こんにちは。グローバル人材育成の「アルク」のライティングチームです。この記事では、社員のTOEICスコアをアップさせるための英語研修実施に関する情報をお伝えします。TOEICの特徴を確認するとともに、目標設定の考え方や、社員の自己学習の方法についても解説します。
~目次~
社員のTOEICスコアをアップするには、どのような方法があるか見ていきましょう。
社員のTOEICスコア向上のためには、社員に自己学習ツールを提供することも有効です。これにより、社員は自分のペースで英語学習を進めることができます。提供するツールには、オンライン英会話、アプリ、電子書籍、リスニング練習用のオーディオ素材などが含まれます。モチベーション維持と継続的な学習促進のためには、定期的な学習進捗のチェックとフィードバックが大変重要です。
企業の中には「TOEICスコアは自助努力で上げるように」というケースも多く聞かれます。
自助努力でTOEICスコアを上げる場合、社員は自分で学習スケジュールを立て、オンライン教材やアプリ、参考書を活用して独学することが多いようです。企業側としては学習コストを抑えることができますが、自己管理能力が求められ、計画的に学習を進めるのはなかなか簡単ではないようです。
また、疑問点を直接質問できる教師や同僚がいないため、学習の進捗や理解度を自己評価しづらいというデメリットもあります。
会社がTOEICスコアアップのための英会話や研修を実施する場合のメリットとしては、以下のものが挙げられます。
資料:「~研修運営担当者になって困ったときに~英語研修の手引1」をダウンロード
次は、TOEICスコアアップを目指す研修の実施方法について説明していきます。
実際にTOEIC研修を取り入れることを検討する際に、まず必要となるのは、現在地の確認とゴール設定です。
実際のTOEICのスコアや、簡易なTOEIC模試などで、現在のレベルを確認します。その後、レベル別にクラス分けをして研修を組み立てる、という流れになります。
では、研修のゴールとなる社員に求めるTOEICスコアはどのように設定すればいいのでしょうか。
TOEICスコアと、「英語でできること」の関係を確認することで、社員に必要なスコアが見えてきます。
トータルスコア | 英語を使ってできること |
---|---|
900点~ | 自分の分野に関する高度な専門書が読める、新聞記事を読んでおおまかに内容が理解できる。ニュースを聞いて内容を把握し、ネイティブとの議論も可能。 |
800点~ | 同業他社のアニュアルレポートや自社製品の契約書など、複雑な文書を読んで理解できる。会議での発言やプレゼンもできる。 |
700点~ | 社内文書、通達、会議のレジュメや配布資料等、仕事関連の文書はほぼ問題なく理解。英語を使って仕事ができるレベル。 |
600点~ | 海外旅行や日常会話程度には、ほぼ対応できる。自分の仕事に関連した文章であれば、何とか理解できる。 |
500点~ | 英語情報のネット検索などはかろうじてできるが、長文や複雑な表現を理解し、使いこなすのは難しい。 |
400点~ | 英語の看板を見てどんな店かわかる、自分の仕事に関連したカタログなどは、何とか理解できるレベル。仕事で英語を使うにはほど遠い。 |
400点未満 | ごく簡単な英語のフレーズでも、あまり理解できない |
以下を参考に作成:
https://www.iibc-global.org/toeic/special/target/list_reading.html
https://studying.jp/toeic/about-more/about2.html
https://www.kandagaigo.ac.jp/kifl/contents/toeic-score
企業側の目安としては、600点で海外部門、700点で海外赴任といったように使われることが多いようです。
研修を実施する際に、「研修期間」をしっかり検討することも重要です。
研修のゴールや内容によっても最適な期間は変わりますが、概ね以下の2種類が挙げられます。
主な違い/注意点 | |
---|---|
レギュラー研修 | ○週1回2時間程度(3カ月~6カ月で構成など) ○学習を習慣化しやすく、語学研修には適している(知識が定着しやすい) ※業務の繁忙期に欠席が多発しやすい ※部署の理解がないと、定期的に出席できない場合がある |
集中研修 | ○1日7時間程度(1~2日×3回で構成など) ○他拠点から社員を集めて行う場合、スケジュールを設定しやすい ※学習の習慣化につながりにくいため、自己学習プログラムなどのフォローが必要 |
研修のゴールや期間が決まったら、社員には目標とするスコアの理由とTOEIC研修の重要性をしっかりと伝えましょう。
TOEICスコアを上げる必要性を理解し、意欲的にトレーニングに取り組むことで、学習の成果は大きく変わります。
計画を具体的に文章化し、それを担当者と社員間で共有することで、一人ひとりが目標に対する意識を持ち、学習への取り組みをより前向きに進めることができます。
また、英語が業務で直接必要とされる場面や、将来的に英語を使う機会が増えることを想定し、それをモチベーションとして学習に励むことも大切です。
TOEIC対策研修には「英語力向上」と「テクニック習得」という2つの内容があります。そのため、研修内容が想定していたものかどうか、カリキュラムを事前に確認することをお勧めします。
・英語力向上
・テクニック習得
