グローバル人材育成の総合ソリューションパートナー 株式会社アルクエデュケーション
                        

企業担当者が語る、戦略的人材育成:
事例に学ぶ グローバル研修の取り組み②
【セミナーレポート】

ビジネス環境が急速に変化する中、グローバル化への対応と人材育成は戦略的な取り組みが必須です。アルクでは、全社的にグローバル化を推進する企業のご担当者様にお話いただくセミナーを開催しました。今回は第二部の模様をお届けします。第二部では、株式会社富士通ラーニングメディアより、仁 英俊様がご登壇されました。
第一部はこちら>>

(左から)富士通ラーニングメディア 仁 英俊様、三井不動産 池村康平様、アルク 木ノ内絵里

新たに導入した「グローバル基礎研修」

富士通グループが考えるグローバル人材とは、「富士通グループの持つ価値をグローバルな視点で高め、提供できる人材」のこと。そのような人材を育成するためには、多文化理解や英語でのコミュニケーション力を含む「グローバル基礎コンピテンシー」と、「海外実務経験」の両方が必要だと考えています。

これまでさまざまな階層の社員向けにグローバル人材育成研修を行ってきた同社ですが、中でも注目すべきは、2019年度に新たな取り組みとして始めた「グローバル基礎研修」です。

2018年度まで、同社では入社1、2年目の社員を対象に、TOEIC600点取得を目指すeラーニングプログラムを提供していました。600点以上を取得すると、入社4年目以降の「GCDP研修(Global Competency Development Program)」に参加し、1週間の海外実践を含むトレーニングを受けることができます。

ところが、これでは600点到達者にとっては、GCDP研修の参加までに1~3年の空白期間ができてしまいます。そこでスコア到達者がさらに上を目指すための成長機会として、グローバル基礎研修が立ち上げられたというわけです。

「個にフォーカス」した3つのコース

グローバル基礎研修は、入社3年目の社員のうちTOEIC600点以上の取得者が参加できる、2日間の集合研修です。導入に際しては「マスへの一律な対応をやめ、個にフォーカスする」ことを重視し、TOEICスコアに応じて3コースを設置しました。600~695点の人は「Awareness & Literacy」、700~825点の人は「English Camp」、830点以上の人は「Business Simulation」に参加します。最初に「共通パート」として半日間のプログラムを実施し、その後、各コースに分かれて1日半のプログラムを行います。

初級クラスに当たる「Awareness & Literacy」は、英語への壁を低くし、学びに対するポジティブなマインドを持ってもらうことが狙いです。このクラスはアルクが運営を担当し、メイン講師と5、6名の外国人キャストを派遣しています。グループには必ず1名の外国人キャストが入るようにし、グローバルなビジネスシーンに近い環境を提供。ディスカッションやケーススタディなどのグループワークを通じてビジネス英語に慣れるとともに、さらなる英語学習の必要性を感じてもらう内容となっています。

中級クラスに当たる「English Camp」は、多国籍の人が話す多様な英語に触れ、グローバルな環境の中でも恐れず発信していくマインドを持つことが目的。こちらのクラスでは大学と提携し、さまざまな国籍の留学生を招いて異文化コミュニケーションを体感します。

上級クラスに当たる「Business Simulation」は、英語力に自信のある人に、さらなるスキル向上を目指してもらうことが目的です。メインとなる外国人講師の他、3名の外国人サブ講師も参加し、ロールプレイを通じて、ビジネスの現場で通用する英語コミュニケーションスキルを磨きます。

アルク担当者より
アルクでは若手・新入社員、中堅社員、管理職などの階層に応じた、さまざまな異文化研修プログラムを用意しています。富士通グループ様のグローバル基礎研修「Awareness & Literacy」では、アルクの若手・新入社員向けプログラム「グローバルマインドセット<シミュレーション編>」をベースに、ご希望を伺いながら内容をカスタマイズいたしました。この他、内なるグローバル化に対応するための、日本人社員・外国籍社員向けプログラムも多数ご用意しています。

参加・発信型の研修スタイルに手応え

終了後に実施した受講者アンケートでは、難易度、理解度、講師満足度のいずれにおいても高い評価を得ていることがうかがえました。

「受講者のレベルに応じたクラス分けとコンテンツ提供を行うことで、一定の理解度を保ちながらも、ストレッチ要素を持たせることができたと思います。また、参加・発信型の研修スタイルとしたことにより、外国人講師やキャストを相手に、真剣にコミュニケーションをとる姿が多く見られました。今後は事前のアセスメントを実施し、より個人にフィットしたレベルでの研修提供を図るとともに、自立的に学ぶ姿勢を継続するための仕掛けも構築したいと考えています」(仁氏)。

富士通ラーニングメディア様へのQ&A

Q&Aセッションでは、オンラインで参加された皆さまより、多くのご質問をいただきました。

ーー国内で業務に当たる社員にとって、英語力やグローバル対応力を向上させなければいけない理由は何だとお考えですか。

仁様: 一つには、現時点では国内のお客さまを相手にしたビジネスに関わっている社員であっても、長いキャリアで考えれば状況が変わる可能性があるということです。海外対応の必要性が生まれた場合に、短期間でグローバル人材を育成することはできませんので、中長期的な視点で育成していかなければなりません。

もう一つの理由として、国内のお客さまがグローバルビジネスを展開することもあり得ます。そのようなお客さまをサポートする際に、われわれ自身がローカルな考え方では対応することができません。今の時代、グローバルに関わらない仕事というのは存在しないのではないかと思います。

この他、「研修で身に付けたスキルが現場で発揮されているか、追跡調査は行っているか」「新たに導入したグローバル基礎研修について、社内での反応はどうか」「入社2年で厳密に600点を突破していないと、その後の研修参加資格がなくなるのか」「研修で取り上げたケーススタディはどのように集めたか」などの質問が上がりました。

最後に、三井不動産の池村様より「会社としてより多様な人を採用し、それを受け入れられるダイバーシティ対応力をどんどん上げていきたい」、富士通ラーニングメディアの仁様より「語学力だけでなくマインドも備わっていないと、グローバルに活躍できる人材にはなれない。多様な人材や価値観を受け入れながら、グローバルにイノベーションを実践できる会社にしていきたい」とのコメントをいただき、全てのセッションが終了しました。

株式会社富士通ラーニングメディア
1977年設立。国内最大規模の総合人材研修企業として、企業の人材育成のトータルソリューションを提供する。あらゆる業種の企業や公共機関・団体を対象に、「ITテクニカルスキル」から「ヒューマン・ビジネススキル」まで、オープンコースを約1,500コース、年間約96,000人の受講者に提供している。

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