コミュニケーションのスキルが求められるようになってきています。

人材育成の現場で感じる「グローバルマインドセット・異文化研修」のトレンド

この章では、前記の「外へのグローバル化強化」と「内なるグローバル化対応」によって、最近グローバル人材育成の現場で起きているグローバルマインドセット・異文化研修のトレンドについてご説明します。 以前は、企業でグローバルマインドセット・異文化研修を実施する場合、その主な対象者は海外赴任者や、将来赴任の可能性がある候補者に対して行うケースが一般的でした。現在でも、そのようなケースは多いのですが、「外へのグローバル化強化」と「内なるグローバル化対応」によって、より多くの社員にグローバルマインドセット・異文化コミュニケーションスキルが必要になってきていることを背景に、より多様な目的・内容・対象で研修を行うケースが増えてきています。

具体的には以下の点が挙げられます。

トレンド1:目的・対象に応じた研修プログラムの使い分け(研修プログラムの多様化)
トレンド2:階層別教育の位置づけで研修実施増加
トレンド3:外国籍社員と受け入れ側日本人社員向けに研修実施増加(主に国内要員)

トレンド1については、まず大きく「外へのグローバル化強化」向け研修と「内なるグローバル化対応」向け研修に分類できます。「外へのグローバル化強化」向けの研修としては、さらに以下のような研修が目的によって使い分けられるケースが増えています。

  1. 土台となるグローバルマインドセットを醸成する研修
  2. 文化を構成する要素、価値観、コミュニケーションスタイルの違いなど、あらゆる文化において汎用的に求められる異文化知識・スキルを学ぶ研修
  3. 異文化マネジメントを学ぶ研修
  4. 中国文化、米国文化などのエリア別に異文化を学ぶなど、より特定の内容で学ぶ研修

(1)~(3)を基幹プログラム、(4)を発展プログラムと呼んでいます。
研修効果を上げるためのお薦めとしては、まず研修対象者の目的、階層やグローバル経験の度合いに応じて(1)~(3)の基幹プログラムを受講して、それぞれの段階に応じて求められるマインド、知識、スキルを、特定の文化に限定せずあらゆる文化に適用できる汎用性のある内容で学ぶことです。
(4)の中国文化、米国文化などのエリア別により具体的に異文化を学ぶことも大事ですが、(1)~(3)のステップがないと、場合によっては逆にステレオタイプを醸成してしまう可能性もあります。(1)~(3)の研修を最初に学ぶと応用力のあるマインドやスキルを身に付けやすくなります。

これらの研修を従来は、海外赴任前研修やグローバル要員育成研修の位置づけで実施することが多かったのですが、最近では階層別教育の位置づけで実施するケースも増えています。 これがトレンド2になります。
階層別教育の位置づけでグローバルマインドセット異文化研修を実施する企業が増えてきている背景としては、「外へのグローバル化強化」「内なるグローバル化対応」により、より多くの社員が「グローバル化を自分ごと」として考え行動する必要性が高まってきていることが挙げられます。

企業のご担当者の「会社としてはグローバル化を標榜しているのに、グローバル化に対して当事者意識を持てない社員が多く困っている」というお悩みをしばしばお聞きすることがあります。
ある大手製造業の企業では、以前から新入社員/中堅社員/新任管理職の3階層において、新入社員には土台となるグローバルマインドセット研修、中堅社員には異文化コミュニケーション研修、新任管理職には異文化マネジメント研修をそれぞれ実施されていますが、階層別教育の中にそのような研修を導入することにより、「グローバル化に対する社員間の温度差をなくし、グローバルな組織風土醸成を行う」とその目的を語っていらっしゃいました。

階層別教育の位置づけでグローバルマインドセット異文化研修を実施する場合、階層的に実施が一番多いのは新入社員で、その次は新任管理職になっています。

トレンド3は、外国籍社員とその受け入れ側日本人社員向けへの研修の実施の増加ですが、これは主に外国籍社員の採用増で多くの社員にとって「異文化」が身近になったことに伴う「内なるグローバル化対応」に関連しています。
外国籍社員は異文化コミュニケーションの基礎や「報連相」などの日本のビジネス文化を学び、一方受け入れ側の日本人社員も異文化コミュニケーションの基礎や相手側の文化を学ぶ、というように、外国籍社員に単に日本のやり方を押し付けるのではなく、双方がお互いの文化や異文化コミュニケーションについて学び合う、ということが大事です。

以上、今回は企業のグローバル人材育成におけるグローバルマインドセット異文化研修のニーズの高まりとそのトレンドについてご紹介いたしました。

より詳しいアルクエデュケーションのプログラムについては、こちらをご覧ください。