資料:「グローバル人材の基礎をつくる新入社員研修とは」をダウンロード
研修形態の種類では、オンライン研修と講師派遣型の研修が挙げられます。
1)受講者の時間的・物理的・費用的負担が軽減。
2)オンライン会議が増える現代において、実際のビジネスシーンで使える英語力を身につけられる。
1)講師と直接コミュニケーションが取れる。
2)学習の進捗に応じたリアルタイムの指導が受けられる。
3)他の受講者との対面での交流が促されモチベーションアップに繋がる。
企業がどのような方法を採ったとしても、社員個人の自己学習無しではスコアアップは望めません。
おすすめのスキル別の学習法についてご紹介します。
TOEICのリスニングセクションはけっこうシンプルで、比較的スムーズなスコアアップが期待できます。
Step1
英語の音の強弱、リズム、発音に集中しながら、音読やオーバーラッピングを行ないます。オーバーラッピングとは、教材のスクリプトを目で確認しながら、流れてくる英語にかぶせて発声するトレーニングです。繰り返すうち、英語のナチュラルスピード、リズム、強弱、音の省略や連結などに耳が慣れてきます。
Step2
次にシャドーイングに挑戦してみます。流れてくる英語を聞きながら、聞いたそばから同じように発声していきます。文字は一切見ないで行いますので、「音」と「意味」を英語のまま結びつける力が養えます。
単語単体ではなく、例文と合わせて単語をとらえ、発音も必ず確認してリスニング問題に備えます。
Step1
例文を使った語彙力強化には、リピーティング、ディクテーション、音読筆写などが効果的です。Step2への準備として音声付きの英文教材を用意し、知らない単語の意味や発音を確認しておきます。
Step2
リピーティングは、英語を1文聞いては音源を止めて復唱する練習。ディクテーションでは、聞いた英文を書き出します。音読筆写には、英文を読んで内容を理解し、そのうえで音読、さらに英文を書き出すところまでが含まれます。いずれも、英語の文章を耳と目で確認し、内容を理解して再生するトレーニングであり、語彙力も文脈のなかで強化されます。
TOEICで求められる文法力は、特別高いものではありません。コミュニケーションに支障がなく、信頼を損なわない程度の基礎的な文法力が試されています。音読、音読筆写、ディクテーションなどは、英文を丸ごと頭に入れてしまうのに近い効果があり、文法的に正しい文章を見極める力がつきます。
長文読解問題では常に処理スピードが求められますので、練習法としては、フレーズリーディングを含む精読、音読、シャドーイングなどがお勧めです。フレーズリーディングとは、長文を区切りのよいフレーズで切り、英語の語順のまま、フレーズごとに内容を理解しながら読み進む方法です。その方法について2ステップでご紹介します。
Step1
自分のレベルにあった長文の教材で、スクリプトを読みながら意味の区切れ目にスラッシュ(/)を入れていきます。スラッシュを入れたら、英語の語順のまま、後戻りせずスラッシュを入れた部分ごとに意味内容を理解していきます。
Step2
一度にパッと目に入り、意味をつかむことができる'カタマリ'が長くなってきたら、その部分のスラッシュは消していき、徐々にスラッシュ無しでも英語の語順で英文を理解できるようにしていきます。頭の中で英語を日本語に訳すクセを直すこともできるため、長文読解のスピードが上がります。
受験スキルとしてのテスト対策は、英語力とは別物です。たとえば、2時間まるまる英語漬けになるプレッシャーに耐え、最後まで全力で問題に取り組む持久力や、集中力をつけること。あるいは時間内に200問すべてに解答できるよう、時間配分に慣れておくことなどです。受験本番までに少なくとも1回は、実際に2時間集中して模試問題をやってみて、感触をつかむようにするとよいでしょう。
他の多くの研修と同様に、TOEICスコアアップ研修においても、研修後の評価やフィードバックは重要です。
●TOEICテストの受験
研修終了時に、TOEICテスト、またはTOEIC模擬試験を受験して、受講前後のスコアの変化を測定し、研修の効果を定量的に評価します。
●アンケートの実施
参加者に対して研修の内容、教材、講師の質に関するアンケートを実施し、質的なフィードバックを収集します。これにより、研修の改善点を特定し、次回のプログラム改善に活かすことができます。
●さらに、定期的なフォローアップを行い、継続的な学習支援とスコアアップを目指すことも重要です。これらのアプローチにより、研修の効果を最大化し、社員の英語力向上に貢献できます。
資料:「~研修運営担当者になって困ったときに~英語研修の手引1」をダウンロード
TOEICは「スコア」だけがモノをいう資格試験ではありません。扱われている内容自体が、身近で使える語彙や表現のオンパレードですから、学習を通じて、仕事でもプライベートでも使える生きた英語が身につきます。TOEICを上手に活用することで、「英語でできること」を増やしていくことができます。
アルクエデュケーションでは、英語力そのものを鍛える「基礎知識の習得」と、最短距離でスコアアップを目指すための「ストラテジー」をバランスよく指導するTOEIC研修をはじめ、法人向けのTOEIC学習プログラムを各種ご用意しています。スコアアップだけに終わらない、実務で使える英語力を養います。
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